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「ご案内」の意味と使い方は? 正しい敬語表現【例文付】

黒木美沙

「ご案内」を使った正しい敬語表現とは? 「ご案内します」「ご案内のとおり」「ご案内申し上げます」などさまざまな例文を用いて詳しく解説します。

ビジネスシーンでもよく使用される「ご案内」という言葉。普段から耳にする表現ですが、「ご案内」の意味と正しい使い方を理解していないという方もいるのではないでしょうか。意味を理解すると、使用の幅も広がっていきます。

そこで今回は「ご案内」の意味、正しい使い方、言い換え表現などをご紹介します。シーンに応じて正しく「ご案内」を使用しましょう。

「ご案内」の意味

「ご案内」とは接頭辞の「御」と「案内」をつなげた言葉です。かしこまった印象にしたい場合は「御案内」と表記しますが、フランクに使用したい場合は「ご案内」と「御」を平仮名で表記します。

なお、「案内」には以下のような8つの意味があります。

1.知らない道や場所に導くこと
2.取り次ぐこと
3.相手を招くこと
4.事情を知らせること
5.内部の様子を伝えること
6.書き写した物、下書きのこと
7.事情をよく知っていること
8.内容を明らかにすること

また、接頭辞である「御」は丁寧語・謙譲語・尊敬語全てに当てはまります。

その中でも「ご案内します」は、相手を立てるために自分をへりくだっている謙譲語に分類されます。

これらの「案内」の意味を踏まえた上で、正しい使い方や例文を見ていきましょう。

「ご案内」の使い方と例文

そもそも「ご案内」は「案内」の敬語表現です。「ご案内」の正しい使い方とNG例を紹介します。敬語に対する苦手意識をなくして、正しい日本語を使いましょう。

「ご案内」の正しい使い方

「ご案内」は、一般的に自分が何かを知らせたり、教えたりする時に使用します。良く使ういくつかの例と共に好ましい表現を見ていきましょう。

ご案内します

「案内する」を丁寧にした表現です。以下、例文をご紹介します。

・教室へご案内します。

・館内をご案内します。

ご案内いたします

より丁寧に伝えたい場合の表現です。以下、例文をご紹介します。

・下記のとおりご案内いたします。

・下記のとおり開催いたしたく、ご案内いたします。

ご案内申し上げます

目上の人への提案時に使用する謙遜した表現です。 以下、例文をご紹介します。

・会議の目的を、下記のとおりご案内申し上げます。

・以下の通りに訪問いたしたく、ご案内申し上げます。

「ご案内」のNGな使い方

敬意を払いたい相手の案内する動作を表す場合、使い方には注意が必要です。表現の仕方によっては敬語として不適切なものもあるので覚えておきましょう。

ご案内してくださる・ご案内していただくはNG

文化庁の『敬語の指針』によれば、「ご案内ください」「ご案内していただく」といった表現は不適切とされています。

この場合、「して」を削除して「ご案内くださる」「ご案内いただく」とすると◎。「お~くださる」「お~いただく」という適切な敬語のパターンを満たす表現となります。

「ご案内」を使ったその他頻出表現

また、「ご案内」は他にも使い道がたくさんあります。ビジネスシーンで頻出する表現を3つご紹介します。

ご案内のとおり

「ご案内のとおり」は何かを説明したり、案内したりする時の前置きの言葉として使用されます。クッション言葉とも言われ、添えることで「ご案内したのと同じように」という意味合いがあります。

