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コストパフォーマンスの意味は? 使い方や類語【例文付】

丸山りさ(まる)

コストパフォーマンスとは? 「コストパフォーマンスが高い」などとよく聞きますが、どんな場面で使うのでしょうか。言葉の意味と使い方を、ビジネス用語に詳しいライターのまるさんが解説します。

ビジネスシーンだけでなく、日常的な会話にもよく出てくる「コストパフォーマンス」という言葉。リーズナブルである場合に使われることが多いイメージですが、正しく意味を理解して使えているでしょうか?

例えば、「価格が安い」というだけで「コストパフォーマンスが良い」と判断はできません。

今回は、そんな「コストパフォーマンス」の意味や言葉の使い方について考えていきます。

「コストパフォーマンス」とは?

まずは「コストパフォーマンス」の意味や基本的な概念を紹介します。

「かけた費用や労力に対する成果」を表す言葉

「コストパフォーマンス」とは「かけた費用や労力に対する成果のレベル」のこと。

成果のレベルは、場面や対象物、かけた費用によって期待値が変わります。一般的には「料金」や「労力」に対する「満足度」に対して使われることが多いでしょう。

「手頃な価格で満足度の高いサービスを受けられた」

「時間や労力をかけたが、期待した以上の成果があった」

といった場合、「コストパフォーマンス」が「良い」「高い」と表現されます。一方で、

「手頃な価格ではあったが、それに見合ったサービスやクオリティではなかった」

「時間や労力をかけたが、期待した成果は得られなかった」

といった場合、「コストパフォーマンス」が「悪い」「低い」と表現されます。

「費用対効果」と近い

「コストパフォーマンス」を日本語で表現する時は「費用対効果」という言葉がよく使われます。

「費用対効果」とは「払った金額」に対して得られる「成果」や「効果」の度合いを指す言葉です。

「コストパフォーマンス」と同じように「良い・悪い」「高い・低い」と表現されますが、ビジネスシーンで使用されることが多く、日常的な会話ではあまり使われないかもしれません。

「コストパフォーマンス」は正しい英語ではない!?

