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彼氏がイカないで終わるのは相性が悪いから? 男性がイケない理由と解決法【医師監修】

小堀 善友(こぼり・よしとも)

セックスの時、彼氏がイカないで終わると「自分との体の相性が悪いから?」と気になりますよね。男性がイケない理由はどこにあるのでしょうか? また、女性側ができることとは? 男性の性機能障害に詳しい医師の小堀善友先生に伺ってみました。

セックスをしても彼氏がイカないで終わることがあり、そのことに不安や辛さを感じている人も多いのでは。

セックスで男性がイケなかったり中折れしたりしてしまう問題は意外に根が深く、別れることを考えてしまう人もいるようです。

男性がイケないのは、何が原因なのでしょうか。射精障害の専門家に教えていただきました。

彼氏がイカないのはなぜ? 体の相性が原因?

彼氏が「イカない」「中折れしてしまう」のは、体の相性ではなく「膣内射精障害が原因かもしれません」と話すのは、泌尿器科医の小堀善友先生。腟内射精障害は、遅漏(勃起はできるけれど、射精できない状態)の一種で、マスターベーションでは射精できるのに、女性の腟では射精ができないというタイプの射精障害です。

腟内射精障害の主な理由について、小堀先生は「不適切なマスターベーションの影響が大きい」と指摘します。

イケない理由である「不適切なマスターベーション」とは

不適切なマスターベーションとは、例えば以下のような方法で行うものを指します。

・「床オナ」と呼ばれる、ペニスを床や布団・まくら・雑誌などにこすりつけて行うもの

・「足ピンオナニー」と言われる足をピンと伸ばした姿勢で行うもの

床オナのように手を使わずにするマスターベーション(専門用語で非用手的マスターベーションといいます)では、強い刺激でイクことに慣れてしまうため、腟での刺激を弱く感じて射精できなくなることがあります。

また、足ピンオナニーのように、必ず足をピンと伸ばした姿勢でマスターベーションをしていると、この姿勢でないと射精できないというクセがついてしまうこともあります

体の相性が悪いからイケないわけではない

その他、ストレスや生活習慣、年齢が、射精に影響を与えることもあります。

このように、さまざまな原因で生じる腟内射精障害ですが、体の相性など、原因が女性側にあることは少ないと小堀先生は話します。

「そもそも体の相性というのが本当にあるのかどうかも、よく分かっていません。

妊活中のカップルであれば、『排卵日には必ずセックスしなければ』というプレッシャーを男性が感じ、射精が妨げられてしまうケースもありますが、それ以外に女性が原因で射精障害が起こるケースはあまり多くありません。

当院の調査では、射精障害の原因の過半数は、不適切なマスターベーションによるものです」(小堀先生)

彼氏がイカない時に試したい対処法5つ

彼氏がいつもイカないで終わる、1度も中でイったことがないという場合は、腟内射精障害が疑われます。小堀先生から彼氏がイカない時の対処法について教えていただきました。

(1)マスターベーションのやり方を変えてもらう

さきほど紹介した床オナ、足ピンのように、強すぎる刺激や特定の姿勢でのみ射精することを繰り返していると、腟での刺激を弱く感じてしまい、射精にいたらないことがあります。そのため、適切な刺激で射精ができるように、マスターベーションの方法を変えることが必要です。

・強く握りすぎない

・早く動かしすぎない

・リラックスした姿勢で行う

・腰を動かして射精をする

以上のことに気をつけて、彼氏にマスターベーションのコツをつかんでもらうと良いでしょう。男性機能の改善を目的としたトレーニングカップを利用するのもおすすめです。

(2)可能な場合は、彼女が手伝うのもOK

彼氏に抵抗がなければ、彼女がマスターベーションのトレーニングを手伝うことも可能です。例えば、以下のような方法で射精の練習をするのも良いでしょう。

・2人でセックスをした後、彼氏にはマスターベーションで射精にいたってもらう

・彼女が彼氏のペニスを手で刺激し、射精に導く

・手での刺激でオーガズムを迎えそうになったら腟に挿入し、射精を試みる

(3)女性はパートナーを責めない

女性側からすると、男性が自分の腟内で射精できないことは悲しいと感じるかもしれません。そのため、男性を責めたい気持ちにかられてしまうこともあるでしょう。

ですが、それと同じように男性も、腟の中で射精できないことに対して申し訳なさや情けなさを感じていると考えられます。そんな時に射精できないことを責められてしまうと、男性は深く落ち込んでしまうでしょう。

腟内射精障害には、男女それぞれの辛さがあります。相手を責めるのではなく、どうすれば解決できそうかを一緒に考えて協力していくのが、お互いにとっての良い解決策になります。

(4)生活習慣を見直す

勃起や射精は性的刺激や興奮だけで起こるものではなく、脳から体へ、きちんと指令が伝わることによって生じるものです。

従って、例えば生活習慣の乱れやストレスの蓄積などにより、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかないことなどがあると、勃起や射精にも影響が起こることがあります。生活習慣の見直しは、「性」活習慣においても、非常に重要です。

(5)医師に相談する

射精障害は、努力してもなかなか解決の糸口が見つからないことも少なくありません。自分たちだけで解決するのに困難を感じたら、医師に頼ることも視野に入れましょう。

射精障害は、泌尿器科で治療することが可能です。男性の性機能障害の治療を積極的に行っている泌尿器科を受診するのが良いでしょう。

体調によっては中折れすることもある。彼氏がイカない時の注意点

セックスの時に彼氏がイカなかったり、中折れ(勃起をしていても、挿入中に少しずつ萎えていく状態)したりすることがあったとしても、それらが全て射精障害とは限りません。

体調やストレスなどの影響で、たまたまその日、射精がうまくいかなかっただけという場合もあります。

女性も、その時の体調や気分によってセックスの感じ方に違いが出ることがあるように、男性にもそれと同じようなことが起こります。その影響でイケない=射精できないことは、決して珍しいことではありません。

「自分に魅力がないのかも」と自分を責めたり、「何でイケないの?」と相手を問い詰めたりしたくなるかもしれませんが、彼氏も射精できなかったことに不安になったり、自信をなくしたりしている可能性があります。

たまにある程度なら、「そういうこともある」と、特に気にせずに過ごしておきましょう。

ただし、イケない状態が長く続く場合、もしかすると何らかの体調不良や病気が隠れている可能性も考えられます。

他にこれといった自覚症状がなくても射精できない状態が続く時は、医療機関を受診したり、健康診断を受けたりして、体の具合を確認することを相手に促してみるのををおすすめします。

「イカない」ことは珍しくない。原因に合わせて適切に改善を

射精がうまくいかないという悩みは決して珍しいことではありません。その原因も体調やメンタルの影響による一時的なものから、性機能障害までさまざまです。

まずは男性のマスターベーションのやり方を見直してみると共に、射精を妨げている原因がないか考えてみましょう。

そのうえで、場合によっては医療の力に頼りながら、原因に応じた解決策を試みて、少しずつ改善を目指していきましょう。

(監修:小堀善友、取材・文:山本尚恵)

※画像はイメージです

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