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20歳の松坂桃李にハートを射抜かれた、エレベーターが閉まる瞬間

#PM6時の偏愛図鑑

清水久美子

定時後、PM6:00。お仕事マインドを切り替えて、大好きなあの映画、あの舞台、あのドラマを観る時間が実は一番幸せかもしれない。さまざまな人が偏愛たっぷりに、働く女性に楽しんでほしいエンタメ作品を紹介する連載です。今回はライターの清水久美子さんが、松坂桃李さんへの偏愛を綴ります。

私、冷めやすいんですよ。

どんなに好きになっても、ちょっとしたことでスーッと冷めて、好きだった気持ちも思い出せないくらいになる。

それなのに、松坂桃李さん(以下、桃李くん)は、かれこれもう12年、干支が一周したのに冷めません。これはもう、一生好きな気持ちが続くに違いありません。

彼の良さが分かる印象的な出会い

きっかけは、彼が20歳の時に、雑誌の特撮ヒーロー企画でインタビューしたこと。デビュー作『侍戦隊シンケンジャー』の映画版を撮影していた時のことです。

当時、桃李くんは雑誌モデルもやっていて、その日はインタビューの後に数パターンの衣装で写真撮影をすることになっていました。

朝9時に集合し、私は編集者さんとカメラマンさん、スタイリストさんと現場に到着。桃李くんは配給会社の宣伝担当の方と一緒に現れたのですが、不安そうな顔で電話をかけ続けていました。どうやら、マネージャーさんと連絡がつかないもよう。

どうしよう……という不穏な空気が流れる中、宣伝担当の方が「取材を進めてOK」とゴーサインを出し、桃李くんも「大丈夫です。僕、モデルをやっているので服も自分で決められます!(キリッ)」と言ってくれて、一気に和やかなムードとなりました。

これまで新人俳優さんに幾度となくインタビューしてきましたが、ほとんどの場合、すぐそばにマネージャーさんがいて、発言をチェックしたり、俳優さんが確認したりしながら進めていました。

まだ取材に不慣れにも関わらず1人になってしまった桃李くんは、さすがに緊張を隠せなかったようで、とても真剣な表情で慎重に受け答えをしていたのが印象的でした。

それでも何度かの着替えを経て、撮影まで無事に終了することができました。撤収が完了して出口に向かったところ、エレベーターの前には桃李くんの姿が。

私たちがエレベーターに乗りこむと、きちんと扉が閉まるまで、深々とお辞儀をしていました。若干20歳の男の子が、ですよ!

その瞬間、ハートを射抜かれた私は「一生この礼儀正しい好青年を応援しよう!」と心に決め、現在に至ります。

いつまでも変わらない「本当にいい人」

その後、桃李くんは時間をかけつつメキメキと成長し、2020年には「日本アカデミー賞最優秀主演男優賞」という頂点に上り詰めました。

芸能生活も10年を超え、普通ならちょっと天狗になるとか、上から目線の発言が飛び出すとか、態度が変わってもおかしくないのに、彼は全く変わらない。

一度でも桃李くんに取材したことがある人は、みんな口をそろえて「本当にいい人」だと言いますが、それが10年以上変わらないんです。そこが本当にすごい!

あと、私がいいなと思うのは、桃李くんは“隙のないパーフェクトなイケメン”ではなく、いい意味でヘンな面もたくさんあるところです。

オタクっぽい部分を隠すことなく、スマホゲーム「遊戯王デュエルリンクス」の“キング”として君臨し、プレイヤーたちから羨望の的となっているのに、SNS上では一般の人たちとフランクに話してしまう。

俳優をしている時は、特撮ヒーローからクールな武士、オネエキャラ、謎めいた死神のようなキャラ、娼夫、音楽家、良き夫、良き父親、マル暴の刑事、ヘタレ男子、ゲスなオトコまで、どんな役柄でも演じ分け、観客を魅了している桃李くん。

でも、ひとたび番宣でバラエティ番組に出演すれば、天使のような笑顔と、画面から消えるくらいの深いお辞儀をする謙虚さ、そして、突っ込みどころ満載のダメダメな面も発動。お茶の間を沸かす、好感度100%のかわいらしさを見せます。

それでいて、モデル出身の長身でスタイル抜群のルックス(役作りとは言え、ときどき痩せすぎなのが心配ですが)と、美しいお顔でファンをうっとりさせる桃李くん。

結婚しても何も変わらず、相変わらずの好青年。

これらのてんこ盛りの魅力が、12年経っても、好きな気持ちが全く冷めない理由なんですよね。

伝わっていなくてもドヤ顔。天然のかわいさ

私は、桃李くんのようにゲームや漫画にあまり詳しくないので、彼のツイートの意味が分からないことが多々あります。

以前インタビューした時にも、何を言っているのか分からないことがあったのですが、ご本人は「うまいこと言った」みたいな得意気な表情をされていて。

数年後に漫画『銀魂』の名セリフだったことが判明し、私に伝わらなかったせいで、記事に使えなかったことが無念でした。

でも、伝わらなくても得意気にしていたというのが可笑しく、これも私の好きな桃李くんの“いい意味でヘンな面”のひとつになりました(笑)。

芸能界に染まらない純粋さ。私が桃李くんを好きでい続ける最大の理由は、これに尽きます。謙虚で、朗らかで、人柄が素晴らしく、それがずっと変わらない。こんな人に出会えるのは滅多にないので、本当に幸せなことだと思います。

俳優として努力し続け、演技の幅を広げ続けている桃李くんの出演作を、これからも観られる幸せを噛みしめつつ、一生応援していきたいです!

以上、日本一“松坂桃李を応援するライター”清水久美子でした。

(文:清水久美子、イラスト:谷口菜津子)

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