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危機管理能力が高い人が持つ特徴。向上させたい人へのヒント

トイアンナ

危機管理能力の意味を知っていますか。社会人としてこれが欠如しているとまずいようです。逆に危機管理能力が高い人は何が違うのでしょうか。元外資系企業勤務のコラムニスト・トイアンナさんに詳しく教えてもらいました。

危機管理能力、持っていますか? 夏休みの宿題を計画的にこなしたり、トラブルが起きても落ち着いて対処したり……。

そんな危機管理能力がなくて困った経験のある筆者が、なんとか社会生活を送るために身に付けた危機管理能力を上げるコツを、あなたへお届けします。

「危機管理能力」という言葉の意味とは?

危機管理能力とは「損害をなくす人」のこと。50万円の売上を作れる人と、ミスに事前に気が付き50万円の損失を防ぐ人は、同じ価値を会社にもたらしています。

ですから、会社には売上を増やす人と、損害を減らす人の両方が必要ですし、理想的には損害を減らしつつ売上を作れる人が望まれるでしょう。

ですが、この2つは相反しやすいスキル。ガツガツ仕事を取ってこられる人ほど、うっかりさんは多いものです。

危機管理能力が低い人の特徴

では、危機管理能力が低い人はどういった行動をとってしまうのでしょうか。

ここまでに経験した、筆者の失敗談を列挙いたします。

危機管理能力が低い人は、まず動く

長所でもあるのですが、危機管理能力が低い人は考える前に動きます。動いてからトラブルに直面し、解決すればいいやと考えるのです。

当然ながらトラブルは多発しますし、致命的なトラブルで積み上げたものが無に帰すことも少なくありません。

危機管理能力が低い人は、課題を泣きながらこなす

宿題であれ、仕事であれ……面倒だなと思ったら後回し。最終日近くなって「あれ!? まだ終わってない!?」と泣くことになる。

これが危機管理能力が低い人に最も多い“あるある”話でしょう。

危機管理能力が低い人は、火事場の馬鹿力を信じすぎる

そして、危機管理能力が低い人ほど「最終日になんとかした」経験を積んでいます。そして、次回以降も「最終日になんとかすればいいや」と後回しにする負のサイクルを繰り返すのです。

しかし、火事場の馬鹿力は体力に依存しているため年齢と共に衰えますし、風邪をひいてしまうなど、ちょっとしたアクシデントがあればすぐダメになる技。そのため、最終的には大きなトラブルを引き起こします

危機管理能力が低い人は、失敗したら自分を責める

意外かもしれませんが、危機管理能力が低い人ほど失敗したとき自分を責めます。

「わたしはダメだ。こんなに危機管理能力がないなんて……」と自己嫌悪に陥り、そのまま学ばずに元気を取り戻してしまうのです。

失敗したとき「どうせわたしはダメなんだ」に原因を帰結させると、学ばずに失敗を繰り返してしまうのです。

危機管理能力が高い人の特徴

ここからは、危機管理能力が高い人の特徴を見ていきましょう。

危機管理能力が高い人は、確認するまで動かない

危機管理能力が高い人は、仕事を引き受けるときに「待ってください。確認させていただきたいことが……」といつまでも食い下がります。

これをうざったいと思う同僚もいるかと思いますが、その代わりに提出物は完璧にしようとするのです。

危機管理能力が高い人は、全体図を理解するまで動かない

課題を与えられたとき、危機管理能力が高い人はまず全部の工程を描きます。そして全体図が見えるまでは、ひとつめの仕事に着手しません。

周りが走り出したときにじっと考えているタイプこそ、危機管理能力が高い方です。

危機管理能力が高い人は、失敗を前提に行動する

危機管理能力が高い人は、自分も他人も信じていません。「全員がインフルエンザで倒れたら、このプロジェクトは終わるぞ」なんて、最悪の想定をいつも立てています。

だからこそ、いざ悪夢が現実のものとなっても動じないのです。

危機管理能力が高い人は、失敗の原因をシステムに求める

最後に、危機管理能力が高い人は、仕事で失敗しても「自分のせい」「誰かのせい」と属人的な結果を求めません。その代わりに「どのプロセスを直せば今度はうまく回るだろう?」と仕組みに原因を求めます。

例えば、大事な電話を取り損ねてしまったとしても、「わたしがぼんやりしてたから……」とは思わず次から「ワンコール鳴ったら必ず手を受話器に置けばいい。受話器を取るべき電話かどうかはそれから目線を内線一覧にやればいい」と、やり方を変えるのです。

危機管理能力は必要? 危機管理能力を向上させるには

では、危機管理能力はすべての人に必要でしょうか。わたしはやや懐疑的です。

危機管理能力が低い人には、真っ先に動ける強みがあります。理想的には、危機管理能力が低い人が営業など前線を任され、危機管理能力が高い人が「ちょっと! それはウチ的にダメですよ!」と引き留め役として後方の職場で活躍すべきでしょう。

ですが、最低限の危機管理能力がないとどんな部署でも壊滅します。

ですから危機管理能力が「ゼロ」だと感じた人は、ぜひ失敗をしたとき「次からどう仕組みを変えるか」に意識して、改善リストを作ってみてください。

危機管理能力は生まれ持った性質も関係しますから、能力が低いからといって責めることはありません。ただ、行動パターンを変えるだけで十分です。

もし、今の部署で危機管理能力が必要とされており、かつ自分にそのスキルが不足しているなら……異なる職種への異動や転職も視野に入れてみてくださいね。

(トイアンナ)

※画像はイメージです

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