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やっぱりそうなの!? 医師に質問「幼児期に肥満だと、大人になってからも太りやすい?」

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■日本でも問題視されている“肥満児”

現在、世界全体で肥満の子どもの数が増えていて、アメリカなど一部の国ではなんと、子どもの3分の1が肥満か太り気味とされています。日本でも平成18年までは少しずつ肥満の割合が増加していましたが、以降はその割合が減少していました。しかしながら、平成23年度からは肥満児童の数は横ばい状態になっています。子どもの時期に肥満だと、いったいどのような影響があるのでしょうか?

■子どもの肥満が引き起こす、あれこれ

まずは、糖尿病や高脂血症といった生活習慣病になってしまうことです。このような生活習慣病は、中高年以降で発症すると思っている人も多いと思いますが、最近では子どものうちからこのような生活習慣病を発症してしまうケースも。また、幼児期・学童期に肥満だった子どもはその約70〜80%が成人してからも肥満になりやすいといわれています。大人の肥満も生活習慣病になりやすく、心筋梗塞や脳卒中といった病気を引き起こしかねません。

実際にこれまでの研究で思春期〜青年期(10〜18歳程度まで)のBMIが高いと、大人になってから心血管病(心筋梗塞や脳卒中)にかかるリスクが高くなるという報告もされています。最近ではもっと前から、つまり妊娠中の胎児の段階から母親が肥満気味だとその影響で子どもが将来太りやすくなったり、生後2歳になるまでの身体測定で体重が標準よりオーバー気味だとその後の肥満のリスクが高くなることもわかっています。

■精神面に与える影響も多い

体の病気だけではありません。肥満によって運動能力が落ちてしまうと同世代の子どもと一緒に遊ぶことができなくなってしまいます。また肥満による劣等感など精神的にも自己評価が低くなるといった影響も見られます。子どもの時期は成長に一番大切な時期で、肥満だからといって無理なダイエットはできません。

■まとめ

こうした習慣は大人になってから(実際には思春期以降には)変えることはなかなか大変です。小学校に入る前くらいから正しい生活習慣を身につけられるようにすることが大切です。

(文:37歳女性小児科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.31)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年12月16日に公開されたものです

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医師をはじめ、歯科医、薬剤師、介護福祉士、栄養士、獣医、心理カウンセラーの6つの士業・専門従事者を擁する、総合型の健康Q&Aサービス。2013年8月のサービス提供開始以来、『安心をもっと身近に』というサービスコンセプトのもと、医師だけにとどまらず、専門資格を持つ多様な回答者を増やし、場所や時間を気にすることなく、さまざまな悩みを気軽に相談できるサービスを実現。https://doctors-me.com/

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