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「幸甚」の読み方や意味は? 「幸いです」との違いを解説

kirara

お礼のメールなどに書かれている「幸甚」という言葉。文章から内容は推測できても、言葉の読み方や意味までは分からない人も多いはず。本記事では、「幸甚」の正しい使い方を解説します。

お礼の内容や文末などに書かれている「幸甚」という言葉は、前後の文脈から意味が推測できるため、つい読み飛ばしてしまうことも。

しかし、相手へのお礼や配慮した文章を作るために使える重要な言葉でもあります。

そこで今回は、「幸甚」の意味や使い方を詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてくださいね。

「幸甚」の読み方や意味

お礼のメールなどで使われている「幸甚」という言葉。

「幸」という文字から良い意味で使われていることは分かっても、具体的な意味まで理解できていますか?

そこで、まずは「幸甚」の意味や使い方をチェックしていきましょう。

「このうえないうれしい気持ち」を表す敬語

「幸甚」は「こうじん」と読み、「このうえないうれしい気持ち」という意味を持つ言葉です。

「うれしい」という表現の中でも最上級の気持ちを表しており、感謝の気持ちを伝える際に使われています。

また、「~してくれたらありがたい」という意味から、依頼文などで使われることも。

「幸甚」は敬語でもあるため、目上の人へ依頼する時に使える言葉として覚えておきましょう。

「幸甚」を使用する3つのシーンと例文

「幸甚」は使うシーンによって、表す意味や文章の作り方などが異なります。

そこで、「幸甚」の使い方を代表的な3つのシーンに分けて紹介していきますね。

感謝や喜びを伝える時

相手へのお礼として「幸甚」を使う場合は、「幸甚です」といった表現をします。

基本的には「うれしい」「悲しい」などを使う時と同様に、文章を組み立てます。

よりうれしい気持ちを表す際には、「幸甚の至り(いたり)です」と表現することもあります。

また、相手にしてもらったことなどを添えると、より感謝の気持ちが伝わりやすくなるので、何がうれしいのかを明確にした文章を作るように心掛けましょう。

例文

・先日はこちらの提案に賛同していただき幸甚です

・長きにわたって多くの人に協力していただき幸甚の至りです

相手へ依頼や要望を出す時

「幸甚」の感謝の気持ちを、「~してくれるととてもうれしいです」といった意味で使用することで、相手に失礼なく依頼や要望を伝えることもできます。

ストレートにお願いするよりも、こちらが下がってお願いする言い方になるため、表現を覚えておくととても便利ですよ。

文章を組み立てる時には、「~していただけると幸甚に思います」という表現を使います。

また、目上の人に対して使う際には、「~していただくと幸甚に存じます」のような表現になります。

例文

・3日後までにアンケートの返信をいただけると幸甚に思います

・今日提出した書類に関して、明日までにご意見をいただけると幸甚に存じます

贈り物をする時

相手へ要望を伝える時のように、贈り物をする時に「気に入ってもらえるとうれしい」と少し遠回しの表現で「幸甚」を使うことがあります。

「あなたが気に入ってくれたら自分もうれしい」というニュアンスになり、「つまらないものですが」を使うよりもスマートな表現です。

実際に文章を作る場合は、「~してくれたら幸甚に思います」のような、「たら」や「れば」のような、仮定を表す言葉と合わせて使用します。

そのため、「お口にあったら」「喜んでいただければ」のような表現と一緒に文章を作りましょう。

例文

・お菓子をお持ちしましたので、お口に合えば幸甚です

・心ばかりのお礼をお送りしました。気に入っていただければ幸甚に存じます

「幸甚」を使う時のポイントや注意点

「幸甚」はビジネスシーンで使える便利な言葉である一方、使う際には注意しておきたいポイントがあります。

そこで、「幸甚」をスマートに使いこなす上で覚えておくと便利な点を紹介していきますね。

目上の人や社外の人に使う

「幸甚」を使う際に注意が必要な点が、敬語であることです。

「うれしい」などの言葉と違ってやや堅苦しい言い方でもあるため、基本的には目上の人や社外の人に対して使うようにしましょう。

もし、後輩や同僚にお礼や感謝を伝える場合には、ストレートに「うれしいです」「助かりました」のような表現を使うのがベターです。

喜びの程度には差が出るものの、しっかりと相手へお礼の気持が伝わりますよ。

かしこまりすぎることに注意!

