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職場にいる「本当に怖い人」とは? その特徴と対処法

小日向るり子

あなたの職場に、良い人のように見えて実は怖い人っていませんか? 仲良しだと思っていたのに、実は陰で悪口を言われていたり、信じて相談したことが他の人にも伝わっていたり……。どうしてそんなことをするのでしょうか? 心理カウンセラーの小日向るり子さんに、そんな怖い人の心理と対処法について伺いました。

毎日多くの時間を過ごす職場では、人間関係も良好でいたいですよね。しかし、距離が縮まった途端「この人もしかしたら怖い人では?」と思うような人に出会ったことはありませんか?

今回はそのような「怖い人」の特徴から心理、対処法までを解説していきます。

職場にいる「本当に怖い人」の特徴

職場の人と良好な関係を築くためには、適切な距離や態度で接することが大切です。そこを間違えて、仕事に支障が出たりトラブルに巻き込まれたりする前に、まずは本当に怖い人の特徴を知っておきましょう。

(1)人によって態度を変える

人によって態度を変える人。例えば、あいさつをしてもいつも返事が無いためドライな人という印象でいた同僚が、ある日上司の前では愛想良く振る舞っているのを見てしまった、などふとしたきっかけで判明することが多いです。

(2)人の悪口ばかり言っている

他部署の人とも交流があり顔が広い人は、その社交的な態度から好印象を持たれていることが多いです。

しかし、よく聞いていると話す内容は人の陰口ばかり。話を合わせないと自分の陰口も言われそうだと思うと、自分はそう思っていないのに、恐怖から同調してしまうことも。

(3)嘘をつく

一緒にランチに行くなど仲良くしてくれていると思ったら、「Aさんがあなたを好きじゃないって」「課長があなたの仕事の仕方はコスパが悪いと言っていたよ」など、ショックな事実を伝えてくる人がたまにいますよね。

しかしそれは嘘だったなんて判明することもあります。

(4)信頼して話したことを他者に伝える

他人に情報を流して他者の気を引くことが大好きな人も怖い人といえます。住んでいる場所や恋人について、休日の過ごし方など、その人を信頼して話していたことが全て、周りの人にも筒抜けになっていたら良い気持ちはしないものです。

そんな人は、自分との信頼関係があるからこそ話してくれたという相手の誠意よりも、その話をすることで自分が注目されることの方を優先します。

(5)プライベートにしつこく関わろうとしてくる

SNSでフォロー申請が来る、投稿にすぐ反応があるなど、プライベートで関わりを持とうとしてくる人。仕事仲間からいきなり距離を詰められると監視されているようで怖いものです。

参考記事はこちら▼

あなたや身の周りにいる人は怖いと思われている? 10の質問で診断します。

なぜそう振る舞うの? 怖い人の心理とは

では、怖い人はどうしてそのように振る舞うのでしょうか。その人が「怖い」と思われる行動を取ってしまうのは、今までの経験や思考が影響しています。その心理について解説します。

(1)損得勘定が強いため

幼い頃に「良い点を取ったら好きなものを買ってあげる」など条件付きの教育が多いと損得勘定が強くなります。

このような外からの動機付けで行動することを、心理学では外発的動機付けといいますが、これが繰り返されると、見返りが無いと動けなくなってしまうこともあります。

このタイプの人は、たとえ親しくなっても見返りが無さそうな人、例えば力の無い上司や同僚などと関係を築くことに意味を感じられないのです。

(2)自尊感情が低いから

他人の陰口ばかり言う人は、自尊感情が低い傾向があります。自尊感情とは、自分は価値のある存在だと思える感情のことです。

自尊感情が低い人はどうしても自己を卑下してしまう部分があるため、他者との比較で自己評価を上げようと試みます。そのため、悪口を言って他者の評価を下げることで、自分を少しでも価値のある存在であると考えたいのです。

(3)友人ではなくフレネミーだから

「フレネミー」とはフレンド(友人)とエネミー(敵)という言葉からできた造語です。表面上は笑顔で友人のような言動を取るのですが、自分のプライドと優位性を保つためなら平気で裏切ったり嘘をついたりします。

自分のために他人が傷つくことを何とも思いません。フレネミーとは友人という皮を被った敵なのです。

(4)承認欲求が強いため

プライベートな情報を話すことで、「私たちはこんな話をするほど仲が良いんだよ!」と周りにアピールしたい感情も考えられます。

他人にすごいと思われたい、周囲よりも上の立場でいたいという承認欲求が強いケースが主ですが、ここに「友人を独り占めしたい」という独占欲が混在してくる場合もあります。

(5)寂しがり屋で依存体質のため

仕事の仲間なのにプライベートでもしつこく関わってくる人は、寂しがり屋で依存体質である可能性が高いです。このタイプは少しでも仲良くなると相手の全てを把握したいと思ってしまうため、常に他人のSNSをチェックしていたり、すぐに反応をしてきたりします。

本当に怖い人への対処法

怖い人をどうにかしたいと思っても、職場が一緒であったりすると、関係を切ったり離れたりするのは難しいものです。そんな時は以下の対処法をぜひ参考にしてみてください。

(1)毅然とした態度で接する

あからさまに態度を変えられても、気にせず毅然とした態度で接しましょう。相手の態度や行動を変えることは難しいので、あなた自身の受け取り方を変える方がずっと簡単です。

「損得でしか人と付き合えないなんてかわいそう」と思いながら接してあげてください。

(2)陰口には同意しない

相手の話を曖昧に聞き流しても、同意していると思われる可能性があります。そういう時は、「○○さんはそう思うのですね」など、あなたは同意していないことを少しずつ伝えます。

同意をしてくれない相手には面白味が無いと感じるため、陰口を話してくることは減っていくでしょう。

(3)フレネミーとは距離を置く

フレネミーと一緒にいると疲れたり傷ついたりしてしまうので、仕事以外では距離を置く方が良いでしょう。何かに誘われたら予定があるなど、きちんと理由を付けて断りましょう。

フレネミーはプライドが高い人が多く、断られるとプライドが傷つくため向こうから離れていってくれます。

(4)相手に質問し返すようにする

自分のことを聞きだそうとする質問だと感じたら、「そうですね……○○さんはどうですか?」などと自分のことははっきり答えずに質問で返します。そうすれば情報も得られないため、噂を流されることも少なくなります。

(5)自分の価値観をはっきり伝える

「仕事とプライベートは分けたい」という価値観をはっきりと伝えましょう。必要であればSNSのフォローも理由を話して外してください。

ただ、他の人のフォローは許可していることが分かると怒らせてしまい仕事に支障が出る可能性もあります。周りの人と差を付けずに関わることが大切です。

怖い人は、実はかわいそうな人かも

今回は、職場にいる本当に怖い人の特徴と心理、対処法についてお話しました。

どうして怖い人になってしまったのか、その心理を知るとかわいそうな人にも思えてきますよね。ただ、かわいそうだからといってあなたが我慢したり、無理に関わって傷ついたりする必要は全くありません。

そういう人なのだと割り切ることも大切。良い距離感で付き合っていきましょう。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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