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所感とは? 意味や書き方のコツ

moeka

ビジネスでよく使われる所感の意味とは? 所見、所懐など似た表現との違いを用いながら詳しく解説。また、どんな内容を書くべきかなど、所感の書き方についても紹介します。

「感想」と似た意味を持つ「所感」ですが、この2つの違いは分かりますか?

少しの違いですが、細かいところまで理解しておくことで表現の幅が広がります。

特にビジネスシーンで使用する際には注意したいポイントがいくつかあるため、しっかりとチェックしておきましょう。

今回は、「所感」の意味や正しい使い方を詳しく解説していきます。

「所感」の意味は?

「所感」とは、心に感じたことという意味です。読み方は「しょかん」です。

辞書では、以下の通りに説明されています。

しょ‐かん【所感】

1 事に触れて心に感じた事柄。感想。「所感を述べる」「年頭所感」

2 仏語。行為が結果としてもたらすもの。

(『デジタル大辞泉』小学館)

また、所感は「感想に加えて、次回につながる改善案まで伝える」というニュアンスを含むという解釈が一般的です。つまり、所感を述べる際は、何を感じたのか、なぜそう思うか、どうして心が動いたのかといったところにまで思考をめぐらせなければいけません。

「所感」の言い換え表現

「所感」は、いくつかの言葉と言い換えが可能です。ここからは、類語をチェックしていきましょう。

若干のニュアンスの違いを覚えておけば、言葉をより正しく使うことができるはずです。

「所見」の意味と違い

しょ‐けん【所見】

1 見た事柄。見た結果の判断や意見。「医師の所見によれば」

2 ある事についての意見、考え。「所見を述べる」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「所見」は見た目上での判断や考えを表します。読み方は「しょけん」です。

つまり、見た結果での意見となり、ニュアンスとしては客観性が高いと言えます。比べて「所感」は心に思ったことであるため、主観性が高いと言えます。

「所存」の意味と違い

しょ‐ぞん【所存】

心に思うところ。考え。「精いっぱい努力する所存です」

(『デジタル大辞泉』小学館)

次に、「所存」は心の中の考えという意味です。読み方は「しょぞん」。

「存」には「考え」という意味が含まれており、「所感」の「思い」とは少しニュアンスが異なります。つまり、所存は「考え」という意味合いが強い表現です。

「所懐」の意味と違い

しょ‐かい〔‐クワイ〕【所懐】

心に思っている事柄。思うところ。所感。「所懐を述べる」

(『デジタル大辞泉』小学館)

最後に紹介する「所懐」は、心に思うことという意味です。読み方は「しょかい」です。

「懐」は「心に抱く、思う」という意味が含まれているため、「所感」とほぼニュアンスは同じです。

なお、「所懐」は「所懐を述べる」という言い方が一般的であるため、「所懐」を単体で使用することはありません。注意しましょう。

英語における「所感」の表現

「所感」は英語で「impression(印象)」「thought(考え)」「opinion(意見)」「comment(見解)」「remark(意見、所見)」と表すことができます。

また、「一言」というニュアンスを持つ「a few words」を使って「所感」と表現することも可能です。

例文

・to state one’s impressions.(所感を述べる)
・Let me say a few words about the project.(プロジェクトについて一言所感を述べさせてください)

ビジネスにおける「所感」の書き方と注意点

ここからは、実際に「所感」を書く時のコツと注意点を紹介していきます。

「所感」の書き方

「所感」を書く際には、以下のポイントが求められます。

・結論を最初に書くこと
・PDCA/PREPを意識すること
・具体的な反省点や改善策を述べること
・簡潔な文章でまとめること

(1)結論を最初に書くこと

まず、「結論を最初に書くこと」は「所感」に限らずにビジネス全てにおいて言える需要事項です。

相手に一番伝えたいことは何なのか、最初にはっきりさせることで伝わりやすくなります。

(2)PDCA/PREPを意識すること

「PDCA」と「PREP」とは以下のことです。「所感」を書く際は、これらの要素を押さえていくことが重要です。意識すると、要点を簡潔にまとめることができます。

【PDCA】

・Plan(計画)
・Do(実行)
・Check(評価)
・Action(改善)

