お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

職場のコミュニケーションを活性化させる改善法とは

藤井佐和子(キャリアアドバイザー)

職場でコミュニケーションを取るのが苦手と悩んでいませんか? コミュニケーションの重要性は理解していても、なかなか難しいと感じることも。今回は、キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんが、職場のコミュニケーションを円滑にする方法を解説します。

厚生労働省の調査によると、「仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、ストレスがある」と回答した人の理由として最も多かったのが、男女共に「職場の人間関係」(41.3%)でした。

昨今はリモートワークをする機会が増えて、相手との距離の取り方が分からず、自分から発信するタイミングが難しいと悩んでいる方もいるようです。

対面でもオンラインでも、職場でのコミュニケーションの悩みは尽きません。この記事では、そんな悩みを解消する方法を解説していきます。

職場でのコミュニケーションが苦手な人の特徴と問題点

一言で「コミュニケーションが苦手」と言っても、人それぞれ苦手な理由があります。よくある理由を5つご紹介してみたいと思います。

該当しているものがあるかチェックしてみましょう。

(1)「コミュニケーションが苦手」と思い込んでいる

職場のコミュニケーションには、さまざまな手段があります。コミュニケーションスキルと言うと「話す」ことに重点を置きがちですが、話を聞くことも重要なスキルの一つ。

「コミュニケーションが苦手」とひとくくりにしがちですが、そうではありません。話すのは苦手でも、聞くことが得意……など、何か強みがあるはずです。まずは、自分はどういう場面が得意で、どんなやり取りが苦手なのかを明らかにする必要があります。

(2)自分の意見を主張しない

自分の思いや意見があると気持ちを込めたコミュニケーションが可能になります。ですが、こだわりや譲れないポイントがあまりなく、「どっちでも良い」と思っている人はコミュニケーションでつまずきやすいでしょう。

意見を主張しないことで、後々「あの人は私のことを分かってくれない」と悩んでも、もう遅いのです。

話している内容が論理的な構成でなくても、時に情熱が人を動かすことがありますよ。

(3)自己開示が苦手、好きではない

雑談など、結論のない話をするのが苦手な人もいます。また、プライベートな会話が苦手、したくない、という方もいるのではないでしょうか。

自己開示をしている人はどんな人なのか周囲が理解しやすいですが、自己開示しない人は謎のベールに包まれています。

周りからすると、あなたの情報が少ないためどう関わったら良いのか、どこまで踏み込んで良いのかが分かりません。

(4)論理的に物事を考えることが苦手

仕事で報告や提案をする時に考えがまとまらず、相手に「この人は一体何を言いたいんだろう」という反応をされると、頭が真っ白になってしまうような経験はありませんか? このように、論理的に考えて意見を伝えるのが苦手な人もいるでしょう。

実は論理的に考え、伝えるのは大事なコミュニケーションスキルです。苦手意識の高い方は、型を学ぶことが解決につながります。

(5)言葉を発する前に、頭の中で考えすぎてしまう

「こんなことを言ったら、相手にどう思われるだろうか」「話がまとまっていないのに相談なんてできない」「相手は忙しいのに私のこんな話に時間を割いたら申し訳ないなあ」「あの人にこの件をお願いしたら迷惑じゃないか」……。

こんなふうに、頭の中でたくさん会話をした結果、声を出さずに終わってしまうのもコミュニケーションが苦手な方の特徴です。

その結果、自分で仕事を抱え込むことになったり、「何で早く言わないの?」と逆に怒られてしまったりすることがあるでしょう。

職場でコミュニケーションを取るメリット

職場でコミュニケーションを取ることには、さまざまなメリットがあります。「コミュニケーションは苦手だから」と諦めずに、苦手を改善する努力をしていきましょう。

ここでは、職場でコミュニケーションを取るメリットをご紹介します。

(1)ストレスをためにくくなる

メンタルヘルスケアを手掛けるセーフティネットが「仕事について相談できる人が周りにいるかどうか」を調査したところ、「仕事上で困った時に相談できる人がいない」と回答した人には、高ストレス者の割合が多かったのだそうです。

さらに、相談できる人の有無は睡眠時間とも相関性があり、1日の睡眠時間が4時間未満の人のうち38%が「相談できる人がいない」と答えたのに対して、5時間以上になるとほとんどの人が「相談できる人がいる」と回答しています。(日本経済新聞2018年10月22日朝刊より)

つまり、自ら発信するコミュニケーションの中でも、「相談する」という行動ができる人は、ストレスをためにくいといえます。また、相談することで、周りの人が手を差し伸べてくれやすくなるものです。

(2)社内人脈が増えて生産性があがる

社内人脈の多い人と少ない人とでは、仕事の能力に差が出ます。社内人脈が多いと、自部署では解決できないことを他部署の人に違ったアプローチで協力してもらえるメリットがあります。

横のつながりがあることで、「○○部の△△さんに協力してもらおう」と連携が取れ、仕事が早く進むのです。また、「社内で違う仕事をしたい」と思った時に声を掛けてもらえることもあります。

