忘れろと言ったことを忘れられない心理とは?

人間は、とても忘れっぽい生き物です。「絶対に忘れないでね」と念を押されていたのに、ついうっかり忘れてしまった…という人も多いのではないでしょうか?実は、「忘れないで」よりも効果的なのが「忘れてもいい」だった!?
部下のミスには肩の力を抜くような言葉をかけるとよい
部下がミスをしてしまうと、ついつい「何やってるんだ!」と怒ってしまうという人が多いのではないでしょうか?でもこれをしてしまうと、部下の頭の中にはミスをする=怒られる=緊張する=またミスをするという悪循環でしかない図式が出来上がってしまうのです。
結果、いつまでたってもミスはなくなりません。これを防ぐためには、怒りたいのをグッと我慢して「まぁ、気にするな。この次頑張ればいいよ。人間は誰だってミスするんだから」と言ってしまいましょう。そんな甘やかして大丈夫?
と思うかもしれませんが、人間のミスはほとんどが緊張から来ているのです。だから、肩の力が抜けるような言葉かけをしてあげると緊張がとれて、次回から実力を発揮できるようになるのです。
単語の記憶実験
ニューヨークのディーメン・カレッジの心理学者であるR・シンバロが、学生を相手にとても興味深い実験をしました。学生たちを2つのグループに分け、それぞれに60の単語を覚えさせるというもので、その際、ひとつのグループには「そんなにムキにならなくてもいいぞ。
忘れてしまってもかまわないんだからな」と声をかけ、もうひとつのグループには逆に「しっかり覚えてくれ。絶対に忘れないように」と声をかけたのです。
その結果どうなったかというと、「しっかり覚えろ」と声をかけたグループのほうの学生たちの結果よりも、「忘れてもかまわない」と声をかけたグループのほうが結果がよかったのです。
このことから、人間はプレッシャーをかけられると本領を発揮できないということがよく分かります。大切なことであればあるほど、相手にリラックスしてもらうようにしたほうが、結局いい結果が得られるのですね。
※この記事は2013年09月28日に公開されたものです