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コンサバとは? ファッション・ビジネスでの意味と使い方を解説

上色ゆるり

コンサバファッション、コンサバ系の「コンサバ」とは、どういう意味か知っていますか? よく聞く割には分からないという人のために、今回は、元アパレル店長のライター上色ゆるりさんに、コンサバについて教えてもらいました。

「コンサバ系ブランド」「コンサバファッション」など、ファッション関連の雑誌やSNSなどで多く見かける、「コンサバ」という単語。

日常会話でもよく使われているものの、意味を説明できる、正しい使い方ができると胸を張って言える人は、意外と少ないかもしれません。

そこで今回は、「コンサバ」とはどういう意味なのか、そしてどのように使えば良いのか解説していきます。

「コンサバ」の本来の意味

コンサバとは、「コンサバティブ」の略であり、「保守的」「無難」を指します。「コンサバティブ」を辞書で引いてみると、以下のように記されています。

コンサバティブ【conservative】

(1)保守的
(2)保守的傾向の人。保守主義政治家。

(『広辞苑 第七版』岩波書店)

コンサバの語源は、英語の「conservative」から来ています。

conservative

(1)(政治的に)保守的な;保守主義の
(2)(特に英国の)保守党の
(3)<人・考えなど>保守的な、伝統的な;旧弊な、古くさい、保守的で
(4)<服装など>地味な、控えめな

(『新英和中辞典』研究社)

英語の「conservative」は、政治、文化や思考、ファッションなど、さまざまな分野において「保守的であること」を指します。

外来語の「コンサバ」も同様に、さまざまな分野で「保守的」を表す言葉です。しかし、英語の「conservative」とは違う意味で使われることも。

分野ごとの意味については、次に紹介していきます。

分野ごとに変化する「コンサバ」の意味

では、分野によって変わる「コンサバ」の意味を細かく見ていきましょう。

ファッション用語としての「コンサバ」とは?

ファッション分野における「コンサバ」とは、「控えめな装い」という意味。エレガントな印象を与える服装、落ち着いた雰囲気のある服装のことを指します。

当たり障りがなく、誰に対しても好印象を与えるとして、オフィス用ファッションに多く取り入れられています。具体的には、ベーシックな色でそろえた服装、無地の服装などが挙げられますが、明確な規定はありません。

主に、レディース用の服装を指して使われていますが、メンズ用の服装を指すことも。メンズファッションのコンサバは、「知的で品格のある服装」を意味します。

ビジネス用語としての「コンサバ」とは?

ビジネス用語として使われる「コンサバ」は、「無難な」「控えめな」という意味。仕事の企画内容や提案など、物を指す場合もあれば、人を指して使う場合もあります。

例えば、仕事の会議で挑戦的な提案と無難な提案の2つが挙げられたとします。その場合、後者を「コンサバ」と呼びます。

また、あまり人に口答えしない、控えめな性格の人を指し「彼・彼女はコンサバだ」ということもあります。

ただし、人に対する「コンサバ」は、ややネガティブなニュアンスが含まれるので注意が必要です。皮肉に聞こえたり、失礼にあたったりする可能性もあるので、なるべく使わないようにしましょう。

政治用語としての「コンサバ」とは?

政治における「コンサバ」とは、「保守主義」という意味。新しく変化することに反対し、今まで続いてきた制度や考え方を維持する思想のことを指します。

日本語の「保守主義」が使われる場合がほとんどですが、「コンサバ」を用いた記事や書籍なども存在しているので、覚えておいて損はないでしょう。

医療用語としての「コンサバ」とは?

「コンサバ」は、医療用語としても使われている言葉。主に外科分野で手術をせず湿布や内服薬などで治療を行ったり、経過観察をしたりすることを指します。

医師や看護師として働いていない限り、仕事でも日常会話でもほとんど使わない単語なので、頭の隅に置いておく程度で良いでしょう。

「コンサバ」の正しい使い方や関連語

「コンサバ」には「保守的な」という意味が含まれているため、「○○はコンサバだ」というように、「コンサバ」自体を形容詞として使うのが基本です。

しかし、「コンサバな思想」「コンサバな服装」というように、後に「な」をつけて使われることもあります。

また、「コンサバ」とつく単語も多数存在します。ここでは、日常会話でも使われることの多い「コンサバファッション」について解説します。

「コンサバファッション」

「コンサバファッション」は、「無難な服装」「控えめな服装」を意味する言葉。「コンサバ」と略して使う場合もあれば、「コンサバ系ファッション」と呼ばれるケースもあります。

