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どうすればいい? イライラした時の対処法

高見綾(心理カウンセラー)

ああ、イライラする! 怒りが収まらない! 皆さんにも身に覚えがある感情ではないでしょうか。そんな時は一体どうしたらいいのでしょう。イライラした時の対処法を心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいました。

急に湧き上がってくる怒りやイライラ。この感情にどう対処したらいいのか困っている方も多いのではないでしょうか。

私たちはなぜイライラするのか、その原因を解説し、気持ちを落ち着ける方法を紹介します。イライラしない人になるにはどうしたらいいのか、心理学の観点から考えていきましょう。

イライラするのはなぜ?

私たちはなぜイライラするのでしょうか。主に3つの原因が考えられます。

(1)自分の思い通りにならなかった

例えば、仕事の引き継ぎをしたばかりの後輩が突然会社を辞めたら「せっかく教えたのに無駄になった」とイライラしてしまいますよね。引き継いだ仕事が自分の元に戻ってきて、新しい仕事に着手できなくなることも……。

こんなふうに、自分の思い通りにならなかった時、私たちはイライラします。

(2)自分のルールに反することを相手がした

私たちは自分の価値観やルールに反することを相手がしたときイライラします。

例えば、仕事をサボる人にイライラするのは、「仕事は嫌でもやるものだ」という自分のルールをその人が破っているからです。

(3)罪悪感を刺激された

また、私たちは罪悪感を刺激されたときにもイライラします。

例えば、「誰かいい人はいないの?」と親から結婚を急かされた時に嫌な気分になるのは、まだ自分が結婚していないことに無意識のうちに後ろめたさを持っていて、その罪悪感が刺激されるからです。

【イライラ度診断】現在のイライラ度はどのくらい?

心理カウンセラーが教える気持ちを落ち着ける方法

では、こうしたイライラを落ち着けるには、どんな方法が有効なのでしょうか。

(1)その場を離れる

イライラした時はすぐにその場を離れましょう。

職場であればトイレに立ったり、お茶を淹れに行ったりするといいですね。

同棲中の彼氏とけんかした時は、別の部屋に移動するなど、相手の顔が見えないところに行くと、クールダウンできます。

(2)お風呂に入る

イライラしている時は、体が緊張して硬くなっています。お風呂に入って温まると、血行が良くなって、全身が緩み、リラックスできます。

何も考えずにお風呂の中でぼうっとすることで、イライラをリセットすることができるでしょう。

(3)歌う

声を出すことにはストレス発散効果があります。

お気に入りの歌を口ずさんだり、カラオケに行って思いきり歌ったりするといいでしょう。

(4)客観的に自分を見る

怒っている自分をもう一人の自分が見ているという状況をイメージすると、客観性が出てイライラにのみ込まれにくくなります。

「私、今すごくイライラしている」と、声に出して言うのも効果的です。

(5)温かい飲み物を飲む

温かい飲み物を飲むと、体が温まり、リラックスできます。お気に入りのカップで飲みましょう。

いつもより丁寧にお茶を入れれば、イライラから意識をそらすことができます。

(6)運動する

イライラした時は体を動かすとリフレッシュできます。

運動する時間がない場合は、エレベーターではなく階段を使うようにしたり、歩くスピードを速くしたりするだけでも効果的です。

イライラしている時にやってはいけないNG行動

上記のようにイライラを鎮める方法がある一方で、逆効果になってしまうNG行動もいくつか存在します。具体的にどんなことを避けた方がいいのでしょうか。

(1)暴飲暴食

ストレスがたまると食べて解消したくなるものですが、根本的な解決にはなりません。

食べ過ぎて気持ちが悪くなったり、お酒を飲み過ぎて二日酔いになったりして、自己嫌悪に苛まれる場合もあるので逆効果です。

(2)自傷行為

自傷行為とは、髪の毛を抜く、爪を噛む、体をかきむしるといった、自分の体を傷つける行為のこと。一度やると癖になるので、絶対にしないように気をつけましょう。

(3)人や物に当たる

イライラしているからといって、まわりの物を投げて壊したり、人に暴言を吐いたりすると心が余計に荒んでしまうのでよくありません。

特に人に当たると、その後の関係が悪くなる可能性がありますので要注意です。

(4)重要なことを判断する

イライラしている時は冷静な判断ができなくなります。

そんな時に、重要なことを決めようとすると、いつもの自分ではしないような判断をしてしまう可能性があります。落ち着きを取り戻してからじっくり考えるようにしましょう。

(5)自分を責める

イライラしている時に一番やりがちなことは「こんなことでイライラする自分は優しくない人間だ」と自分を責めることです。

自分を責めても問題は解決しません。精神的に不安定になって負のスパイラルに入りやすくなりますので要注意です。

日頃からイライラしない人になるには?

日頃からイライラしない人になるにはどうしたらいいのでしょうか。最後に、そのコツをいくつか紹介します。

(1)リラックスする時間を意識的に設ける

私たちは忙しくて心に余裕がない時、ちょっとしたことでもイライラしてしまうものです。

ストレスはどんどん蓄積してしまいます。毎日の生活の中で10分でもいいのでリラックスする時間を意識的に設け、その日のイライラはその日のうちに解消することを心がけましょう。

(2)他人には他人の価値観やルールがあることを受け入れる

私たちは自分の価値観やルールを当たり前のように感じていますが、他の人にとってそれは当たり前ではないことが案外多いものです。

他人には他人の価値観やルールがあることを受け入れましょう。

私たちが「ありのままの自分を受け入れてほしい」と思っているように、相手も同じように思っているものです。

「普通はこうでしょ!」と自分の価値観やルールを押し付けるのではなく、「この人は何でこんなことをするのだろう?」「どういう考えがあってこうしているのかな?」と、自分と他人の違いを理解する方向にエネルギーを注ぎましょう。

(3)自分が何にイライラしやすいのかを把握しておく

自分が何にイライラしやすいのかを把握しておくことも大切です。あらかじめ心づもりができます。

(4)本心を話す

自分の本当の気持ちを口に出し、怒り以外の感情でコミュニケーションが取れるようになるとイライラせずに済みます。

例えば、親から結婚を急かされた時は「気にかけてくれてありがとう。私も結婚したいと思っているんだけど、なかなかいい人に出会えないんだよね。だからもう少し待ってね」「心配してくれてありがとう。でも結婚したいとはまだ思っていないんだよね。私の人生のことは自分で考えるから大丈夫だよ」といったふうに、冷静に思いを伝えてみましょう。

他人と自分は違うということを理解しよう

私たちが一番イライラするのは自分の価値観やルールから外れた出来事が起こった時。自分の考えが絶対ではないことを受け入れ、他人と自分の違いに興味を持つように心がけましょう。

その日のイライラはその日のうちに解消することを心がけ、心の余裕を持つようにしたいものです。

(高見綾)

※画像はイメージです

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