「コスパ」と略して使われることが多い「コストパフォーマンス」という言葉。

「コスパ」という表現を英語でしたい場合に「cost performance」と言っても、意味が伝わらない場合があるかもしれません。

あまり一般的な表現ではなく、細かいニュアンスまでは伝わりにくいでしょう。意味合いが近い言葉を選ぶなら、英語では「value」という言葉になります。

「コストパフォーマンス」の使い方

「コストパフォーマンス」の意味を理解したら、実際に使ってみましょう。

あらゆる表現は、意味や成り立ちをインプットした後に、アウトプットを通して使いこなすことが可能になります。

どのような場面で使うのか、それぞれ例文を挙げて紹介します。日々の生活に表現を取り入れてみてくださいね。

コストパフォーマンスが「高い」「良い」

コストパフォーマンスが「高い」「良い」とは、かけた金額や労力に対して期待以上のサービスやクオリティ、成果があった時に使う言葉です。

「サービスやクオリティが驚くほど良い」という意味ではなく、「コストの割には良い」という意味合いで使われます。

【例文】

・システムに100万円投資したが、コストパフォーマンスは良かった。

・この価格でこれだけの品数ならコスパは高い方だ。

・少ない人員でここまでの成果を上げられたなんて、高コストパフォーマンスだ。

ちなみに「高コストパフォーマンス」という言い回しはされますが、「良コストパフォーマンス」という言い方はあまりしません。

コストパフォーマンスが「低い」「悪い」

かけた金額や労力に対して、期待したサービスが受けられなかった場合や、クオリティが伴わなかった場合、コストパフォーマンスが「低い」「悪い」という使い方をします。

「サービスやクオリティが驚くほど悪い」という意味ではなく、「コストの割に悪い」という意味で使われます。

【例文】

・この価格でこのクオリティだとコストパフォーマンスは悪い。

・ずっと雨でコスパの悪い旅行になってしまった。

・予想以上に原価がかかり、結果として低コストパフォーマンスとなった。

「高い」表現の時と同様に「低コストパフォーマンス」という言い回しはありますが、「悪コストパフォーマンス」という言い方はしません。

コストパフォーマンスを「上げる」

コストパフォーマンスは「上げる」という表現もされます。

例えば「商品のコスパを上げる」という場合は、商品の価格はそのままで性能や品質を上げる、もしくは商品の価格を下げて、性能や品質は維持する、などの意味があります。

または、1つのアウトプットに対して労力をかけないよう努力したり、労力はそのままに生産性をアップしたりする場合も、「コスパを上げる」という表現に該当します。

より商品のお得感を出す、上げるという意味で使われることが多いでしょう。

【例文】

・コストパフォーマンスを上げた、消費者のためになる商品を開発しよう。

・原価とリソースを抑え、コスパを上げたアウトプットを目指す。

コストパフォーマンスに「優れた」

コストパフォーマンスに「優れた」という表現は、文字通り優良なコスパであるということ。

「良い・悪い」というよりも、「他の競合と比べて優れている」時に使うのが適している表現です。

【例文】

・さっき見たものよりも、この商品の方がコスパに優れている。

「コスパ的に」

「コスパ的に」という言葉は、その商品の価値やサービスのクオリティを評価する際に使われる表現です。

受ける側も、与える側もどちらも使えます。値段と物の価値にどれだけ差があるのかを表現する時などに、便利な言葉でしょう。

【例文】

・あのホテルは値段の割にサービスが良くて、コスパ的に満足だ。

・確かにクオリティは高い商品だが、コスパ的にはどうかと思う。

「コストパフォーマンス」の言い換え・類語

ここでは、「コストパフォーマンス」の類語や似た表現を紹介します。

費用対効果

「コストパフォーマンス」を日本語で表現した言葉が「費用対効果」です。

「コストパフォーマンス」は日常的な会話でも使われますが、「費用対効果」は主にビジネスシーンで使われることが多いでしょう。

「費用対効果」の類語は「対費用効果」や「費用便益比」。「コストパフォーマンス」と意味は同じですが、こちらもビジネス向きの言葉です。

スループット

「スループット」とは、単位時間あたりの処理能力のことで、コンピュータや通信回線における一定時間内の処理能力のことを指します。

意味としては「コストパフォーマンス」に似ていますが、主にIT関連で使われる言葉であり、一般的ではないため通じないことが多いかもしれません。

満足度

「コストパフォーマンス」は「かけた費用」や「労力・時間」に対する見返りへの満足度で「良い・悪い」が決められます。

そのため、「満足度」という言葉に言い換えても意味は通じるでしょう。

友人や知人との普段における会話で「コストパフォーマンスが~」などと表現すると、鼻に付くと思われる場面もあります。プライベートなどでは、「満足度が高いよね」と言い換えても良さそうです。

「コストパフォーマンスが高い」の類語・言い換え表現

「コストパフォーマンスが高い」というニュアンスに合った単語も存在します。類語や言い換え表現を引き続き見ていきましょう。

リーズナブル

「リーズナブル」は、英語で「道理に合った」「合理的な」「手頃な」という意味を持つ言葉です。

日本では「手頃な価格」という意味で使われることが多いでしょう。

「コストパフォーマンスが高い」と意味は近いですが、「満足度」ではなく「価格の安さ」に注目した言葉であるため、少し注意が必要です。

経済的

「経済的」とは「費用がかからない様子」を指す言葉です。

「コスパが良い」「コストパフォーマンスが高い」を「経済的」と言い換えることができます。

こちらも、「費用がかからない」「安上り」であることを指す言葉であり、「満足度」を示す言葉ではありません。費用に対してコスパが高い、と表現したい時に使いましょう。

割に合う

「割に合う」は、「儲けがある」「苦労した甲斐がある」などのニュアンスが含まれる言葉です。「コストパフォーマンス」とニュアンスは非常に似ています。

「価格」や「金額」だけでなく「満足度」を表したい時にも使えるので、場面を気にせず「コストパフォーマンス」の言い換えとして使うことができるでしょう。

「コストパフォーマンスが高い」場合は「割に合う」、「コストパフォーマンスが低い」場合は「割に合わない」と表現できます。

採算が合う

「採算が合う」「採算に合う」は、「利益が出る」「割に合う」を意味する言葉です。また、「採算が取れる」という表現をすることもあります。

「かけた費用」や「時間」「労力」に対して、メリットが感じられた時にも使う表現なので、こちらもあらゆる場面での「コストパフォーマンス」と言い換えることが可能です。

「コストパフォーマンスが高い」場合は「採算が合う」「採算が取れる」、「コストパフォーマンスが低い」場合は「採算が合わない」「採算が取れない」と使います。

「コストパフォーマンス」の英語表現

「コストパフォーマンス」は和製英語です。

英語で「cost performance」と表現しても、伝わらないことはありませんが、日本語と同じ意味合いでは伝わらない可能性が高いでしょう。

前述の通り「コストパフォーマンス」にニュアンスが近い言葉は「value」です。

英語で「コストパフォーマンスが良い」と言いたい時は

・This product has good value for the price.
(値段の割に価値が高い)

・This product is reasonable.
(お手頃価格)

などと表現すると良いでしょう。

反対に英語で「コストパフォーマンスが悪い」と言いたい時は

・It doesn’t pay.
(割に合わない)

・It is not worth the candle.
(割に合わない)

と表現すれば問題ありません。

「コストパフォーマンス」を使いこなそう

「コストパフォーマンス」の意味や使い方について解説しました。

ビジネスシーンだけでなく、日常的にも使われる言葉であるため、覚えておいて損はありません。

この記事を参考にして、身の回りの支出に関する「コストパフォーマンス」を意識してみてくださいね。

(まる)

※画像はイメージです

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