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もし一生「おひとりさま」の場合、どんなマネーリスクがあるの?

大竹のり子


大竹
 はい。それに先ほどの平均支出は、住居費1万5,000円とした場合の計算ですので、持ち家であればローンは退職するまでに払い終えている前提になりますし、賃貸であれば毎月7万円ほどの追加支出を想定しておかなければいけません。もし、趣味や旅行などゆとりのある暮らしをしたいのであれば、ひとりでも月28万円ほどの生活費は確保したいところ。また、60歳で退職するなら、さらに500万円余分に貯めておきたいですね。

編集部 なるほど……。それぞれの収入や持ち家の有無、老後にどんな暮らしを送りたいのかなどによって、備えておくべき金額が変わってくるのですね。老後までに貯めておきたい金額の目安がわかる計算方法などはありますか?

大竹 あります。「(老後の生活費+病気や介護などイレギュラーな出費に備えるお金)-退職金」で計算すれば、自分で用意しておきたい金額がおのずとわかります。老後の生活費は、先ほどの「年金だけでは足りない金額×12カ月×老後の年数」で計算、もしもの病気や介護に備えるお金は300~400万円を目安にするといいですよ。

編集部 ちなみに、「生涯の平均手取り月収が20万円で厚生年金に入っている女性」であれば、現状の年金制度だと、いくらくらい支給されますか?

大竹 22歳で就職して65歳まで働く場合は、年間の厚生年金支給額が71万9,100円。ここに国民年金の約80万円がプラスされますので、トータルで150万円ほどです。

編集部 そう考えると、月々の収入は約12、3万円。先ほど教えていただいた「シングルの高齢無職世帯の1カ月の平均収入」と同じくらいということですね。

大竹 はい。そういう意味では、今は正社員でも派遣社員でもあまり手取りのお給料が変わらなかったりするかと思いますが、「50歳になっても安定的に派遣の仕事があるのか」「退職金はあるのか」などを考えたとき、やはり正社員と派遣社員の差は大きい。今、派遣社員などの雇用形態で「このまま、おひとりさまかも」と思う方は、正社員の仕事に転職をしておいたほうが、将来のリスクヘッジになるかと思います。

編集部 「最低貯蓄1,500万円」も、しっかり働き続けることが前提なんですね。とはいえ、年を重ねるごとに病気のリスクも高まりますし、定年まで順調に働き続けられるとは限りません。おひとりさま女子だからこそ抱えるマネーリスクにはどんなものがありますか?

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