以前はエレガントでベーシックな服装のことを「コンサバファッション」と呼んでいました。しかし最近では、トレンドの要素を加えた上品な服装を指すこともあります。

また、「コンサバファッション」は、控えめな服装を中心とするジャンル全体を指すこともあります。その場合、「コンサバファッションのブランド」「コンサバファッションが好きな人」というような使い方ができます。

オフィスに着ていく服装として取り入れられることの多い、「コンサバファッション」。単語を覚えておくと、仕事着を探すためにインターネットで検索したり、ファッション雑誌を見たりする際に役立ちますよ。

それでは、具体的な例文を紹介します。

例文

コンサバファッションでおすすめのブランドはありますか?

・彼女はコンサバファッションが好きだから、派手な色の服をプレゼントしても喜ばないだろう。

・職場の人に良い印象を持ってもらうなら、コンサバファッションで全身をそろえると良いですよ。

「コンサバティブ」と間違えて覚えやすい「コンサバトリー」

「コンサバトリー」とは、「温室」や「サンルーム」を指す言葉。天井や壁などがガラスでできている建物のことを意味します。

主に、海外の家屋などで多く見かける建築物です。最近では日本でも増えてきていますがまだまだ少なく、あまり馴染みがないという人も多いでしょう。

「コンサバ」という言葉がついているように見える「コンサバトリー」ですが、今記事で紹介するような、「保守的な」「無難な」という意味は含みません。

コンサバを略さずに表現する「コンサバティブ」と似ており、間違えて覚えやすいため注意しましょう。

コンサバの対義語は? それぞれの意味を解説

「コンサバ」には対義語も存在します。反対の意味を持つ言葉も一緒に覚えておけば、言葉のバリエーションが広がり、「コンサバ」に対する理解もさらに深まるはず。

例として、「コンサバ」の対義語を2つ、意味の解説と共に紹介します。

「アバンギャルド」

フランス語の「avant-garde」を語源とする「アバンギャルド」は、ファッション分野における「コンサバ」の対義語。「斬新な服装」「前衛的な服装」といった意味があります。

ベーシックな服装の指す「コンサバファッション」に対し、「アバンギャルドファッション」は斬新で最先端な服装を指します。

奇抜な色合いや柄を取り入れたファッションが多いですが、必ずしも派手である必要はありません。落ち着いた雰囲気であっても、過去にない革新的な服装であれば、アバンギャルドなファッションといえます。

「コンテンポラリー」

「コンテンポラリー」は、英語の「contemporary」から来ている外来語。芸術分野やファッション分野などにおける「コンサバ」の対義語で、「現代的な」という意味があります。

例えば、現代的なファッションのことを指す「コンテンポラリースタイル」、現代美術を意味する「コンテンポラリーアート」といった使い方ができます。

「アバンギャルド」と似ている部分もありますが、「コンテンポラリー」には斬新さや革新的な意味は含まれていません。あくまで現代に用いられている思想や様式のことを指す言葉です。

「プログレッシブ」

プログレッシブは、政治分野における「コンサバ」の対義語。「進歩的」「斬新的」といった意味があり、今までにはなかった新しい思想や制度を指します。

思想や制度に限らず、習慣、伝統、社会組織など政治分野の範囲内であれば、さまざまな事柄が対象になります。

意味を理解して「コンサバ」を正しく使いこなそう

「コンサバ」は、ファッションの分野で使われることが多いため、服装を指す言葉だと思っていた人も多いでしょう。

しかし調べてみると政治や医療など、さまざまな分野で意味を持つ言葉であることが分かりました。ビジネスの分野でも使われているので、意味や使い方を覚えておけば、仕事で役に立つでしょう。

反対に、間違った使い方をしてしまうと、思わぬシーンで恥をかくかもしれません。いざという時のために、ぜひ「コンサバ」について正しい知識を身につけておきましょう。

(上色ゆるり)

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※画像はイメージです

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