【PRRP】
・Point(結論)
・Reason(理由)
・Example(例)
・Point(結論)

(4)具体的な反省点や改善策を述べること

「所感」で具体的な反省点や改善策を述べるためには、今後どうするのかという部分まで意識して書くといいでしょう。

そうすることで、あなたが書く「所感」には現実味と説得力が生まれます。

(4)簡潔な文章でまとめること

「簡潔な文章でまとめること」は、冗長な文章になってはいけないということです。

「所感」は具体性を求められますが、あくまでの相手に伝えることが目的です。簡潔にすることで分かりやすく、相手に伝わりやすい内容になります。

「所感」を書く際の注意点

書く時に注意すべきは、「ただの感想だけにならないこと」「誰に向けた所感なのかを考えること」です。

前述した通り、ビジネスのシーンで「所感」を求められる時、「今後につながる改善策や解決策」を含めなくては意味がありません。

また、誰に向けた所感なのかを意識すると、あれこれ要素を盛り込む必要はなく、ゴールが自然と見えて簡潔に書くことができます。

加えて、「所感」を見る相手に合わせて、言葉遣いや伝え方には十分気をつけましょう。

「所感」を使用する場面例とポイント

「所感」の書き方を確認したところで、実際に使用する場面とポイントを確認していきましょう。

ビジネスシーンで「所感」を用いるのは、日報、報告書、スピーチなど。この3つに分けて説明します。

日報

企業では、1日の業務内容をまとめて日報として「所感」を書いて提出するところもあります。その場合、以下の順に要点をまとめることをおすすめします。

・1日の業務内容
・業務の振り返り(良かった点と悪かった点)
・業務における課題や反省点
・今後の業務にどう生かすか
・明日の予定や目標

前述の通り、今日は○○だったというような感想だけで終わらないよう、要因や改善点も加えることを意識してみてください。

報告書

研修や出張の報告書の提出に「所感」を用いることもあるでしょう。その場合、以下の順に記載すると分かりやすいです。

・研修や出張の内容
・学んだこと
・今後の仕事に生かせそうな点
・研修や出張を踏まえた業務改善案

研修や出張がどうであったか、詳しく書くことも重要ですが、それを今後にどう生かすのかを書くととても分かりやすく好印象です。

スピーチ

朝礼やあいさつなどのスピーチで「所感」を述べる場合もあります。

その状況では、文章ではなく口頭で述べることになるため、どうすれば良いのか不安に感じる人もいるのではないでしょうか。

もし、テーマがある場合はテーマに沿った感想と今後どうしていくかについて簡潔に述べると良いでしょう。テーマがない場合は、聴き手に伝えたいビジネスの知識や情報などを話すと良いとされます。

この際にも感想だけにならないよう、なぜ伝えたいのか、今後の業務にどう生きてくるのか述べるべきです。

なぜ「所感」が必要なの?

これまで「所感」について述べましたが、そもそもなぜそれは必要なのでしょうか。その理由を説明します。

主に「業務改善のため」「コミュニケーションのため」の2つが挙げられます。

失敗や気づきを経て、成長していくために多くの改善案や解決案を提出するのが「所感」です。「所感」を述べることで、習慣化をして改善を繰り返すことができるのです。

また、多忙な社会人にとって、面と向かって周囲とコミュニケーションを取る時間は意図的に作らないと減っていってしまうもの。そういった視点でも、「所感」はうまく作用します。

「所感」を述べる場があれば業務の状況や意見などを比較的簡単に共有することができ、自然と会社のメンバーと交流することができるのです。

こうしたメリットから、ビジネスシーンにおいて「所感」を持ち、発信していくことは重要だと言えます。

今日から「所感」を持とう

「所感」は、心に感じたことをそのまま述べるだけでなく、出来事を深く掘り下げた上でシンプルにまとめる必要があります。

主にビジネスシーンで使われる「所感」は、周りとのやり取りをスムーズにする作用があるということ。

そういった意味でも、間違えて言葉を使用したり、作成したりしないように気をつけましょう。

(moeka)

※画像はイメージです

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