「幸甚」は敬語であること以外にも、かしこまった表現であることにも注意が必要です。

相手に失礼なく伝えることは大切ですが、一線を引いた表現になり、人によっては壁を感じてしまうことも。

そのため、プライベートでも親交のある上司などには使わない方が良いでしょう。

ただし、資料に添付するメモのように他人にも見られる文章や、お歳暮などを贈る際に添える手紙には、あえて「幸甚」を使用してメリハリを付けるようにすると、よりできる社会人に見られるでしょう。

メールの中で乱用しない

「幸甚」は単にうれしい気持ちを表すのではなく、最上級のうれしさの表現である点にも注意しましょう。

例えば、複数のことにお礼を言いたい場合、それぞれに「幸甚」を使ってしまうと、どれが一番うれしかったのか相手に伝わらなくなってしまいます。

そこで、「幸甚」を使うなら乱用せず、ここぞという場所で1回だけ使うようにしましょう。

いくつもお礼を伝えたいなら、対応してくれたこと全体に対して「幸甚」を使う、結びの言葉として「幸甚」を使ってお礼を述べるなど、自分なりの使い方を決めておくと間違えずに使えるようになりますよ。

「幸甚」の類語や表現

お礼を伝える言葉には「幸いです」や「光栄です」など、「幸甚」の類語や似た表現がいくつかあります。

「幸甚」の理解を深めるだけでなく、言い換えて使う時にも迷わないように類語や似た表現の意味や使い方もチェックしておきましょう。

「幸いです」

「幸い(さいわい)」は、「幸せ」や「ありがたいこと」を表す言葉で、「幸甚」と同様の使い方ができる言葉です。

ただし、「幸い」は基本的には何かを依頼したり贈り物をしたりする時に使うため、自分の気持ちを表現する言葉ではない点には注意が必要です。

また、文章内での使い方は「幸甚」とほとんど変わらないのも特徴。

丁寧に表現する際も、「幸甚」と同様に「幸いに存じます」という表現になります。「幸甚」よりもやや砕けたニュアンスなので、誰に対しても使いやすい言葉です。

例文

・資料をご確認いただけると幸いです

・先日贈らせていただいたお菓子がお口に合えば幸いです

「ありがたく存じます」

「人からの好意に感謝を伝える」という意味を持つ「ありがたい」。

「ありがたいです」のような表現を用いて、相手への感謝の気持ちを表す時に使います。

やや砕けた表現になるので、同僚などにも使いやすい言葉でしょう。

さらに、「ありがたいお言葉」「ありがたいお気遣い」など、相手の行動内容をプラスして表現することで、より具体的なお礼の言葉になります。

一方で、目上の人へ使うには砕けすぎた印象になるため、「感謝しています」など言葉を加えたり、「ありがたく存じます」のように敬語表現にしたりして使いましょう。

例文

・明日までに資料を確認していただけるとありがたいです

・本日はありがたいお気遣いをいただき、心より感謝いたします。

「光栄です」

「光栄」は、「行動や業績が褒められて名誉に思うこと」という意味の言葉。

一般的には、褒められた時の返しの言葉として使うため、「幸甚」のようにお礼の言葉としては使いません。

また、「光栄」は褒めてくれた相手との関係によって、適切に使える相手かどうかが決まります。

例えば、上司から業績を褒められた時は「光栄」を使いますが、部下から褒められた時に「光栄」を使うと大げさな表現に。

敬語ではありませんが、基本的には自分より目上の人とのメールや会話などで使用します。

例文

・お褒めいただき光栄です

・このような大きなプロジェクトを任せていただき、光栄に存じます

「恐れ入ります」

「恐れ入ります」は、「感謝」や「申し訳なさ」などを表す表現の1つ。

「幸甚」と同じように感謝を伝える言葉ですが、申し訳なさが加わることで、ややニュアンスが異なります。

また、文頭につけて使うことで、相手へ依頼する時のクッション言葉として活用できます。

この意味の場合は、「恐れ入りますが」の後に依頼する内容を続けるように文章を作ります。ただ、「幸甚」と比べると直接的な表現になる点に注意しましょう。

例文

・先日はセミナーに呼んでいただき恐れ入ります

恐れ入りますが、この書類にサインを頂けますか?

「幸甚」を上手に活用して自分の気持ちを伝えよう!

「幸甚」は「この上ない喜び」という、喜びを伝える言葉の中では最上級の表現です。

さらに、「~してくれたらうれしい」という意味で用いれば、仕事などの依頼やお願いする時の表現としても使えるという便利な言葉でもあります。

「幸甚」を上手に使いこなして、相手を不快にさせずに自分の気持やお願い事を伝えましょう。

(kirara)

※画像はイメージです

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