世界に誇る日本文化!『錦鯉』ってどんなのか知ってますか?
日本庭園の池で優雅に泳ぐ、色鮮やかな「錦鯉(にしきごい)」。ここ数年は、海外のさまざまな国からも注目されているそうです。皆さんは、この錦鯉にはどんな種類があって、どれくらいの値段のものなのか、ご存じですか?
今回は、意外と知られていない「錦鯉」のアレコレをご紹介します。
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江戸時代から続く錦鯉文化……
錦鯉の歴史や種類などを、全日本錦鯉振興会の西脇秀夫さんに伺いました。
――日本で錦鯉を飼育し始めたのはいつくらいなのでしょうか?
西脇さん 19世紀の初頭、江戸時代の後期といわれています。当時、鯉の養殖が盛んだった越後(現在の新潟県)山古志郷二十村で、赤や黄色の体色をした突然変異種の緋鯉と白鯉を交配させたところ、白い肌に緋色の斑紋が現れる種類が誕生しました。
一方で、自然環境への適応でこのように変化する鯉も発見されました。
――それが錦鯉の始まりだったのですね。
西脇さん その後、山古志郷二十村の農民は、両者を交配させるなど、改良に改良を重ね、今日の華麗な姿に作り上げたのです。ちなみに、かつては錦鯉ではなく、変わり鯉と呼ばれていました。その後、変わり鯉から「色鯉」、そして「花鯉」と呼び名が変わっていき、改良を重ねていく内、色々な品種が出来たことから、その後現在と同じように錦鯉と呼ばれるようになりました。
――現在、日本で育成されている錦鯉は何種類くらいあるのでしょうか?
西脇さん 錦鯉の品種は約100種類ほどあるといわれておりますが、全日本錦鯉振興会主催の品評会では、20品種の分類で行っています。
1:紅白
2:大正三色
3:昭和三色
4:白写り
5:五色(五色三色、五色昭和含む)
6:A銀鱗(紅白、大正三色、昭和三色)
7:B銀鱗(A銀鱗以外のもの)
8:変わり鯉
9:孔雀(ドイツ孔雀含む)
10:九紋竜
11:ドイツ鯉(秋翠、光りもの、九紋竜を除く)
12:光り模様
13:衣(衣三色、衣昭和含む)
14:丹頂
15:光り写り
16:光り無地
17:秋翠
18:浅黄
19:べっ甲
20:うつり・黄写り
――こうした数多くある錦鯉の種類の中で、特に人気が高いものはどれなのでしょうか?
西脇さん 人気が高いのは、「紅白」「大正三色」「昭和三色」「白写り」「五色」の5つです。
――こうした錦鯉の価格はどれくらいのものなのでしょうか?
西脇さん 錦鯉の価格は、鯉の購入者が体型、斑紋、資質、品位、風格等を見極めて購入するので一概には決められませんし、大きさによっても変わりますが、安いものは100円単位、高いものは数千万円単位になることもあります。
――値段は本当にピンキリなのですね。どんな鯉が比較的高額になる傾向がありますか?
西脇さん 高額で取引される品種は、紅白、大正三色、昭和三色が特に多いと思われます。外国の方の場合は光りものや無地といった系統の鯉を購入されます。
――最近では海外でも錦鯉が人気だそうですが、どういった国々で人気なのでしょうか?
西脇さん まずアメリカで人気ですね。またアジアでは、中国、インドネシア、マレーシア、香港、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、台湾で人気です。ヨーロッパだと、ドイツやオランダ、ベルギー、イギリスといった国で人気です。
――海外ではどのような盛り上がりを見せているのですか?
西脇さん 海外においては、日本文化の愛好者が日本庭園等のセットで錦鯉を飼うことから普及し、愛好者が増加したものと考えられます。また、東南アジアでは、鯉は縁起物として祭られることもあって人気です。錦鯉が人気な国々では、愛好者たちの出品による「錦鯉品評会」が毎年盛大に開催されていますよ。
江戸時代から続いている日本の錦鯉文化。現在では海外の国々でも愛されているもののようです。そう簡単に飼うことのできないものですが、こうした日本の伝統的なものが世界中から注目されているのはなんだか誇らしいですよね。
全日本錦鯉振興会
http://jnpa.info/
(中田ボンベ@dcp)
※この記事は2014年09月30日に公開されたものです