お香にはリラックス効果がある? 歴史や種類、使い方
お香は単純に香りを楽しめるだけでなく、リラックス効果やリフレッシュ効果が得られるとも言われています。お気に入りの香りで、心も体もほぐすことができるでしょう。この記事では、お香のリラックス効果と、香りの種類、使い方、注意点を紹介します。
仕事や家事、人間関係など、日常生活において悩みはつきものです。現代人ならではのSNS疲れなどもあり、一息つく時間を確保できていない人も多いのではないでしょうか。
ストレスや疲れのケアとして注目を集めているのが、「お香」です。なじみのない人もいるかもしれませんが、お香の効果は多岐に渡っており、長年評価されてきたアイテムなのです。
そんなお香の効果や種類、効果を高める使い方などを解説していきます。リラックスタイムを確保したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
お香の歴史について
現在は日本でも雑貨屋や通販などで購入できるようになったお香ですが、実は古代インドや古代エジプトの時代から使われていました。
まずは、世界的に愛されるようになったお香の歴史について解説していきます。
起源はインド
お香の発祥はインドといわれています。インドで仏教が普及した時に、焼香としてお香が使われていたそうです。焼香とは、仏式の葬儀や法事でお香を焚くことを意味しています。
インドで焼香としてのお香が普及し、それが中国に伝わっていきます。仏教を取り入れていた国に次々に伝わり、やがて日本にもお香が伝来してきたとされています。
日本ではどう広まった?
日本にお香が伝来したのは、飛鳥時代といわれています。仏教が日本に伝わるタイミングでお香も日本に伝えられました。日本最古の歴史書『日本書紀』にも、お香についての記述が認められています。
奈良時代になるとさまざまな学問が発達し、お香の調香技術も伝えられました。従来は既存の香りをそのまま楽しむのみでしたが、調香技術が伝わったことでだんだんと楽しめる香りの幅が広がっていきます。
さらに平安時代になると、調合した香りを披露し優越を競ったり、部屋や衣類にお香を焚いて香りづけをしたりする文化も生まれます。
江戸時代になってからは武士や町人といった庶民の間でもお香が使われるようになり、多くの人に親しまれるものになりました。
そして現代になり、技術が向上したりさまざまな香料を手に入れられるようになったりしてきました。新しい香りも次々に開発され、多くの人が手軽に楽しめるものになりました。
お香でリラックスできるのはどうして?
お香で気持ちが和らいだり、リフレッシュできたりするのはどうしてなのでしょうか。その答えとして『香十徳(こうじっとく)』という詩文を、中国の詩人が残しています。
香十徳という詩文では、香りの良いところが10個挙げられており、心身をきれいにして感覚を研ぎ澄ませることや、忙しい中で心を静かに落ち着かせる効果があるなどとされています。
ほかにも、長期間保存できることや少量でも香りがすること、日常的に使っても体に害を及ぼさないことなどが記されているのです。
現代でも認められている効果が、日本にお香が伝わる前に発見されていたとは驚きですよね。
お香の効果は?
それでは、お香の効果とは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
前段で触れた『香十徳』で昔から知られてきた効果は、現代でも注目を集めている効果でもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
リラックス効果
お香の香りにはリラックスする効果があるといわれています。
香りにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる働きを持ちますが、お香の場合はリラックス効果が大きいと考えられているのです。
また、お香から立ちのぼる煙を見つめるのもリラックスに効果的。ゆらゆらと揺らぐ煙をぼんやり眺めていると、心も落ち着いてくることでしょう。
リフレッシュ効果
お香の香りは、リフレッシュにも効果的です。
日常生活でたまった疲労や緊張などをほぐし、ゆっくりくつろげる空間を演出してくれるでしょう。
自分の好きな香りや快適に感じる香りを探してみると、リフレッシュ効果がより高くなるはずです。
お香の種類は?
