「プライオリティ」とは? 意味や使い方を徹底解説
「プライオリティ」はビジネスシーンで重要な用語である一方、意味が分かりづらく相手に正確な意図が伝わらないことがあります。本記事では、「プライオリティ」の意味と使い方を解説します。
「プライオリティ」という言葉は、ビジネスシーンで耳にする機会が多いですが、使い慣れていなければ何を意味しているのか分かりにくい場合があります。
実際に「プライオリティ」と聞いて、何を言っているのかすぐに理解できなかった人も多いでしょう。
今回は「プライオリティ」の意味や使い方などを解説していくので、この記事を参考にしてしっかりと理解を深めましょう。
「プライオリティ」の意味と使い方
ビジネスシーンでも日常でも耳にすることが増えた「プライオリティ」という言葉。
まずは「プライオリティ」をきちんと使いこなすために、意味や使い方を確かめていきましょう。
「優先順位」を表す言葉
「プライオリティ」とは、「優先順位」や「先取権」を意味する言葉です。
「プライオリティ」は人だけでなく、仕事の内容や性格などあらゆるものが対象になるため、幅広い場所で使用されています。
語源は英語の「Priority」
「プライオリティ」の語源は、英語の「priority」という言葉で、カタカナ語と同じように「優先順位」という意味があります。
英語の「Priority」には、他にも「優先すること」「重要度が高い」という意味があり、どちらかというと優先順位の高いものを指して使われることが多いでしょう。
一方で、カタカナ語の「プライオリティ」の場合は、優先順位の高いものだけを指す言葉としては使われないため、英語の意味合いとやや違いがある点に注意。
英文を作る時にカタカナ語と同じニュアンスで使うと正反対の意味になる場合もあるため、気をつけましょう。
「高い」「低い」で表す場合
「プライオリティ」を使って文章を作る場合、基本となるのは「高い」「低い」を用いた表現方法です。
「プライオリティが高い」という場合は「優先順位が高い」「なるべく早く解決して」、「プライオリティが低い」の場合は「優先順位が低い」「後回しで良い」という意味を持ちます。
ただし、「プライオリティ」はあくまでも優先度の高さを表しており、重要度の高さとは関係がない点に注意が必要です。
「プライオリティが低い」といわれた仕事でも、プロジェクトの根幹を担う場合があるため、意味を取り間違えないように気を付けましょう。
例文
・クライアントが待っているから、この案件はプライオリティ高めで進めてください
・資料整理はプライオリティが低いから、他の仕事を先にこなしても良いよ
「置く」で表す場合
「プライオリティ」の表現方法として、「置く」を用いる場合があります。
「プライオリティを置く」と表現する場合、「対象にしたものが優先される」という意味であり、「プライオリティが高い」と似たようなニュアンスになります。
また、「プライオリティを置く」と使う場合は、重要度が高いことが多く、他のどの仕事よりも優先しなければいけないことだというニュアンスも出てきます。
そのため、「プライオリティを置く」と表現する場合は、一つひとつの業務に使うよりも、会社やプロジェクトなど、より大きなものを対象にするのが良いでしょう。
例文
・大きな利益が見込めるこのプロジェクトにプライオリティを置く
・この案件はA社にプライオリティを置くべきだ
単独で使う場合は「優先権」の意味
「プライオリティ」を名詞として使う場合には、「優先権」という意味を表します。
「置く」を使う場合と似た意味合いになり、「優先度が高い」ことをスマートに表現することが可能です。
また、「プライオリティ」を単独で使う場合には、「優先度が低い」という意味はないため、正反対の意味の文章にならないように気をつけましょう。
例文
・私たちには、このプロジェクトに対するプライオリティがある
・あの会社に取引のプライオリティを与えよう
「プライオリティ」を用いたさまざまな表現
「プライオリティ」をさまざまなシーンで見かける理由は、「プライオリティ」を使った言葉がたくさんあるからです。
ここでは「プライオリティ」を使った言葉をいくつかピックアップして紹介するので、それぞれの言葉の意味や指し示すものをしっかり理解しましょう。
プライオリティシート
バスや電車などで見かけることが多い「プライオリティシート」は、「優先席」を表しています。
