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「なんの取り柄もない」と思う人の特徴と心理。取り柄を見付ける5つの方法

大塚統子(心理カウンセラー)

周りと比べて自分にはなんの取り柄もない。そう思っている人はいませんか? 心理カウンセラーの大塚統子さんによると、取り柄は誰にでもあるのだそう。では、なぜ「なんの取り柄もない」と思ってしまうのでしょうか。その理由や心理の他、取り柄を見付ける方法も教えてもらいました。

周囲の人には優れて見えるところがあって、「それに比べて私は……」と落ち込むことはありませんか? 「私にはなんの取り柄もない」と思っていたら、自信をなくしてしまいますよね。

実は、取り柄がない人なんていないのです。

今回は、「取り柄がない」と思ってしまう理由や心理と、取り柄を見付ける具体的な方法を紹介していきます。

そもそも「取り柄」の意味とは

「取り柄」の言葉の意味は、「とりあげて用いるべきところ。格別によい点」(『精選版 日本国語大辞典』より)です。

「長所」とは違う?

「長所」の言葉の意味は、「性質や性能などで、特に長じている所。とりわけすぐれている所。得意な点」(同)。取り柄と同じ意味で使われる同義語です。

両方とも本来はポジティブな意味合いの言葉ですが、「取り柄」の方は謙遜の定型句として「取り柄がない」と使うことが多いのが特徴です。

「なんの取り柄もない」と思ってしまう人の特徴

まずは、誰にでも取り柄はあるはずなのに「自分にはなんの取り柄もない」と誤解しやすい人の特徴を紹介します。

(1)自信がない

自信がなく、「どうせ自分なんて」「私なんかが」と、自分を諦めている傾向があります。自信がないので怖くてチャレンジができない、行動しないから結果が出せない、そのためますます自信が持てないといった負のスパイラルにはまっていることが多いです。

(2)不十分な部分を気にしやすい

できていることもたくさんあるはずなのに、不十分な部分ばかりが目に付いて気になってしまう傾向があります。100点満点のテストで95点を取ったのに喜ばず、5点の失点を気にするようなものです。

向上心が強い人ともいえますが、常に不十分さを見ているので、自分のいいところに気が付きにくいです。

(3)人の優れた点と比較する

人の優れた点と自分のできていない点を比べる傾向があります。「Aさんは愛想がいい」「Bさんは仕事ができる」「Cさんは気が利く」と、それぞれの優れた点と自分に不足している点を比べるので、劣等感を抱えやすくなります。

(4)自分に完璧を求め過ぎている

理想が高く、自分に対して「これくらいできて当然」と思っている傾向があります。理想に届かなかった場合、できなかった点のみに意識が集中してしまい、自分のできていることや頑張れていることはなかなか肯定できません。

完璧を求めるのは悪いことではありませんが、過度に求め過ぎると、自己評価が低くなってしまいがちです。

(5)人の評価に左右されやすい

他人からの評価に左右されやすい場合、人から承認されないと自分のいいところを認識しづらいでしょう。

自分の中で「私は私、人は人」「自分なりに頑張っている」「これでいい」と思えなかったり、周りに認められないと不安だったりするならば、他人の評価に依存している可能性があります。

(6)褒め言葉を素直に信じない

周囲の人から褒められる機会は少なくないのに、「またお世辞を言って」「そんなことありません」などと相手の評価を信じられないタイプの人がいます。

このタイプは、自分が「評価されている」「認められている」ということに鈍感になっているので、自分のいいところが認識しにくくなります。

「なんの取り柄もない」と思ってしまう理由と心理

「なんの取り柄もない」と思ってしまうことには、どんな理由や心理があるのでしょうか。主な3つを解説します。

(1)認められた経験の不足

子どもの頃、親が謙遜して「この子にはなんの取り柄もなくて」と話すのを聞いた人は多くいるようです。この体験をした場合、素直な子ほど、「自分には取り柄がないんだ」と信じてしまいます。

また、あまり褒められない環境や、否定的な言葉を多く掛けられる環境にいた場合、認められた経験が少ないために「自分にはいいところがない」と誤解をしやすいです。

「自分にはいいところがない」という否定的な思い込みは、「なんの取り柄もない」と思う原因の一つでしょう。

(2)自分を過小評価している

実は、取り柄は自分が当たり前にしていることの中に隠れている場合が多いのです。

例えば、「優しい」が取り柄の人は、普段から人に優しくしているでしょう。しかし、自分にとっては普通のことなので、格別「優しい」とは思えず、取り柄だと認識できないのです。

むしろ、優しいが故に、たまに「優しくできなかった」と思った時のことを気にして、「私は優しくないな」と誤解していたりもします。

このように、いつも自分がしていることの中に取り柄があると気が付かず、「取り柄がない」と思うこともあるでしょう。

(3)取り柄と認める基準が厳し過ぎる

「取り柄がある人は特別に素晴らしいことができる人」など、取り柄と認める基準が厳し過ぎると、自分が得意なことを「こんなの誰でもできる」と思ってしまいがちです。その結果、「取り柄がない」と思うこともあるでしょう。

取り柄のイメージを幅広く多様なものに変えていくと、「取り柄がある」と認めやすくなると思います。

自分の取り柄を見付ける方法

最後に、取り柄を見付ける具体的な方法を5つ紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

(1)これまでに褒められたことを思い出す

子どもの頃から今に至るまで、どんなことで人に褒められてきたかを思い出しましょう。特に、複数の人から言われたことは、自信を持っていいあなたの取り柄です。

(2)自分なりに頑張っていることを探す

人からの評価の有無は関係なく、自分が頑張っていることを思い浮かべてみましょう。

思い付かない人は、これまで最もお金を掛けてきたことはなんでしょう。力を注いできたことの中に、あなたの取り柄があるはずです。

(3)人付き合いで大切にしていることを探す

人付き合いの上で、何を大切にしてきたでしょうか。例えば、「誠実でいよう」「優しくしよう」「笑顔でいよう」など。そのこだわりは、あなたの取り柄といえるでしょう。

(4)自分をよく知る人に聞いてみる

取り柄は自分にとっての当たり前の中に隠れていて、気が付かないこともあります。そこで、あなたをよく知る人に「私の取り柄はなんだと思う?」と聞いてみましょう。

そして、言われたことを疑わず、そのまま信じてみましょう。人からはそう見えているのですから。

(5)ポジティブな人と積極的に接する

自己肯定することが上手で、ポジティブな考え方をする人との接点を多く持つのも一つの方法です。ポジティブな人と一緒にいると、「自分のことをこんなふうに考えたらいいんだ」とたくさんの前向きなヒントが得られるでしょう。

参考記事はこちら▼

自己分析だけではなかなか分かりづらい自分の長所を診断してみましょう。長所が分かれば、きっと自信がつくはずです。

誰にだって取り柄はある

もし「自分にはなんの取り柄もない」と思っているとしたら、何かの理由で誤解しているだけです。

心理的には、「自分には取り柄がない」と思っていると、そのネガティブな要素を証明する出来事を見付けて、「ほら、やっぱり」と思いやすくなります。

逆に、「自分には取り柄があるんだ。それはなんだろう?」と思って探すと、見付けやすくなるものです。

あなたにも必ず取り柄があります。探し出してみてくださいね。

(大塚統子)

※画像はイメージです

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