長年愛されてきたお香ですが、現代に至るまでにさまざまな種類のお香が開発されました。
従来のように火を使うタイプから、最近では火を使わずに香るタイプまで幅広い種類が販売されているのです。
ここからは、お香の種類について紹介していきます。どんなタイプのお香があるのか、どれが自分のニーズに合っているのかなどを考えながら見てみてください。
スティックタイプ
まずは最もオーソドックスなお香であるスティックタイプ。お線香のような形で、細長い棒状です。
長さがあるので燃焼時間が長く、長時間香りや煙を楽しめるのがうれしいポイントです。折って使えば、ちょうど良い燃焼時間に調整できるというメリットもあります。
燃える面積が一定なので、香りが均等に広がりやすく、強くなったり弱くなったりしないことも特徴です。
コーンタイプ
三角形になっていてコーンのような形のお香で、先端部分に火をつけて使います。燃えれば燃えていくほど火がついている面積が広くなっていくので、香りが徐々に強くなっていくのが特徴的です。
スティックタイプに比べて長さがないので燃焼時間は短いですが、香りが強いので短時間で香りを広げたい時に使えます。
渦巻きタイプ
蚊取り線香のような形の渦巻型。燃焼時間が長く、長時間香りを楽しめるのが特徴です。
スティックタイプと同じく折ってしまえば燃焼時間の調整も可能です。
持ち運びタイプ
木材や袋の中に香料が入っているものもあります。火をつけずにそのまま使えるので、手軽にお香を楽しみたい人におすすめです。
自宅で楽しむだけでなく、カバンの中に入れたり引き出しに入れたりするのも良いでしょう。
もっと効果的にお香を楽しもう! おすすめの使い方と注意点
お香には、開運や幸運を引き寄せるとも考えられています。
ここでは、そんなお香を楽しむためのおすすめの使い方と注意点を紹介します。。
お香を焚くのは部屋が整ったタイミングで
お香を焚く時間として最適なのは、整理整頓や掃除を終わらせた後です。
部屋の状態を整えた後は良い運を引き寄せやすいと考えられているため、お香の効果を最大限高めることができます。
お香を焚く時間に決まりはありませんが、火を使う以上、ある程度時間に余裕がある時に行った方が良いでしょう。
お香を焚く場所は目的に合わせる
家のどこでお香を焚くかもポイントです。
玄関やトイレなどは幸運を呼び寄せるともいわれており、おすすめな場所です。来客があった時に香りを楽しんでもらえるという点でも良いでしょう。
リビングや寝室でお香を楽しむのもおすすめ。自分の好きな香りに包まれて、リラックスタイムを過ごせることでしょう。
匂いが強い料理や調味料を使った後のキッチンでお香を焚いてもOKです。さわやかな香りを選べば、部屋に充満した香りをさっぱり取り除くことができます。
自分の好みに合う香りを選ぶ方
現在では昔からあるような香りだけでなく、フルーティーな香りなども販売されています。
種類が豊富になったことで、どれを選んだら良いか分からないという人も多いのではないでしょうか。代表的な香りを紹介するので、まずはこれらの香りから試してみてください。
もし悩んだ時はいくつかの香りがセットになっているタイプを選んでみてください。その中から自分好みの香りを見つけて、お香の効果を存分に感じてみましょう。
白檀(びゃくだん)
昔から愛されてきた「白檀(びゃくだん)」。お線香の原料としても使われており、古くからのお香を思わせる香りです。
世界的に見ても伝統儀式で使われることが多かった香りで、瞑想したい時やゆっくり考え事をしたい時におすすめです。
桂皮(けいひ)
シナモンのような香りの「桂皮(けいひ)」は、スパイシーさと甘みを混ぜたような香りが特徴的です。甘いだけではなく刺激的な香りを求めている方におすすめです。
ジャスミン
女性に人気なのは「ジャスミン」。フラワー系の香りなので、お香本来の香りが苦手な方でも楽しめるのがポイントです。上品でほんのり甘い香りに、癒し効果を感じられることでしょう。
色素沈着しないように注意する
お香から立ち上った煙によって、壁などに色素沈着してしまう恐れもあります。
いつも同じ場所だけで焚いていたり、狭い空間でお香を楽しんでいたりする人は要注意です。
また、煙が充満してしまうと体調に異変をきたすことも考えられるため、適度に換気をしながらお香を楽しむように心がけましょう。
火を使うタイプのお香を使っている場合は、お香のそばから離れないようにし、紙類や衣服など周りに燃えそうなものは置かないでください。
お香でリラックスタイムを過ごそう
お香は古い時代から愛されてきたもので、インドから仏教と共に日本へ伝えられたとされています。
そんなお香には、リラックスやリフレッシュ効果、集中力アップなどさまざまな効能があると考えられており、日々のストレスケアにも取り入れられています。
お香を使う時の注意点に配慮しながら、ぜひ日常の疲れや緊張をほぐすのに使ってみては?
(たむたむ)
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