高齢者はもちろん、けがをしている人や妊娠している人が安心して公共交通機関を使えるように設けられた座席のことです。
一般的に、海外の人でも分かりやすいように、「優先席」と「priority seat」が併記されています。
プライオリティシーティング
「プライオリティシーティング」は、レストランの利用時間をあらかじめ伝え、その時間に来店すると「優先的に座席へ案内してもらえるサービス」のことです。
いわゆる「予約席」のような意味合いで、主に東京ディズニーリゾートなどで使われています。
混みやすい時間帯にレストランを利用したい場合は、ぜひ「プライオリティシーティング」を活用しましょう。
プライオリティパス
海外へよく行く人ほど知っておきたい言葉が「プライオリティパス」です。
「プライオリティパス」とは、「世界各国の空港ラウンジを無料で使用できる会員サービス」のことで、飛行機の座席クラスにかかわらず使えます。
「プライオリティパス」は、専用のサービスへ申し込む以外にも、クレジットカードの利用特典に含まれていることがあり、ちょっとした負担で手軽にぜいたくな時間を過ごせるのが魅力。
搭乗の前後にゆっくりでき、出張や旅行の時の疲労改善に効果的なので、海外へ行く機会が多い人は、忘れずに「プライオリティパス」を活用してくださいね。
ファーストプライオリティ
英語の「first priority」を語源に持つ「ファーストプライオリティ」は、「最優先事項」という意味の言葉です。
「プライオリティが高い」という表現よりも優先度が高く、他のどんなことよりも優先して行ってほしい仕事などに対して使用します。
例えば、複数の仕事に対して「プライオリティが高い」と表現すると、その中での順位は相手が付けてしまうため、こちらの意図とは違った結果になることも。
そこで、「ファーストプライオリティ」を用いることで、より正確な優先順位を伝えるのが可能です。
その際「ファーストプライオリティ」は、複数のものに対しては使えないことに気をつけましょう。
「プライオリティ」を使う際の注意点
「プライオリティ」は、幅広いシーンで使いやすい言葉である一方、まだ浸透しきっていない言葉でもあります。
そこで、最後に「プライオリティ」を使う時の注意点を解説します。
無理に使うと意味が伝わらない
「プライオリティ」を使う時に気をつけたいのが、無理に使おうとしないことです。
相手に必要以上のプレッシャーをかけてしまったり、自分の思っている意図では受け取ってもらえず仕事の進行に支障が出たりと、積極的に「プライオリティ」を使った結果、さまざまな不都合が生じることも。
そのため、指示を分かりやすく伝えたい時には、「プライオリティ」よりも「優先」と、日本語で伝える方が良いでしょう。
相手によっては、「プライオリティ」と表現することを回りくどいと思う場合もあるので、相手に合わせて使っていきましょう。
社外の人から見られる場面ほど使いやすい
「プライオリティ」は、使う相手を選んだ方が良い言葉ですが、社外の人を招いたり相談したりする場面では積極的に使っていきましょう。
「優先度が低い」「後回しで良い」といった直接的な表現は、仕事に優劣を付けているように思われ、印象が悪くなってしまうからです。
「プライオリティ」を使うことで直接的な印象がなくなる上、そもそも「プライオリティ」という言葉自体に優れた印象を持つ人が多いため、たとえ聞こえてしまっても嫌悪感を持たれることはないでしょう。
営業や広報など、社外の人とのやりとりが多い部署ほど「プライオリティ」を使うようにすると、余計なトラブルや不信感を与えずスムーズに物事を進められるでしょう。
「プライオリティ」を上手に使って円滑に仕事を進めよう!
優先順位を表す「プライオリティ」は、仕事に取り組む順番を指示する時に使用できる便利な言葉。
優劣を決めるようなニュアンスがある「優先順位」という言葉を使うことで、社外の人に不信感を与えてしまうような場面では、言葉の意味を濁して伝えられる「プライオリティ」を使うと良いでしょう。
ただし、直接的な表現ではないからこそ、相手にうまく伝わらないこともあるので、状況や伝える相手によって「プライオリティ」を使うかどうか決めてくださいね。
相手が理解しやすいことを第一に考えて、「プライオリティ」を使いこなしてくださいね。
(kirara)
※画像はイメージです