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多くの女性が悩んでいる、生理中の下痢。改善策を教えて!

■なぜ生理中は下痢しやすい?

生理前や生理中に下痢をしやすい女性は多いと思います。また普段は便秘がちの人でも生理中は便通がよくなることも多いようです。これはなぜなのでしょうか?

まず、生理前は便秘になりやすくなります。これは、排卵後に分泌される黄体ホルモンであるプロゲステロンが原因です。プロゲステロンの働きで体に水分や塩分を溜め込むようになるので、腸も便から水分を奪ってしまいます。その結果便は硬くなり、便秘を起こすのです。

一方、生理直前や生理中は、プロゲステロンの分泌がなくなるので、便秘になりにくくなります。さらに生理中は、プロスタグランジンという生理活性化様物質が分泌されます。このプロスタグランジンが、腸を収縮させて腹痛をともなう下痢を引き起こしやすくしているのです。 症状には個人差があり、特に腸が反応しない人もいれば、毎月決まって下痢になる人、あるいは吐き気をともなう人までいます。

■“食事&温める”で症状緩和

アラキドン酸という物質がプロスタグランジンの生成に関与しており、この摂取を控えれば、生理中のつらい症状を少し和らげることができるのではないかと考えられています。

アラキドン酸を多く含むのは、肉、卵、乳製品。つまり、野菜中心の食事を心がけることが有効です。また、γリノレン酸や、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などの魚の脂を摂取することによってもプロスタグランジンを作る酵素の働きを邪魔して症状を和らげてくれると考えられています。

その他、子宮や腸の緊張をほぐすためによく温めることも効果的です。血流がよくなることで症状が和らぐでしょう。これからの寒い季節は、衣服や防寒具に気を配り、腹部を冷やさないようにしたいですね。

■まとめ

プロスタグランジンを抑える効果のあるイブプロフェンなどの薬を、生理直前から服用することも有効です。下痢の症状があまりにひどく日常生活に支障をきたすようであれば、婦人科に相談しましょう。

(文:38歳女性内科医/Doctors Me、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.14)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年11月23日に公開されたものです

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