以下、例文をご紹介します。

・企画の詳細に関しましては、ご案内のとおりとなっております。

・ご案内のとおり、当日はこちらのスケジュールで進めさせていただきます。

ご案内いただきありがとうございます

「ご案内いただきありがとうございます」は「案内してくれてありがとう」という意味です。案内してもらったことに対し、感謝の気持ちを丁寧に伝えたい時に使用しましょう。

以下、例文をご紹介します。

・お忙しい中、ご案内いただきありがとうございます。

・本日はご案内いただきまして、ありがとうございます。

ご案内いたしかねます

「ご案内いたしかねます」は「案内することが難しい」という意味で、案内することを断る時に使います。

以下、例文をご紹介します。

・申し訳ございませんが、当日はご案内いたしかねます。

・大変恐れ入りますが、明日はご案内いたしかねます。

「案内されたこと」に対しての返事

目上の人などに案内されたことに対して、どのように返事をすべきでしょうか。感謝の気持ちを乗せつつ、返事をするのが一般的です。

以下、例文をご紹介します。

・ご案内いただきありがとうございます。

・ご案内くださいましてありがとうございます。

・ご案内賜りありがとうございます。

「ありがとう」以外にも感謝の気持ちを伝える表現方法があります。そちらの例文も合わせてご紹介します。

・ご案内くださり感謝申し上げます。

・ご案内に深謝いたします。

・ご案内いただきお礼申し上げます。

言葉を丁寧に伝えることも大事ですが、案内してもらってありがとうといった素直な気持ちを大切にしてください。しっかりと感謝の気持ちを伝えましょう。

「ご案内」の類語

「ご案内」には似たような意味を持つ類語も存在します。言葉を覚えて表現の幅を広げていきましょう。

ご紹介

「ご紹介」とは、知らない人同士の仲介役になってつなぎ合わせたり、新しい物事を知ってもらったりするために使用します。「紹介」に接頭辞の「ご」をつけた敬語表現です。

「ご案内」の「内部の様子を伝えること」「取り次ぐこと」に近い意味があります。

以下、例文をご紹介します。

・新商品をご紹介します。

・皆さんに友人をご紹介します。

ご招待

「ご招待」とは、人を招く時、もてなす時に使用できる言葉で、「招待」に接頭辞の「ご」をつけた敬語表現です。

「ご案内」の「相手を招くこと」に近い意味があります。

以下、例文をご紹介します。

・歓迎パーティーへご招待します。

・この度はパーティーにご招待いただきありがとうございます。

ご説明

「ご説明」は、内容や意味を分かりやすく伝える時に使用します。「説明」に接頭辞の「ご」をつけた敬語表現です。

「ご案内」の「内容を明らかにすること」「内部の様子を伝えること」に近い意味があります。

以下、例文をご紹介します。

・新企画についてご説明させていただきます。

・パーティーの詳細について、ご説明させていただいてもよろしいでしょうか。

お知らせ

「お知らせ」は物事を相手に知らせる時に使用します。「知らせ」に接頭辞の「お」をつけた敬語表現です。「ご案内」の「内容を明らかにすること」「内部の様子を伝えること」に近い意味があります。

以下、例文をご紹介します。

・○月○日にパーティーが開催されることをお知らせいたします。

・卒業式に関するお知らせがございます。

「ご案内」の英語表現

最後に「ご案内」を英語で表したい時の表現例を見ておきましょう。

「案内する」の英語は「guide」「conduct」「lead」「escort」「show」「take」などがあります。

それぞれの簡単な意味と例文を紹介します。

guide

「guide」には目的地までの案内、さまざまな事柄を指示するという意味があります。以下、例文です。

・She guided the city.(彼女が街中を案内してくれました)

・I will guide you to the library.(私が図書館まで案内します)

conduct

「conduct」には「導く」という意味があります。「guide」よりフォーマルな表現なため、目上の人に対してやビジネスシーンで使えます。以下、例文です。

・The woman conducted me around the city.(その女性は街を案内してくれました)

lead

「lead」は、積極的に先頭に立ち案内するという意味です。目的地が決まっている時に使用します。以下、例文です。

・He always leads the date.(彼はいつもデートをリードしてくれます)

・This road leads to the station.(この道は駅に導いてくれます)

escort

「escort」には「女性をエスコートする」のように、付き添い役などの意味があります。加えて、「護衛する」「守る」という意味が含まれます。以下、例文です。

・He escorted me to a fine restaurant.(彼は高級レストランへ案内してくれました)

・I escorted her into the living room(彼女を居間まで案内しました)

show

「show」には「見せる」という意味があるので、「地図を見せる」などで覚えましょう。相手に付き添いながら道案内する時にも使えます。以下、例文です。

・He will show you around Tokyo.(彼が東京を案内してくれますよ)

take

「take」には「手を取る」のような意味もあります。以下、例文です。

・She took you around Tokyo.(彼女があなたに東京を案内してくれた)

「ご案内」にはさまざまな意味がある

口頭で使用するだけでなく、看板やメールなどにも使用される「ご案内」という言葉。使い方によっては、少々ニュアンスが異なります。

類似表現も多いため、それぞれ使い方を間違えないよう気をつけたいところ。

「ご案内」の意味や表現方法を理解し、正しく使っていきましょう。

(黒木美沙)

※画像はイメージです

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