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【女の嘆き】これってセクハラ? 「なれなれしい男性」からの自衛策3つ

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
普段から、同性異性問わず、好感を持ってもらえるよう心がけています。でも最近、ちょっと問題が……。ある男性社員の近くにいると、いつも身体のどこかが接触するのです。書類を渡すときに手が触れる。すれちがうときに脚に相手の手が触れる。肩や髪を触られてびっくりして振り返ると「糸くずがついていたから」と言われる。気のせいだと思いたいのですが、これってセクハラなのでしょうか。

男性のどんな言動をセクハラと感じるかは、個人の感じ方によります。たとえば相手があこがれの男性なら、手が触れ合っただけで「ラッキー!」と小躍りしたくなるわけで、間違ってもセクハラで通報したりはしないでしょう。

一般的にセクハラというのは、自分が不快だと感じるラインで判断するのが妥当だと考えられています。昨今、多くの企業には、コンプライアンス部門やハラスメント専用のホットラインが設置されていますし、匿名相談ができる場合もあるので調べてみましょう。相談先を確保するだけでも気持ちはずいぶん楽になります。

さて、明らかに悪質と感じるラインのセクハラであれば容赦なく通報できますが、問題は微妙なラインの“なれなれしさ”。ふだんから良好な関係だと思っていた相手から、徐々に距離を詰められたり冗談交じりに接触されたりすると、ショックを受けるとともに、今後の関係性などを考えて対応に迷うことも。

そもそも、セクハラと誤解される振る舞いをする側に、社会人としての自覚が欠けているという見方もできますが、実は知らずに望まぬ人を引き寄せてしまう自分側の要因というものもあるのです。ここでは、その要因を取り上げながら、気づいたときからはじめられる自衛策を紹介してみます。

<女の嘆きへの処方箋>
●その1 “反動形成”の仕組みを理解する

苦手な人に、ついニコニコしてしまう。面倒くさい相手に、つい親切にしてしまう。そんな体験はないですか。まわりから見ると、まるであなたが相手に好意を持っているかのように(あなたの気持ちは真逆なのに)見えていることが。この現象に深く関係するのが、反動形成という心の働きです。

反動形成とは、無意識レベルで感じる強い感情があっても、意識のレベルでは正反対の表現をしてしまうという自己矛盾のこと。なぜそんなことをするのか? それは、理想の自己イメージを守るためです。理想の自己イメージが「好感度の高い人でありたい(あらねば)」というものであれば、とっさにわいてくる嫌悪感や侮蔑感や攻撃的な感情というのは受け入れがたいもの。そんなひどい人間であってはならないという自分への検閲が、本心とは正反対の振る舞いとなって表れるというわけ。とくに営業、秘書、アテンダント、受付、医療、福祉、美容関係など、相手に“快適さ”というサービスを提供する接客業の方は、知らずにこの状態になりやすい傾向が。

仕事上では、自分を繕うことが有効な場合はいくらでもありますが、どんな相手に対しても「極上の善人」であろうとすると、勘違いの末のセクハラ行為を誘引してしまうことも。そんな望まぬ事態を引き寄せてしまったら、まずは本心と言動のズレをチェックしてみましょう。

●その2 節度を持ってほしければ、「ツレナイ女」になる

男性がなれなれしくしたくなる女性というのは、いわゆる「隙」のある女性。隙のある女性とは、用がなくてもそばに行きたくなるような、つまり親しみやすさ、ノリのよさ、庶民的な色気、受け入れてくれる雰囲気などを感じさせる、モテ女の代表格でもあるのです。

基本的には、その路線で得することのほうが多いはずなので、セクハラというのはモテる女性にとってのマイナートラブル、つまり予定外の副次的効果なので、賢く避けるのが基本です。その最たる対処が、適度にツレナイ態度を取ること。距離を縮めてほしくない相手には、快適なサービスをしすぎないよう心がけて。ときには、「やめてください」「困ります」ときちんと言葉にして意思を伝えることも必要。

●その3 人格を変えてしまうのではなく、“一時解除”でOK

理想の自己イメージが「好感度の高い人でありたい(あらねば)」というものだと、いざそうでない振る舞いをしようとすると、葛藤が起きるのが普通です。素敵な人でありたい人が、素敵じゃない自分を表現するのは、感覚的に気持ちが悪いということ。しかし、それは迷惑な“なれなれしい接触”を回避するという目的があるので、「理想の自己イメージを必要に応じて一時解除するだけ」と、頭で納得することも必要でしょう。うまくいかないことがあるたびに、人格を全面リニューアルするのではなく、相手と状況に応じて自己イメージを使い分ければいいのです。

※画像は本文と関係ありません

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2014年11月12日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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