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「重複」はどう読むのが正解? 読み方や意味、例文などを紹介

Sai

「重複」の読み方に迷う人や、正しい使い方がよく分からない人、実は多いのではないでしょうか? 今回は、ビジネス用語に詳しいライターのSaiさんに「重複」の正しい読み方や意味、英語では何というのかについて解説してもらいます。

ビジネスシーンで目にすることが多い「重複」という単語。頻繁に使う言葉だからこそ、読み方や注意点などはおさえておきたいですよね。

この記事では、「重複」の正しい読み方や使用する上での注意点などを解説していきます。また、「重複」の英語表現や、ビジネスシーンで使える「重複」を使った例文も紹介します。


「重複」の読み方は「ちょうふく」? 「じゅうふく」?

「重複」の読み方として、「ちょうふく」と「じゅうふく」、どちらも聞いたことがあるという人は多いでしょう。日常生活では、そこまで「重複」の読み方に神経質になる必要はありません。しかしビジネスシーンにおいて間違った読み方をするのはできるだけ避けたいですよね。

そこでまずは、「重複」の正しい読み方について確認してみましょう。

本来の読み方は「ちょうふく」

2種類の読み方をされている「重複」ですが、正しい読み方は「ちょうふく」です。国語辞書を見ても「ちょうふく」に詳しい意味が記載されています。一方「じゅうふく」には解説文がなく、「ちょうふくに同じ」と書かれていたり、参照先として「ちょうふく」が案内されていたりします。

「じゅうふく」も「慣用読み」として通用

「重複」は「ちょうふく」と読むのが正解ですが、「じゅうふく」の方が聞き慣れているという人も多いでしょう。その理由は、「慣用読み」にあります。

「慣用読み」とは、本来の読み方ではないものの広く用いられている読み方のことです。「重複」の他にも「情緒(じょうしょ)」に対する「じょうちょ」の読みや、「早急(さっきゅう)」に対する「そうきゅう」の読みなどが挙げられます。

これらの「慣用読み」は正しい読み方よりも一般的に広く浸透しています。そのため日常生活の中で「じゅうふく」と読んでも問題はありません。実際、文化庁が平成15年度に行った「国語に関する世論調査」でも、76.1%の人が「重複」を普段「じゅうふく」と読むと回答しています。

ビジネスでは「ちょうふく」を使うのが賢明

「慣用読み」として通用している「じゅうふく」という読みですが、ビジネスシーンにおいては本来の読み方である「ちょうふく」を使うのが適切です。

「慣用読み」は現在では間違いではないとされているものの、元々誤読だったものです。そのため「慣用読み」自体を誤った表現だと認識している人も少なくありません。

従って、ビジネスシーンにおいて目上の人や顧客の前で「じゅうふく」という読み方をしてしまうと、「教養がない人」や「漢字も満足に読めない人」などと思われる可能性があります。

自分の評価を下げないためにも、仕事場などでは正しい読み方である「ちょうふく」を使用する方が良いでしょう。

重複の意味や類義語は?

読み方に着目する人が多い「重複」ですが、正しく使うためには意味や言い換え表現などを理解しておく必要があります。

ここからは、「重複」の意味や類語などを詳しく解説していきます。

「重複」とは同じことが重なり合うこと

「重複」とは、次のような意味です。

じゅうふく・ちょうふく【重複】
複数の同じ(同種の)物事が重なること、および、そのような状態のこと
『実用日本語表現辞典』

「重複」の「重」には「重なる」という意味が、「複」には「2つ以上から成る」という意味があり、「同じこと・ものが重なること」を意味しています。

なお、「重複」には「2つ以上は余計である」というニュアンスが込められているため、無駄なものや余分なものに対してネガティブな意味で使われる場合が多いです。

「重複」の類義語は「反復」や「冗語」

「重複」の主な類語には「反復」や「冗語」があります。

「反復」は「同じことを複数回繰り返すこと」で、重複と意味が似ているため混同する人が多いでしょう。しかし、「反復」には「考えた上で繰り返す」というニュアンスが含まれており、ポジティブな表現として使われる場合が多いです。例えば、「反復練習をする」とか「反復して覚える」などといった使い方をします。

また「冗語」は、「無駄な言葉」や「余計な話」を意味しています。ある概念を説明するのに必要以上の言葉を重ねている場合などに使われる言葉で、「文章から冗語を省く」とか「無駄な冗語を重ねる」などといった使い方をします。

「冗語」と「重複」はどちらもネガティブな場面で使われる言葉で、意味も非常に似ています。しかし「重複」が物事に対して幅広く使える一方で、「冗語」は言葉や文章にフォーカスしている語句だと覚えておくと、使い分けがしやすいでしょう。

英語では「duplication」や「overlapping」と表現

「重複」は、英語で表現すると「duplication」や「overlapping」となります。

「duplication」は名詞で、「重複の」という意味の形容詞である「duplicate」も頻繁に使われる単語です。また、「overlapping」は「重ねる」という意味の動詞「overlap」の現在分詞で、「物事が重なっている状態」を表す際によく使います。

他にも「繰り返し」という意味の名詞である「repetition」 や、少し形式ばった表現ですが「余分」を意味する名詞の「redundancy」なども「重複」のニュアンスを含む単語として挙げられます。

文脈や前後の単語とのつながりを考慮して、適切なものを使うようにしましょう。

【例文付き】「重複」の正しい使い方とは?

ビジネスシーンで「重複」を使う場合、主に「重複」を動詞として使うパターンと、「重複」を他の名詞と組み合わせ熟語として使うパターンの2種類の使い方があります。職場などで正しく使用するためにも、例文を確認しておきましょう。また、「重複」を英文で使う場合の例文もあわせて紹介します。

「重複」を動詞として使う場合

まずは、「重複」を動詞として使う場合の例文を見てみましょう。

例文

  • 表現が重複しているので、後で削除しておいてください。
  • エクセルの機能を使って、重複しているデータを取り除く。
  • 重複して記入されているので、書き直してください。
  • 他の社員と営業エリアが重複しています。

「重複」と他の名詞を組み合わせて使う場合

「重複」に他の名詞を続けて熟語として使うパターンも、ビジネスシーンでよく見られる表現です。代表的なものをいくつか紹介します。

例文

  • 「いまだに未解決」という言い方は重複表現である。
  • 重複データは簡単な方法で洗い出せる。
  • 重複排除のために、フォルダ名を連番で管理する。

「重複」を英文で使う場合

海外支社や海外の取引先とのやり取りで困らないよう、「重複」の英語表現である「duplication」や「overlapping」などを使った英語の例文も確認しておきましょう。

例文

  • To prevent duplication of data, please use this system carefully. (データの重複を防止するために、このシステムを注意深く使ってください)
  • Please adjust the schedule because the plans are overlapping.(予定が重複しているので、スケジュールを調整してください)
  • Could you tell me how to remove duplicate email addresses?(重複しているメールアドレスを取り除く方法を教えてもらえませんか?)

意味や読み方を理解して「重複」を正しく使おう

職場などで頻繁に見聞きするものの、正しい読み方や意味をよく知らない人が多い「重複」という言葉。しかし、ビジネスシーンに適した読み方や正確な意味を理解しておけば、目上の人や取引先などから「知識や教養がない」と思われたり、周囲からの評価が下がったりする心配はありません。

例文や言い換え表現などをしっかりと確認しておき、正しく「重複」を使えるようにしましょう。

(Sai)

※画像はイメージです

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