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結婚したら扶養に入った方が良い? メリット・デメリットと手続き方法

ほし ななこ

結婚したら扶養に入った方が良いのでしょうか? まずは扶養に入る意味を知り、自分たちに合った選択をしたいものです。本記事では、扶養とは何かや、扶養に入るメリットとデメリットを解説します。

少し前までは、結婚と共に妻が夫の扶養に入ることがスタンダードだったかもしれません。

しかし今は多様な働き方があって、必ずしも夫の扶養に入るだけが結婚後の選択肢ではなく、夫が妻の扶養に入る場合もあります。

そもそも扶養に入るってどういうこと? 自分の場合は扶養に入った方が良いの? など、分からないことがたくさんありますよね。

今回は、結婚したら扶養に入るべきかどうかを解説します。

結婚後は扶養に入るべき?

少し前までは、結婚をしたら女性が扶養に入ることがスタンダードだったかもしれません。しかし、現在では働き方が多様化し、共働き世帯が増えています。

また、必ずしも男性が大黒柱として家族を養い、女性が扶養に入るといったパターンばかりではなくなっています。女性が一家の稼ぎ手になる夫婦も決して珍しくはありません。

そのため以前のように、結婚したら扶養に入る道ばかりではなく、選択肢が広がったために扶養に入るのかどうかが悩みどころとなる場合もあるでしょう。

そもそも「扶養」とは?

そもそも扶養とは、大きく以下の2つに分けられます。

・税金における扶養

・社会保険における扶養

税金における扶養とは、所得税や住民税の負担が軽減されること。また、社会保険における扶養とは、保険料や年金に関する優遇を指します。

結婚後に相手の扶養に入るメリットは、上記のような優遇が受けられること。

しかし、税金にしても社会保険にしても適用されるためには、俗に「収入の壁」と呼ばれるものがあるのです。

結婚後、扶養に入るための「収入の壁」とは

扶養に入ると受けられるメリットはたくさんありますが、無条件に受け取れるわけではありません。

そこには「収入の壁」があり、それ以上の報酬を超えてはならないなどといった条件があるのです。それぞれの条件を見ていきましょう。

103万円の壁(配偶者控除)

配偶者控除には、「103万円の壁」と呼ばれる基準があります。税金での優遇を受けるためには、被扶養者の給与収入が年収103万円以内であることが条件です。

103万円の内訳は、以下の通り。

・基礎控除:48万円

・給与所得控除:55万円

2つの合計が103万円となります。つまり、給与収入が年103万円以内ならそれぞれの控除額と相殺され、所得税が掛かりません。

 

それでは年収が103万円を超えるとどうなるのかというと、所得税を支払う必要が出てきます。

超えた所得に対して支払わなければならない税金は以下の通り。

・所得税:5~45%

・住民税:約10%

103万円の年収を超えると扶養から外れることになり、世帯の払う税金が高くなります。このため、103万円を超えないように調整しながら働く人が多いのです。

しかし、年収が103万円を超えた場合でも、被扶養者の年収が201万円以下、扶養者の年収が1,220万円以下の条件を満たしていれば、配偶者特別控除の対象に。

配偶者特別控除については次の章で説明していきます。

150万円の壁(配偶者特別控除)

次は、「150万円の壁」と呼ばれる配偶者特別控除です。

前項の通り、パートなどの年収が103万円を超えると、配偶者控除が適用されなくなり、今度は配偶者特別控除の対象となります。配偶者特別控除の上限は、年収150万円です。

これは配偶者の年収が、103万円以上150万円以下なら配偶者特別控除の満額(38万円)が受けられるというものです。

150万円の内訳としては以下の通りです。

・配偶者特別控除が受けられる配偶者の所得上限:95万円

・給与所得控除:55万円

上記2つの合計が150万円。

もしも150万円を超えてしまうと、控除額は減っていき年収201万円を超えると控除額が0円となってしまうので注意が必要です。

また、配偶者を養う納税者本人の年収によっても控除額が異なります。相手の年収とも照らし合わせておきましょう。

106万円や130万円の壁(健康保険・厚生年金)

健康保険や厚生年金など、社会保険における扶養のラインは、年収130万円未満であること。これは、「130万円の壁」と呼ばれます。

・年収130万円未満:被扶養者と見なされ、社会保険料を支払う必要がなくなる

・年収130万円以上:扶養から外れ、自身で社会保険料を支払う必要がある

一方、以下の条件に当てはまる被扶養者の年収が106万円を超えると、社会保険に加入する必要が出てきます。

・正社員の人数が501人以上の会社で働いている

・収入が月に88,000円以上ある

・雇用期間が1年以上の見込みである

・所定労働時間が週に20時間以上である

・学生ではない

これらの条件をふまえて、働き方を考えてみるのも良いでしょう。

結婚後、扶養に入るメリットとデメリット

結婚後、相手の扶養に入る際のメリットとデメリットについて説明します。

扶養に入るメリット

扶養に入る大きなメリットは、社会保険料や所得税を払わなくて良い点と言えるでしょう。

特に、社会保障制度では、医療費や年金などの保障を受けられます。

その他にも、出産の際に「家族出産育児一時金」を受け取れるなどのメリットがあります。例えば、出産した場合には42万円の給付が受けられるのです。

扶養に入ることで、社会保険料を払わなくてもこれら多くのメリットがあります。

扶養に入るデメリット

一方、デメリットを見てみましょう。

扶養に入るデメリットは、実はほとんどありません。強いて挙げるとすれば、老後にもらえる年金額が少なくなる点でしょう。

自身がパートやアルバイトの場合、相手の扶養に入るデメリットよりもメリットの方が大きいと言えます。

一方、正社員で働く場合には、扶養に入らず夫婦でバリバリ働く人が多いでしょう。

結婚して扶養に入る手続きの方法

では、結婚後に扶養に入るための手続き方法を紹介しましょう。扶養に入りたい場合には、相手の勤務先の担当部署へ届けを出します。

届け出の際に必要となる主な書類は以下の通りです。

・健康保険被扶養者(異動)届

・住民票の原本

・国民年金第3号被保険者関係届

・年金手帳の写し など

会社によって必要書類が異なるので、それぞれ確認しておきましょう。

結婚して扶養に入るタイミングはいつがベスト?

最近は、結婚と同時に相手の扶養に入る人は少ないかもしれません。

タイミングとしては、第1子を出産する時に扶養に入る人が多いようです。結婚した時に子どもがまだいない場合には、夫婦共に正社員として働き続けられます。

しかし子どもが生まれると、これまでと同じようには働きにくくなるのが現実。そのタイミングで、夫婦のどちらかが扶養に入るケースが増えているのでしょう。

結婚後の働き方に応じて扶養に入るかどうかを考えよう

今は多様な働き方が増えており、結婚後の働き方も人それぞれです。また、夫婦の形や考え方もさまざま。結婚後の夫婦の働き方を見すえて、扶養に入るか入らないかを決めたいものですね。

扶養に入ると受けられるメリットをしっかり確認し、損をしないよう気をつけましょう。

(ほしななこ)

※画像はイメージです

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