ちなみに人間関係で悩んで、「会社を辞めたい」と思っている方の多くが、限られた人間関係の中で悩んでいる傾向にあります。社内の人間関係を広げておくことで、良い意味での逃げ場を確保することにもなるでしょう。

(3)視野が広がる

社内はもちろんのこと、社外でもたくさんの人と関わりを持つと視野が広がります。自分が経験していないこと、知らない知識などを他人から得られるのです。

そのためには、気の合う人とのやり取りだけでなく、上司や先輩・後輩・他部署の人・価値観の違う人など、いろいろな人と関わってみましょう。

自分と物の見方や考え方が違う人との接点は、見える世界を広げてくれ、自分を成長させてくれます。

職場のコミュニケーションを活性化させる改善法

円滑なコミュニケーションのために、まずは簡単にできる方法を実践してみましょう。いきなりハードルを高くせず、少しずつスキルを磨いていくことが大事です。

職場のコミュニケーションを活性化させる行動

ここでは、職場のコミュニケーションを円滑にする心掛けをご紹介します。自分の行動を変えることで、職場全体の雰囲気も変わるかもしれません。

(1)あいさつは自分からする

あいさつをおろそかにする職場ってありますよね。そんな時、まずは笑顔で自分からあいさつしましょう。それは、対面でもオンラインでも同じです。

誰かが言葉を発するのを待つのではなく、「お疲れ様です」「おはようございます」など、自分から声を掛けましょう。また、その際、笑顔で相手の目を見ることが大事です。オンラインでも画像オンにしてみましょう。

(2)気持ちを伝える

口頭でもメールでも構いませんので、相手について感じたプラスの感情を伝えてみましょう。

例えば、「いつも明るい○○さんと一緒に仕事できるのがうれしいです」、とか、「○○さんはいつも期限を守ってくれるので助かります」など。

気持ちを伝えることで、意外と人間関係って良くなるものですよ。

(3)まずは相談してみる

「コミュニケーションが不得意」という方で比較的多いのが、提案や交渉など、自分から働きかけることに苦手意識を持っている人。いきなり提案や交渉するのは、誰でもハードルが高いものです。

まずは相手に対して自分の考えをぶつけるのではなく、「ちょっと相談があるんですが」と時間をつくってもらいましょう。

相談すると、された側も一緒に考えてくれます。つまり、同じ課題を共有してもらえます。1人で問題を抱え込むとストレスがたまりやすくなり、寝不足、残業時間が増えるなど、良いことはありません。

職場のコミュニケーションを円滑にするおすすめツール

面と向かってコミュニケーションを取るのが苦手な方は、まずはツールをうまく活用してみるのがおすすめ。

ここでは、職場のコミュニケーションを円滑にするおすすめのツールをご紹介します。

(1)ポストイット

言葉にするには照れてしまうようなお礼などのコメントも、ポストイットなら気軽に伝えることができます。

最近は多種多様なポストイットがありますから、お気に入りの物を集めてみてはいかがでしょう。

(2)チャットツール

最近では社内のやり取りにチャットツールを使う企業も多いのではないでしょうか。チャットツールはメールとは違って堅苦しくなく、要件や気持ちも簡単に伝えられます。

また、オンラインでミーティングをする時など、人数が多いとお互いの反応が分かりづらいものです。「賛成!」と思ったら、反応ボタンを積極的に使いましょう。

(3)アバター

これもオンラインで使えるツールです。「ちょっと自分の表情に自信がない」なんていう人も、お気に入りのアバターをアイコンに設定すれば話が弾むかもしれません。

職場でコミュニケーション不足におちいるNG行為

気づかないうちに自ら、コミュニケーションを遮断してしまっているかもしれません。あなたに悪気はなくても、相手からすると遮断された、と感じてしまっている無意識にやってしまっていることが案外あるのではないでしょうか。

ここからは、職場でのコミュニケーションを遮断するNG行為をご紹介します。

(1)パソコンから目を離さずに返事をする

「耳で聞いているので大丈夫」と思っていませんか? どんなに忙しくても、相手に話し掛けられたら一度手を止めて、相手の目を見て返事をしましょう。

目を離さずに返事をされると相手は、「忙しそうだなあ」「悪いなあ」という気持ちになり、話し掛けづらいイメージを持ってしまいます。

本当に忙しい時は、目を見ながら「ごめんなさい、ちょっと今手が離せないから1時間後でも良いですか?」と言うだけで円滑なコミュニケーションになります。

(2)自分の意見を一方的に伝える

コミュニケーションはWinWinの関係性が大事です。相手との関係構築ができていないのに、言いたい事だけ言われては、結果、相手の協力は得られません。

ちゃんと相手の話も聞き、双方にメリットのある話し合いを心掛けましょう。

コミュニケーション力は自分を助けるスキル

コミュニケーションは、どんな仕事や職場でも生かせるヒューマンスキルです。

苦手意識のある方もテクニックとして習得できるスキルですから、今の職場でしっかり鍛えておくと、将来的に転職や異動でキャリアチェンジする場合にも、さらにプライベートでも自分を助けてくれる役立つスキルとなります。

(藤井佐和子)

関連する診断をチェック!

あなたはどのくらい? 「人懐っこい度」診断

SHARE