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【女性の働き方ラボ Part2】情報化社会では、多面体な自分でいることが偶然の好運につながる

米田智彦

女性と仕事との関わりは十人十色。私らしい働き方、私らしい生き方を模索するイマドキ女性たちに、識者の見解や企業の取り組みを通して、女性を取り巻く社会環境を読み解きます。

『僕らの時代のライフデザイン』(ダイヤモンド社)などの著書を持つ米田智彦さんに女性の働き方・生き方についてお聞きする連載の2回目。

米田さんが提案するのは、「多面体の自分」です。たとえば米田さんは会社では部下を何十人も持つ管理職。でも趣味の生け花教室に出かけると、そこでは最年少だといいます。その場によって、周囲から認識される「自分」がちがうこと。それを楽しむことで可能性が広がると米田さんは言います。

「自分が今親しくしている人や属しているコミュニティーとちょっとちがう毛色の人と会ってみるとおもしろいと思います。一歩を踏み出してみると、そこから得られるものは大きいし、価値観のちがう人と話すのは自分の世界を広げるきっかけになります。真面目な人は真面目な人とだけ集まってしまうと真面目なままなので、変わった人、自分とちがう色の人と出会うとおもしろいし、大きな気づきを与えてくれます。日本人はどうしても『自分が考えていることを他人も考えている』と思ってしまいがち。でも他人がちがうことを考えているからこそ、人に会うことはおもしろいんです」

一方で、現代は情報過多と言われる時代です。たくさんの情報がある中、自分に合ったものを取捨選択するのは難しいように思います。

「インターネットが使われるようになってから確かに情報の量は増えました。まず自分のセルフデザインなど3つの要素を踏まえて取捨選択することは大事です。ただ一方で、スマホでニュースを読む時代になり、自分のほしい情報にしか出会わなくなっている、ということもありますね」

確かに、昔のようにテレビを見たり新聞を読んだりするのとはちがい、関心のあるニュースだけ探しに行ってしまう、ということはありますね。

「僕も少し前までテレビを見ていなかったのですが、最近になってまた見はじめました。たとえば生け花の師範の方は80代ですが、師範と共通の話をするときにはテレビの話が役に立ちます。ネットだけではなく、テレビやラジオも含めて多層なレイヤーで情報を取っていかないと、自分の好きなことにしか出会えません。でも、そうすると偶然が減ってしまう。偶然の好運(セレンディピティ)を増やすことで人生って変わっていくと思いますし、他者と向き合うきっかけにもなります」

まず、セルフデザインなどを改めて考えてみて、自分の軸を持つことが大事。さらに、その軸を持ちながら、「遠征」して情報を取得したり、人と会うことが人生を豊かにしてくれるのでしょう。偶然の好運、増やしていきたいですね。

【続きを読む】女性管理職を増やすためには? 受け身にならず、一人ひとりがアクションを!

(小川たまか/プレスラボ)

※画像は本文と関係ありません

※この記事は2015年05月10日に公開されたものです

米田智彦

編集者、文筆家、ライフハッカー[日本版]編集長。TOKYO MXテレビ「モーニングCROSS」準レギュラー。著書『僕らの時代のライフデザイン』が台湾・韓国に続いて中国本土でも翻訳出版。最新刊は『デジタルデトックスのすすめ』。

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