お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

気が短いとは? 短気な人への上手な接し方

高見綾(心理カウンセラー)

職場に一人はいる「気の短い人」。そんな人にはなるべく近付きたくないものの、仕事上関わらないわけにもいかない。そんな人に向けて、気の短い人への上手な接し方を、心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいます。

「え? そんなことで?」と思うような些細なことでも、急に怒り出す人っていますよね。気が短い人が身近にいることで、ストレスを感じている人もいるのではないでしょうか。

そんな、すぐに怒り出す気が短い人には、どのような性格的な特徴や心理があるのでしょうか。

今回は、気が短い人を怒らせることなく上手に接していくための方法について紹介します。詳しく知って、今後に役立てていきましょう。

「気が短い」の意味

気が短いとは、「些細なことでもすぐに怒ってしまう性格」のことをいいます。

忍耐力がなく、我慢ができない様を表します。同義語としては「短気」、対義語としては「気長」が挙げられます。

気が短い人に見られる特徴

気が短い人に見られる性格と言動の特徴をそれぞれ紹介します。こんな人、周囲にいるのではないでしょうか?

気が短い人の性格の特徴

(1)真面目で神経質

気が短い人は、細かいことが気になる性格です。他の人から見たら些細なことであっても、本人の許容範囲を超えるとカッとなって怒り出してしまうことも。

神経質で、ちょっとしたミスも許せないことが多いです。

(2)プライドが高い

プライドが高く、自分を否定されることを特に嫌います。冗談で笑ったことでも「バカにされた」と捉えたり、異なる意見を言っただけでも「批判された」と受け取ったりすることも。

頼りにされない、相談してもらえないなどでプライドが傷つく人もいます。

(3)正義感が強い

厳格な性格で、規範意識が強いです。自分の考えが正しいと思っているので、「こうあるべき」という自分の理想や正義を他人にも強制するところがあります。

上下関係にもうるさく、目上の人を敬わないような態度を取る人には当たりがきつくなることも。

気が短い人の言動の特徴

(1)待つことが苦手

せっかちな人が多いので、何事も早め早めにやろうとします。そのため、待ち合わせ時間にのんびり来るような人や、仕事のスピードが遅い人に対してはイライラします。

自分のペースでどんどん動きたいので、飲食店やテーマパークなどの行列に並ぶことも基本的には嫌がります。

(2)マナーを守らない人にイライラする

マナーやルールを守ることに強いこだわりを持っています

運転中に、気性が荒くなる人は気が短い可能性があります。他には、ゴミの分別ルールを守らない人、行列に横入りする人など、規範意識の低い人にはイライラすることが多いです。

(3)やられたらやり返す

他人を敵と味方に分ける傾向があります。

「それは違うと思います」と意見を言われただけであっても、自分を否定された・プライドを傷つけられたと感じた出来事があれば、敵だと認定して根に持ちます

そのまま黙って引き下がることはなく、「やられたらやり返す」の精神で反撃してきます。

参考記事はこちら▼

あなたはささいなことでイラっとしやすい? 短気度を診断します。

気が短い人の心理

では、なぜ気が短くなってしまうのでしょうか? その心理についても解説します。

(1)傷つきやすいから

気が短い人は強そうに見えて実は小心者。自分を否定されたくないという思いが強いのです。

先に何か言われると傷ついてしまうので、自分を守るために先制攻撃をしかけています。

自分から勢いよく怒って威圧することで、相手からの攻撃を事前に防ぎたいという心理があります。

(2)自分にも他人にも厳しいから

頑固で、こだわりが強いです。そのため自分に厳しい努力家の一面もありますが、他人にも自分と同じように努力することを求めます。

自分の考えが正しいと思っていて、「こうあるべき」を他人に押し付けるので、思い通りにいかないときにイライラしやすいです。

(3)忍耐力がない

一般的には、自分の思い通りにならないときは、自分の感情と折り合いを付けていくものです。

ところが気が短い人は、感情を上手に扱うことが苦手で、怒りを抑えることができません。何事も早く白黒付けたいと思ってしまい、粘り強く取り組んで結果を待つような忍耐力がありません。

気が短い人と上手に接する方法

このような気の短い人と接するのに苦手意識を持っている人も多いはずです。

ここでは、気が短い人と上手に接する方法を5つ紹介しますので、ぜひ実践してみてくださいね。

(1)地雷を踏まないようにする

まずは、気が短い人をよく観察して、地雷がどこにあるのかをあらかじめ見つけておくこと。その人が何に価値やプライドを置いているのか、どんなことに反応するのかを見て、危ないところには触れない、または否定しないことが大切です。

相手が持つこだわりを尊重する姿勢を持つと、むやみに怒らせることなく穏やかに接することができます。

(2)相手の意見をまずは受け止める

仕事でもプライベートにおいても、気が短い人が言ったことには、まず「そうですね」と受け止めてあげることで、怒りに火を付けずに済みます

相手の意見を聞いたときに、すぐ「いや、そうじゃなくて私はこう思います」と続けると、気が短い人は自分のことを否定されたと思って怒り出します。反論したいときでも、ワンクッションを置いて相手の意見を一度肯定することでかなり印象が変わります。

(3)冷静に毅然とした態度を取る

気が短い人は、実は気が小さいので、誰に対しても怒りをぶつけているわけではなく、自分より弱い立場の人を無意識のうちに選んでいます

怒られたことに動揺していると、ますます怒りに火を付けてしまうことになるので、冷静に毅然とした態度を取ってください。理不尽に怒られた場合は、論理的におかしい理由を淡々と説明するとトーンダウンします。

(4)長所を見つける

気が短い人に対しては怖いイメージを持ってしまうものですが、仕事などで接する必要がある相手であれば、なるべく長所を見つけてみようと思ってみるといいですね。

「〇〇さん、こういうところすごいですよね」と伝えてあげると、相手からの印象も良くなります。

気が短い人は周りの人からも敬遠されがちなので、実は寂しさを抱えていることも多いのです。でも、プライドが邪魔をして寂しいとは言えないので、そんな自分を理解してくれる人に対しては好意的に接してくれるようになります

(5)適度に受け流す

相手が自分とは関係がない理由で不機嫌になっているときには、過度に気にせず放っておくのがいいですね。「何とかして機嫌を取らなければ!」と思う必要はありません。腫れ物に触るように接すると、相手の罪悪感を刺激してしまいます。

気が短い人が文句を言っていても、「へ~」「そうなんですね~」と相づちを打って適度に受け流しておきましょう。相手の怒りに巻き込まれないように、自分は自分の機嫌を取ることが大切です。

まずは相手を受け止める姿勢を大切に

気が短い人は、せっかちな性格で自分にも他人にも厳しいです。すぐ怒るので怖いイメージを持っている人も多いですが、実は小心者で傷つきやすく、寂しがりやな一面も。

プライベートであれば距離を置くことができますが、仕事で関わる必要があるときは、気が短い人が何で怒るのかよく見極めておきましょう。

会話の際は「そうですね」と、相手を一旦肯定することで、穏やかに付き合っていくことができるはずです。

(高見綾)

※画像はイメージです

SHARE