キャリアプランとは? メリットや立て方・ポイントを解説
「キャリアプラン」とは、自分のキャリアビジョンを実現するための計画のことです。今まで特にキャリアプランもなく日々働いていたという人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、キャリアプランを立てることのメリットや立て方について、キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんに教えてもらいました。
「先のことなんて分からないから、計画が立てづらくて。でも、先行きが見えていないのは不安」
こんなふうに、考え悩む日々を過ごしている20~30代の女性は多いのではないでしょうか。
未来のことが分からないからこそ、ある程度の予測と計画を立てることは大事です。これからのキャリアをきちんと悩み、選択するためにも、一度立ち止まって自分らしいキャリアについて考えてみましょう。
キャリアプランは「キャリアビジョンを実現するための計画」
キャリアプランとは、描いたキャリアビジョンに向けて取捨選択するための計画のことです。
キャリアビジョンは、未来の自分のありたい姿で、キャリアプランは、その姿を実現させるためのさまざまな方策のことです。
ちなみに、「キャリア」の概念については多義性があると、研究者は口をそろえて主張しています。
キャリア研究者たちの解釈を紹介すると、例えばマクダニエルズ氏は「ライフスタイルの一概念。個人が生涯にわたってさまざまな仕事や活動に関わってきた様相」と説明しています。
また、ハー氏とクレイマー氏は、「人によって異なるユニークなものである。個人が生涯の中で経験する“何を選び、何を選ばないか”によって創造されるダイナミックなものである」と説明しています。
この「何を選び、何を選ばないか」を決める指針となるのが、キャリアプランなのです。
キャリアプランを立てておくことのメリット
描いたビジョンを実現させるために、キャリアプランを立てましょう。
キャリアプランを立てておくことのメリットは以下の通りです。
夢が実現しやすくなる
ビジョンを夢のままに終わらせないためにも、行動を伴わせる必要があります。
そのためにプランがあるのです。プランを立てた人とそうでない人では、3年後に大きな差が生じるでしょう。
キャリアのPDCAが回せる
「自分が将来何をしたらいいのか分からない」と不安に押しつぶされそうな人もいますが、このような人こそ、ビジョンに向けて目の前のすべきことを明らかにしましょう。
キャリアもPDCAです。ビジョンを描いたら、一歩踏み出さなければ始まりません。
まずはP(計画)、そしてD(実行)、C(振り返り)、A(繰返しや再考)。そのためにも、実現に向けての第一歩となるプランが大事なのです。
不安が軽減されて自信が付く
一歩も踏み出せない人の多くは、計画をきちんと立てていない人が少なくないものです。そして、ただただ不安な気持ちで押しつぶされそうになってしまう……。
すべきことがはっきりすると、人は不思議と不安が軽減されるものです。不安を感じやすい人ほど、キャリアプランを立てておくことをお勧めします。
そして、そのプランを実行したら、やったことが一つ増えます。または、できるようになったことも一つ増えるわけです。
いつの間にか不安が払しょくされ、やがて自信も持てるようになっていきます。
キャリアプランの立て方とポイント
ここでは、キャリアプランの立て方とそのポイントを紹介していきます。
キャリアプランを立てる前の準備
キャリアプランを立てる前に、まずはあなたらしい3年後のキャリアビジョンを描いてみましょう。
どんな仕事をしていたいですか? 周りからどんな評価を得ていたいですか? 会社勤め? フリーランス? 年収はどれくらいがいい? どんな暮らしをしていたい?
こんなふうにさまざまな質問を自分にしてみて、天井を設けず、好きに描いてみましょう。
ビジョンは大きな夢を、プランは実現可能な内容を
一歩一歩夢に近づくためにも、行動に移せそうなプランであることが大切です。
計画倒れにならないためにも、実現可能な内容とステップを心掛けましょう。
例えば、
・いつまでに
・どのように
・誰と関わって
などのポイントを念頭に置いて、実際に行動する時のイメージを持ちながらプランを書き出してみましょう。
そして、やったかやらなかったかの振り返りも大事です。実はプランを立てたものの、後で考えたら難しい内容だった、なんてこともあるのです。
プランは必ず実行しなくてはならない、と思い込まず、けれど、やらなかったら「なぜやらなかったのか?」を振り返ることは必要です。
もしそのプランを実行しないと決めたら、代案を考えてみましょう。
必ず書き出す
プランは、頭の中でイメージするのではなく、必ずノートや付箋などに書き出しましょう。
頭で考えていることを実際に書き出すと、俯瞰して考えることができます。
それによって現実的か、違う方法があるのではないか、など再考できます。
また、そのプランの進捗状況を目で確認することができるので、自己管理にもなります。書いたり消したりしながら、描いたビジョンに近づいていきましょう。
人に見てもらってアドバイスをもらう
キャリアプランは、あくまでもキャリアビジョンを実現するための手段です。
実現への道筋は、自分が思いつく以外にもたくさんあります。さまざまな選択肢からベストなキャリアプランを立てるためにも、周囲に相談し、アドバイスをもらいましょう。
実際にあなたの描いたビジョンを実現した人に聞いてみるのも参考になりそうです。自分では思いつかなかったようなプランを知ることができるかもしれません。
また、新たな選択肢が見つかるだけでなく、あなたが立てたプランが実はビジョンに結び付かず実現しづらい、という有用なアドバイスももらえることでしょう。
自分の選択と行動で未来を変えていく
キャリアプランに沿って行動していくと、思わぬ副産物に出会うことがあります。それはうれしい偶然です。そこからまた新たにやってみたい選択肢が出てくることも。
また、キャリアビジョンやキャリアプランは、節目で見直すと良いでしょう。
「何を選び、何を選ばないか」。これによって私たちの未来は変わっていきます。納得する未来を実現するための選択と行動。
自分の未来のためにも、キャリアプランを立ててみませんか?
(藤井佐和子)
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