リクルートスーツは地味な方がよいワケ

みなさん、面接時にはどんな服装を選びましたか？おそらく黒のスーツで面接に挑んだ人も多いのでは？しかし、黒のフォーマルスーツはいわゆる礼服の代表ですよね。ではなぜ今、リクルートスーツに黒が多いのでしょうか？各方面にリクルートスーツの最新事情について尋ねてみました。

黒のスーツを選ぶ学生さんが圧倒的に多いため、特にレディススーツは仕入れの7～8割がブラックです。一人だけ目立ちたくないという理由で黒のスーツがよく出ます。(リクルートスーツ専門店　販売員　20代/女性)

特に女性の場合、黒のスーツに白のブラウス、髪をひとつに束ねたスタイルばかりです。自己アピールするだけの自信がないのでは？と思ってしまいますね。もうひと工夫あってもいいのでは？(人事担当取締役　50代/女性)

学生に黒のスーツを選ぶようにと指導したことはありませんが、おそらく企業側の採用基準が明確でないために、学生たちに迷いがあって無難なところで黒を選んでしまっているのではないでしょうか。学生には企業のカラーに合った服装を選ぶようにとアドバイスしています。(大学教授　30代/男性)

デパートの品ぞろえや、雑誌やポスターに影響されているところが多いのでしょう。過去には大学に張り出された見本ポスターをみて、女子学生全員が写真と同じベルト付の靴を履いて面接に臨んだこともあると聞きます。(心理カウンセラー　40代/女性)

調べてみると、黒のスーツに特別な意味があるわけではなく、関係者のなかには個性がなさすぎるという意見も。私服の面接も増えているため服装の選び方に困っている人も多いということで、就職指導を手がけるカウンセラーの方に服装の注意点について聞いてみました。

――基準はあるのでしょうか？

「新人らしく地味な服装が望ましいです」

――性的な服装はマイナスポイントですか？

「就活の服装はおしゃれではなく身だしなみ重視ですので、個性をアピールするような服装は面接官の好みよっては不快感を与えてしまいます。

また外見によって余計な印象を与えてしまい、いらない期待感や逆に違和感を抱かせてしまいますので、面接時のハードルが上がってしまうこともあります」

――私服面接でのポイントとしては？

「このところ増えていますが、私服によって個性を見分けるわけではありません。これも社会人としての常識をみるための一種の判断基準です。そのため選び方としては社会人としての節度を重視した落ち着いた服装を選びます。その際、学生と面接官のイメージに相違があるので、面接官と同年代の社会人にチェックしてもらうといいですね」

リクルートスーツは地味であることが重要な要素。これによって逆にフレッシュさをアピールできるそうです。そのため、カラーは色目を抑えてダーク系を。カッターシャツはやはり白が定番です。ベージュ系の目立つ色のスーツやストライプなどの柄物のスーツ、男性ならば細身のネクタイなども避けましょう。

(安藤のり子)

※この記事は2013年05月04日に公開されたものです