週5出社は必要なのか。テレワークを継続させる交渉術
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは、「出社の必要性が分からなくなった」というお悩みに、外資系OLコラムニストのぱぴこさんが答えます。
出社の必要性が分からなくなった
WEB系の企業に勤めるクリエイティブ職です。今年の4~5月にコロナ感染拡大防止のため週5でテレワークになり、意外と在宅でも何とか働けることが分かりました。
6月から会社の方針で週5出社に戻りましたが、在宅ワークよりも通勤時間やメイクに無駄な時間がかかること、出社してもしなくても生産性に変わりはないことで、出社の必要性がよく分からなくなりました。せめて週2~3出社くらいにしたいのですが、上司に何と言えば納得してもらえますか?
新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態は、強制的に日本の無意味な対面主義や通勤至上主義を是正する起爆剤になってくれて、その一点のみでは好ましいな~と思っていました。が、相談者さんの職場は、悪しき慣習に戻ってしまったとのこと。
しかも、「在宅中に問題なく働けた」となると「なぜ出社を……?」という気持ちが芽生えるのは当然です。私はまだ週5で在宅勤務中ですが、コロナが落ち着いた後も、基本は在宅で週2程度の出社を組み合わせていくのが最も働きやすいのではないか? と思っています。
「自分にとっての働きやすさ」をいかに上司に認めてもらうのか、が今回の主題です。
今こそ在宅勤務を制度化させるタイミング
不謹慎な言い方をすると、5月末の緊急事態宣言解除から1カ月経ち、再度感染者が増加している今こそ「在宅勤務を普通の選択肢とするタイミング」ともいえます。
相談者さんの会社と同じように「緊急事態宣言も解除されたし、6月から通常出社ね」と切り替えた会社は多いはずです。
しかし、結果として「職場内クラスター」という言葉ができる程度には、都内感染者の数が再度増えています。
さて、危機があるから「在宅」という選択をしたはずの会社は、この状況下で社員を通勤させることの論理的な理由を用意できるのでしょうか? 正直「何となく在宅にし、通常出社にしたからしばらくはこのまま……」という形ではないでしょうか?
では、会社側にもそれほど強い意思がない勤務形態を再度「在宅OK」にし、何なら制度化するためのポイントを考えましょう。
ポイントは「エビデンス」「人数」「リスク」
闇雲に「とにかく再度在宅を!」と言っても、上司側もすぐ「OK」とは言いづらいです。
何かしらの希望を通したい、かつそれが制度的なものの場合に必要なのは、「エビデンス」「人数」「感情」です。
具体的に見てみましょう。
(1) エビデンス:都内感染者の増加、職場クラスターの発生が続いていること
(2) 人数:在宅勤務を希望する人間が相談者さんの他にも複数いること
(3)リスク:「顧客への感染リスク」など、出社によるリスクを訴えること
(1)エビデンス
これは直近のニュースを元に話せば良いです。前述したように、現在事実として「再度の感染者数増加」が起こっています。
緊急事態宣言解除時と状況が変わっており、再度危機が高まっていることなどを、事実に基づいて話しましょう。
(2)人数
会社や上司に何かの要望を出すときは、自分一人ではなく複数人でスクラムを組んで出す! というのは交渉時の鉄則です。
相談者さんのみでは「個人の希望」ですが、チームなり部署なり全員で出せば、それは「みんなの希望」です。
(3)リスク
現在の状況下においては、「コロナに感染するかもしれない」「自分が感染源になるかもしれない」「顧客に感染させるかもしれない」というリスクは非常に大きな理由になります。やはり「会社として」の立ち位置や管理について訴えるのは有効です。
また、相談者さんが独身なのか既婚なのか、お子さんの有無は分かりませんが、「家族に感染させるかもしれない」などのリスクも理由として強いでしょう。
(2)の人数をそろえる中で、お子さんや高齢者と同居中の方もいる可能性があります。そういった「不安」もリスクとしてきちんと伝えることは重要です。
大事なことは複数回! 手を変え品を変え伝えよう
準備をして上司に意見して終わり、というわけではありません。成功率を高めるために、複数回、上司が実行に移すようにささやき続けましょう。基本的に説得は繰り返すことでうまくいきます。
最初は上司に口頭で伝え、その後メールなどの文字で再度伝える、などです。手段を変えて伝えるとより印象に残りますし、リマインドにもなります。
最初のコミュニケーションは口頭・対面の方が話しやすいと思うので、ケースバイケースで伝え方を工夫してください。
Point.
・感染リスクが高まっている今が交渉のタイミング
・3つのポイントを意識して上司に伝える
・手段を変えて複数回伝えることで、成功確率がUP!
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
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