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語彙力を鍛える方法とは? 本当の語彙を増やすおすすめ4つ

ぱぴこ

思いを適切な言葉で伝えられない時、「私って語彙力がないなぁ……」と少し落ち込んでしまいますよね。そんな語彙力を鍛える方法があると、外資系OLコラムニストのぱぴこさんは言います。一体どんな方法なのでしょうか?

「語彙力が欲しい~~~~~~~~~」。

原稿を眺めながら、血の涙を流して叫びまくっています。今もです。

私の友人には、全ての会話を「すごい」「やばい」「ハンパねぇ」で済ませる人間がいるのですが、さすがにこれよりは確実に語彙力はある。しかし、「必要な時に“最も適切な言葉”を使える人間か?」と問われるとそうではない。

今回は、ネットスラング的に使ってしまっている「語彙力」を真面目に考え、語彙力を鍛えるノウハウを深堀りします。

語彙力とは?

『語彙力を鍛える ~量と質を高めるトレーニング~』(光文社新書)の著者で、言語学者の石黒圭氏は著作の中で、語彙力を次のように定義しています。

語彙力=語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用)

つまり、ただ言葉や単語を知っているだけではなく、その語彙を適切に運用して活用できる能力が語彙力なのです。

また石黒氏は、語彙の量よりも質を重視しており、質はどれだけ人に伝わったか? という尺度で測られるものだと記載しています。

大人が語彙力を鍛える方法

日本語母語話者でも、言葉は使って学ばないと抜け落ちます。一方で、年齢を重ねても語彙力を鍛えることはできます。

先ほどもお伝えしましたが、語彙力とは「語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用)」です。質が重要とはいいつつも、そもそも言葉を知らないと話になりません。つまり、アプローチは2種類あります。

1つ目は、語彙の量を増やすこと。2つ目は、語彙の質を上げることです。

語彙の量を増やす

(1)読書

身も蓋もないですが、「言葉」を覚えるためには読書が一番です。興味があるものから読み始め、徐々にジャンル問わず幅広く読むことで触れたことの無い言葉を覚えることができます。

他には、辞書を読むのも良い方法でしょう。知らない言葉を調べて意味を覚えたり、類語や用例を見たりしていると、自然と語彙の量は増えます。

また、クロスワードパズルもおすすめです。普段使用しない単語をゲーム形式で覚えられるからです。

(2)さまざまな人と接し、会話する

英語学習を始めとした外国語学習では顕著ですが、聞く(インプット)と話す(アウトプット)を同時に実行する会話は、語彙力アップに強力に作用します。

営業成績を上げたいなら、営業がうまい人と一緒に商談に行き、その人の会話を聞いて身に付けるのが最も効果的なように、自分と異なる語彙を持つ人と会話することで、語彙力は身に付けられます。

語彙の質を上げる

(1)形容詞を排除し、具体的に描写する

表現力を高めるためには、形容詞を排除した表現を身に付ける必要があります。そして、脳内変換スピードを上げれば、それだけで語彙力も上がります。

例えば「イチゴが甘くておいしい」ではなく、「イチゴの味が凝縮していて濃厚、酸味もほのかに感じる」といった表現に変更すると、ぐっと奥行きがで出ます。

(2)語彙力がある人の表現や言い回しをメモする

上司や同僚にいる「語彙力が高い人」の言い回しや表現をまねることで、自分の語彙力を高める方法です。どれだけ語彙を増やしても、うまく使いこなさなくては意味がありません。

辞書的な意味に終始すると「適切な使い方」までは理解できません。そのため、できている人の例を拝借し、自分なりに使いこなすのが重要です。

語彙力を鍛えるメリット

では、語彙力を鍛えるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

(1)コミュニケーション能力が上がる

まずは、コミュニケーション能力が上がるメリットが考えられます。

「あの映画めっちゃよくてさ~もう本当にやばかった!!」なんて抽象的な表現で片付けてしまいがちなところを、語彙力を鍛えたら、なぜ良かったのか、どう思ったのかを相手に伝えられます。

また、相手の話に対する理解力も上がり、コミュニケーションがスムーズになることでしょう。

(2)知的な印象を与えられる

語彙力を鍛えたら、会話相手に知的な印象を与えられるというメリットもあるでしょう。

「言葉遣いがきれい」「大人っぽい」「教養があるんだろうな」という印象を与え、ビジネスシーンでは安心や信頼を抱いてもらうことにつながるかもしれません。

また恋愛においても「知的な人が好き」という人からは、きっとモテるはずですよ。

(3)仕事の効率が上がる

語彙力を鍛えることで、仕事の効率もアップするでしょう。

例えば営業職の人ならば、なぜこの商品が良いのかを豊富な語彙のバリエーションで相手に伝えられます。マニュアル通りの営業よりも、相手の心に訴えるものがあるかもしれません。

また会議の議事録や日報を書く時にも、語彙力が活躍するはず。さまざまな面で、語彙力を鍛えるメリットがあります。

語彙力が無いと思われがちな人の共通点

では、そもそも語彙力が「無い」と判断される人には、何か共通点はあるのでしょうか?

(1)表現のバリエーションが無い

冒頭で挙げた友人が、周囲から「語彙力が無い人」代表として認識されたのは、「すごい」「やばい」「ハンパねぇ」の3語完結だったからです。潔いです。

しかし、もちろん彼もその他の単語を知らないわけでも、漢字が書けないわけでもありません。高等教育を受け、有名大学といわれる学校を卒業し、一般企業で働いています。

では、なぜ3語完結なのか。

それは、その場その場で適切な言葉を脳みそから引っ張り出すことができないからです。そして、このように表現が少ないと「こいつ、いつも同じこと言っているな? (語彙力が無いな)」と思われるのです。

(2)指示語の使用が目立つ

「これ」「それ」「あれ」「どれ」など指示語、通称「こそあど言葉」ばかりを使う人も語彙力が無いと判断されます。

「先日指示したあれを、これしてほしいんだよね」
「あれをどけておいてくれって頼んだだろ」

あまりに「こそあど言葉」ばかり使っていると、語彙力が無いを通り越して「記憶力が落ちているのでは?」「認知機能の低下か?」と別の心配をされる可能性もあります。

(3)口語表現が多い

「めちゃくちゃ」「すごい」「かなり」など、ビジネスシーンでもとっさに適切な言葉が出てこなくて、口語表現を多用してしまうと、語彙力が無いなと思われます。

距離をつめるため、またはアイスブレイクのために口語表現を混ぜる人は、前後はきちんとしたビジネスシーンで適切な表現ができます。

しかし、言葉につまった結果、口語表現ばかりが出てしまうと「そもそも表現を知らないのでは」「文章を適切に構築できないのでは」という印象になります。

語彙力は「量×質」!

日本語は曖昧で抽象度の高い表現になりやすく、意識して使わないとすぐ輪郭がボヤけてしまいます。

自信が無いと無駄に長い文章になってしまったり、「お召し上がりになられます」的な敬語の上塗りでおかしな言葉を発してしまったり……。

「超すごい」「マジで」「エモい」などの、「便利だけど感情や情景を簡略化する言葉」に慣れ過ぎると、本来どんな言葉で表現すべきかを忘れていきます。それを避けるためには言葉の量を増やすトレーニングと、適切に組み合わせて表現する質を高めるトレーニングの両方が必要です。

どちらも一朝一夕ではいきませんが、自分の良くない癖を自覚して矯正することで「伝わりやすい言葉」を追求しましょう。

(ぱぴこ)

※画像はイメージです

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