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HIITは効果がないって本当? 痩せない原因と解決策6つ

山内佑太郎(キックボクサー/トレーナー)

HIITとは短時間で体に高い負荷を掛けるトレーニング。しかし、やってみても変化を実感できず、「HIITには効果がない?」と感じる人がいる様子。今回は、パーソナルトレーナーの山内佑太郎さん監修で、HIITに効果がないと感じる原因と対策を解説します。

「HIIT(ヒット/ヒート)」は、短時間で体に高い負荷を掛けるトレーニング方法。持久力の向上、脂肪燃焼効果などが期待でき、ダイエットや健康維持を目的に取り入れている人が多い話題のトレーニングです。

しかし、HIITを実践している人の中には「効果を実感できない」という声があります。

HIITに効果を実感できない人がいるのはなぜでしょうか? 今回は、HIITに効果がないと感じる原因と対策を詳しく解説します。

HIITとはどんなトレーニング?

HIIT(ヒット/ヒート)とは、「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング)」の略称で、高負荷の運動とインターバル(小休憩)をそれぞれ短時間で繰り返すトレーニング方法です。

トレーニングの内容に決まりはなく、掛ける負荷、トレーニング時間、インターバル時間、セット回数を自由に組み合わせて設定します。

人気のある時間設定は、運動が20秒、休憩10秒を1セットとし、合計8セット(30秒×8セット=4分)というものです。ルールは特にないため、目的や体力によって運動の時間を長くしたり、セット数を増やしたりと適宜調節が可能です。

短い時間でも効率的に運動ができるHIIT。仕事、家事などに忙しい人を中心に、ダイエットや健康維持の目的で注目されています。

HIITに効果がないと感じる原因6つ

HIITは、短い時間でもやってみるとかなりキツイもの。それにも関わらず、「効果が実感できない」と感じる人がいるようです。

なぜ、HIITの効果を実感できないのでしょうか? 考えられる原因を6つ挙げていきます。

(1)HIITを行う頻度が適切ではないから

HIITを行う頻度が適切でないと正しい効果を実感しづらくなります。

HIITの効果的な頻度は、週に2~3回程度が目安です。また、2~3日連続で行うのではなく、月曜・水曜・金曜のように間隔を空けるようにするのがおすすめ。間隔を空けることで体力や筋肉の疲労が回復しやすくなり、効果的にトレーニングを行えるからです。

週2~3回のHIITを継続していると、体がトレーニングに慣れてきて体力がついてきます。この場合、徐々に頻度を増やしていくのも良いでしょう。

(2)鍛える部位が偏っているから

鍛える部位に偏りがあると、トレーニング効果が出にくくなります。HIITのメニュー全体を見た時に、全身の筋肉をまんべんなく使えているかチェックしましょう。

同じ部位ばかりを鍛えていると、筋肉が疲労しがちになり疲れの原因に。継続してHIITを行うためにも、全身の筋肉を鍛えることを意識してみてください。

もしくは、「今日は上半身を中心としたトレーニングの日、明後日は下半身……」のように設定することで、部位ごとに筋肉を休ませる時間を設けるのもおすすめです。

(3)運動強度が自分に合っていないから

HIITは、その時の体力や体調に合わせて運動強度を決めるのが大切です。運動強度は、心拍数を目安にチェックします。

一般的に、HIITで効果的とされる運動強度は「220-年齢」で測定する最大心拍数の80~90%とされています。例えば、30歳の人なら心拍数を152~171前後まで上げることを目標にすると良いでしょう。

ただし自宅などでトレーニングを行う場合、心拍数が分からないことも多いはず。そんな時は、息が上がってキツイと感じる程度を目安に行ってみましょう。ただし無理は禁物。体力がつくまでの間や体調が悪い日は無理をせずに軽めの強度で行ってください。

(4)正しいフォームで行われていないから

トレーニングのフォームが崩れていると、筋肉に正しく負荷を掛けられない他、けがの原因になる場合があります。

HIITを行う前に自身が取り入れている運動の正しいフォームを確認しておき、フォームが崩れないように意識してみてください。

また、フォームが崩れるのは疲れが原因の場合もあります。その際は無理をしてHIITを行わず、お休みを挟むことも大切です。

(5)食事に気を使っていないから

せっかくHIITを行っても、食事に気を使っていないと体の変化は感じにくいもの。

例えば、健康的なボディメイクを目的とする人は、筋肉の材料となるタンパク質以外にも、炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルといった良質な栄養素を適切に取る必要があります。

また、ダイエット目的の人は、適正量の炭水化物、タンパク質、脂質をベースに1日の摂取カロリーを適切に抑えた食事を心掛けてください。

(6)HIITを継続できていないから

HIITを始めたからといって、すぐに効果が出るとは限りません。効果を得るためには、適切な運動強度や頻度、食事などの他に、長期間継続することが重要となります。

急いで効果を求めるのではなく、継続して理想の体を作り上げていきましょう。

HIITに期待できる効果

HIITに効果を感じられなかった原因は分かりましたか? 正しい方法でHIITを行えば、適切な効果が期待できるようになるはず。

では、HIITのやり方を改善したらどのような効果が期待できるのでしょうか。改めて振り返っておきましょう。

(1)持久力の向上

HIITを継続して行うと、最大酸素摂取量(※)が増加しやすくなるといわれています。

肺が酸素を効率良く体に取り込もうとすることで心肺機能が向上し、持久力のアップが期待できます。

※最大酸素摂取量:1分間に体重1kg当たり取り込むことができる酸素の量

(2)脂肪燃焼効果

HIITを行うと、「アフターバーン効果」と呼ばれる、トレーニングを終えた後もカロリー消費が続く現象が起こりやすくなります。

これは、運動後に酸素摂取量が増加することにより、普段よりエネルギーを生産しようと体が働いて起こるもの。そのエネルギー源として脂肪が使われることから、高い脂肪燃焼効果が期待できるのです。

アフターバーン効果は、ややキツめの運動強度でHIITを行った場合、3~14時間程度続くとされています。これにより、太りにくく痩せやすい体作りにつながります。

HIITは正しい方法で継続することが大切

HIITには、持久力の向上や脂肪燃焼効果などが期待できます。しかし、これらの効果を得るためには、適切なトレーニングの頻度や強度を設定し、食事などにも気をつけなければなりません。

また、HIITの効果を得るには継続することが大切です。無理なく継続するには、楽すぎず、キツすぎない負荷や頻度、メニューを設定してモチベーションを維持しましょう。運動強度については、その日の体力や体調と相談して設定してください。

(監修:山内佑太郎、取材・文:#TOKYOWORKOUT)

※画像はイメージです

※本記事はトレーナーの見解に基づき解説しております

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