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「留意」の意味は? 使い方や「注意」との違いを解説

小坂井さと子

「気をつけてください」という意味合いで使う「留意」。「留意点」「留意事項」など、ビジネスシーンでも見聞きする言葉だと思いますが、「注意」との違いは分かりますか? 今回は「留意」の意味と使い方について解説します。

「留意」は漢字の通り「意識に留める」という意味で、気をつけてほしいと伝える際などに使います。

今回は、「留意」の読み方や意味、使い方を説明します。

「留意」とは?

最初に「留意」の読み方や意味を押さえておきましょう。

「留意」の読み方

「りゅうい」と読みます。

「留」は「留学」のように「リュウ」と読む場合と、「留守」のように「ル」と読む場合がありますが、「留意」は「リュウ」と読むので注意してください。

「留意」の意味

留意の意味は、以下の通りです。

りゅうい【留意】
ある物事に心を留めること。気をつけること。注意。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)

「留意」はどんな時に使う?(例文付き)

ここでは、「留意」を使った例文を、シチュエーション別に紹介します。

ビジネスメールや対面で注意をお願いする時

ビジネスメールで上司や取引先に「注意してください」と使いたい時に「留意」と使うことができます。

「ご留意ください」でも敬語表現として間違いないのですが、人や場合によっては敬意の度合いがやや軽いと受け取られる可能性があります。

より丁寧に伝えたい場合には、「ご留意くださいませ」や「ご留意いただけますと幸いです」などの表現を使いましょう。

例文

・お申し込みは今月末で締め切りとなっております。何卒ご留意いただけますと幸いです。

・金融商品は投資対象の価格の変動などで元本割れのリスクがありますことをご留意くださいませ。

・ ファシリテーターは全員が発言しやすいように、雰囲気づくりに留意してください。

あいさつで「健康に気をつけてください」と言いたい時

年長者に宛てたメールや手紙の文末では、相手の健康を願いながら締めくくるのが一般的です。

お世話になった上司や先生が定年退職した後に、手紙の末尾で「健康に気をつけてください」と伝えたい時には「お体にご留意ください」「健康にはくれぐれもご留意くださいませ」などの表現を使うことができます。

例文

・そちらではそろそろ寒さが厳しくなってくる頃かと思います。〇〇さまにおかれましても、どうぞお体にはご留意くださいませ。

「留意」と「注意」の違いとは?

「注意」の意味で使われることもある「留意」ですが、ニュアンスは少し異なっています。

「注意」は具体的に注意する必要がある場合に、「今」神経を集中させる必要がある場合の表現です。

一方「留意」は、抽象的なことや、時間的に長く心に留めおく必要がある場合の表現という違いがあります。

「留意」か「注意」かに迷った時は、「落下注意」のように「具体的かつ、今ここに集中して気をつけてほしい」場合は「注意」を使うと覚えておきましょう。

逆に、「人間関係を円滑にするためにも、言葉遣いには留意しましょう」のように、抽象的で継続的な場合には「留意」を使います。

英文で「留意してください」「留意点」はどう表現する?

ビジネスで英文レターを書かなければならない場合がある、という方もいるでしょう。

最後に、英文レターでの「留意してください」「留意点」「どうぞお体にご留意なさってください」の例文を紹介します。

「留意してください」は「pay attention」「keep in mind」

「留意する」に相当する一般的な表現として、「pay attention」や「keep in mind」などがよく使われます。

例文

・When working this machine, keep in mind the following points.(本機を操作する場合は、以下の点にご留意ください)

「留意点」は「Note」「Annotation」

「留意点」は、「Note」(留意点)や「Annotation」(注意点)を使うことができます。

例文

Notes on moving out(退去時の留意点

「どうぞお体にご留意なさってください」は「take care of yourself」

「take care of yourself」という表現は、メールや手紙の文末でよく使われる表現です。カジュアルな場面でも「元気でね!」に相当する「Take Care!」が用いられます。

ただ、ビジネスレターでは、本当に先方の体調を気遣っている場合を除いては、あまり健康に「ご留意」という表現は用いません。家族や親戚、友人に出す場合には、以下のように使います。

例文

・It is getting colder and colder. Please take good care of yourself.(日に日に寒さがつのる毎日です。どうぞお体にはご留意なさってください

「留意」をビジネスシーンで使いこなそう

本記事では「留意」の意味や使い方、「注意」との違い、英語表現について説明しました。

目上の人やビジネスシーンで「ご留意ください」とスムーズに表現できたら、礼儀を失わずに気を付けるべき点を伝えることができます。

また、メールや手紙の末尾でも、「どうぞお体にご留意くださいませ」と言葉を添えることによって、先方を思いやるニュアンスが加わり、受け取る側にも温かい気持ちが伝わるはずです。

ビジネスであれ、儀礼的な手紙であれ、根本にあるのは人と人の心の交流です。フォーマルな手紙であればあるほど、ちょっとした思いやりを大切にしてみてください。

(小坂井さと子)

※画像はイメージです

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