妊娠だけじゃない! “甘い”“辛い”“すっぱい”ものを無性に食べたくなるのはなぜ?
■体の変化を映し出す“味覚”の不思議
私たちが感じる味覚には、大きく、甘味、塩味、酸味、苦み、旨味の5種類があるといわれています。普段はあまり意識することがないと思いますが、じつはこの味覚というのは体の変化を敏感に映し出しています。
■各味覚と体調の関係
1 甘み
ちょっと疲れたときに、飴やチョコレートを食べたくなる、という人は多いのではないでしょうか? 人のエネルギー源は、グルコースと呼ばれるブドウ糖ですが、このブドウ糖がなくなると疲れを感じるようになります。一般的に、チョコや飴といった甘いものに含まれているブドウ糖はすぐにエネルギーに変わるので、疲れているときには甘いものが欲しくなります。
2 辛み
辛いものを欲しくなるのは、ストレスがたまっている証拠だといわれています。人が何かストレスを感じると、それよりさらに強い何かほかの刺激で打ち消そうという生理的な反応が起こります。味覚の中でもっとも強い刺激が「辛み」のため、この辛いものを食べてストレスを忘れるという反応が起こります。
3 酸っぱい
本来人は、生理的に「辛み」や「酸味」が苦手な生き物です。これは、自然の環境では辛みは毒を、酸味は腐ったものを意味するため本能的に避けようとするからです。しかし、人は疲れると酸っぱいものを求めるようになります。それには、酸っぱいものに含まれる「クエン酸」にヒントがあります。
体が疲れると「乳酸」と呼ばれるものがたまりますが、この乳酸を体の外に出すのに大切な働きをするのが「クエン酸」なのです。また、このクエン酸は新しい乳酸が体の中で作られるのを防ぐ役割もあります。何か酸っぱいものを食べたいと思うときは、体が疲れている(=乳酸がたまっている)という証拠かもしれません。
■まとめ
上記以外にも、喫煙などによって、亜鉛などのミネラルの不足、味が濃い食事の過剰摂取などによって味覚が変化することがあります。時には貧血などの病気が隠れている場合もあるので、おかしいなと思った場合には病院で相談するようにしましょう。
(文:33歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)
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※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.14)
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください
※この記事は2014年12月15日に公開されたものです