「寂しい助けてほしい……」という気持ちを救う8つの方法
「寂しい。誰か助けてほしい」そう思う夜を経験したことがあるのではないでしょうか。そんな寂しさを乗り越える方法を、心理カウンセラーの高見綾さんに教えてもらいましょう。きっと心が救われます。
ふとしたきっかけで急に寂しさが襲ってくることってありますよね。そんなときはどうしたらいいのでしょうか。
今回は寂しい気持ちが生まれるメカニズムや、寂しいと感じやすい人の特徴を解説します。
寂しい気持ちを乗り越えるための対処法も詳しく紹介しますので、自分の気持ちと上手に付き合っていくために参考にしてください。
寂しい気持ちが生まれるメカニズム
周りの人との精神的なつながりが感じられないときに、私たちは寂しいと感じます。
もともと、私たちが母親のお腹の中にいたときは、母親と一体になっていました。それが生まれたときに初めて分離を経験します。このとき感じ始めるのが「寂しさ」だといわれています。
また、ひとりでいるときの寂しさは簡単に想像できますが、私たちは大勢の人と一緒にいるときにも寂しさを感じます。職場で人に囲まれているとき、パートナーと一緒にいるときも、つながりがないように感じられると寂しくなるのです。
誰も自分のことを理解してくれていないと思ったり、興味を持ってもらえないと思ったりすると、一層寂しくなります。そして、寂しいと思う感情は抑圧しているとどんどん膨れ上がっていきます。
そのほかにも、元彼の名前を不意に聞いたときに当時の悲しい記憶がよみがえるように、以前感じた寂しさが今ふとしたきっかけで出てくることもあります。
私たちは誰かを愛しているときや、誰かの役に立とうとしているときは、つながりを感じられるので寂しくはならないものです。ですが、愛してもらいたいと待っているときは、思うように愛をもらえないことに言いようのない孤独を感じます。
寂しいと感じやすい人の特徴
誰しもが寂しい気持ちを抱くことはありますが、中でもそんな気持ちを抱きやすい人がいます。そんな、寂しいと感じやすい人の特徴を4つ紹介します。
(1)自分に自信がない
自分に自信がないと、嫌われることが怖くて人と積極的にかかわることに抵抗感が生まれます。自分で自分のことを肯定してあげることができないので、人から認めてもらいたいという気持ちが強まり、心が満たされず寂しい思いをすることが多くなります。
(2)愛されたい気持ちが強い
自己肯定感が低かったり自己否定が強かったりすると、ダメな自分を愛してもらいたいと思います。しかし、他人が自分の思い通りに愛してくれることはなかなか難しいので、いつも不足感を抱えます。
このように、「人から何かしてもらいたい」という気持ちが強い人は寂しさを感じやすいといえます。
(3)人付き合いが苦手
人付き合いに苦手意識がある人は、素の自分を見せることが怖いので無意識のうちに人との間に壁をつくります。
周りの人と普通に会話していても、本音をしゃべらないので、心の交流がありません。心が通う感覚がないと、満たされないので寂しさを感じやすくなります。

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(4)理解者が身近にいない
自分のことを理解してくれる相手や、自分の気持ちを素直に話せる相手が身近にいない人は、寂しさを感じやすくなります。
理解者の存在は、安心感そのものです。安心できる場所がないと精神的に不安になりやすいでしょう。

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寂しい気持ちをひとりで乗り越える方法
では、そうした寂しい気持ちを自分ひとりで乗り越え、克服するにはどうすればいいのか。方法は4つあります。
(1)誰かとつながりたいと思っていることに素直になる
寂しさは、あまり抱きたくない感情ではありますが、悪いものではありません。私たちは寂しいと感じるからこそ、誰かとつながりたいと思えるのです。
寂しい自分が嫌、と自己否定する必要はありません。なんとかしようと焦らずに、「あぁ、私は今、寂しいんだな」と、ありのままに受け入れましょう。
(2)たっぷり寝る
考える時間がたっぷりあると、目的もなくネットサーフィンをしてみたり、あれこれと悩んで余計にネガティブな発想に陥ったりしてしまうものです。
もし夜に寂しい気持ちが出てきたときには、さっさと寝てしまうのがオススメ。眠っている間に、脳は記憶を整理してくれるので、朝起きるころには、案外スッキリしているかもしれません。
(3)植物や動物などを愛でる
私たちは何かを愛そうとしているときには、寂しいと感じないものです。
お花を買ってきて水やりをしたり、観葉植物のお世話をしたりするだけでも、心がホッとするはず。
ペットがいる場合はペットと遊びましょう。いない場合は、道端にいる猫に、にっこり微笑みかけるのでもいいでしょう。猫カフェやふれあい動物園などにいって、かわいがるだけでも心が愛で満たされます。
(4)スマホの写真を眺める
写真は、基本的に自分が好きなものしか撮りません。なので、あなたのスマホの写真フォルダには好きなものがいっぱい入っているはずです。
ポチポチと眺めていくと、「あ、このときご飯食べて美味しかったなぁ」「この場所綺麗だったよね」など、楽しい思い出に心が満たされるでしょう。
寂しい気持ちを誰かと乗り越える方法
「ひとりでは乗り越えられない……」そう思うなら、誰かに手伝ってもらうのもいいでしょう。
(1)「寂しいんだ」と素直に話す
寂しいという感情は、抑圧すると余計につらくなります。周りの人に「寂しいんだよね」と素直に話すだけでも、自分の内面と言葉が一致するので心が楽になります。
自分の気持ちは周りの人に案外伝わっていないことが多いもの。状況を知っておいてもらうだけでも安心しますし、話したことでその後気にかけてくれる人もいるでしょう。
(2)家族や友人に連絡する
家族や友人にあえて連絡してみることで、つながりを確認でき安心するはずです。
もし可能であれば直接会うのが一番です。実家に帰ったり、久しぶりの友人とお茶をしたりすることで、徐々に寂しさが和らいでいくでしょう。
(3)人を褒める
自分ばかりに意識が向いていると余計につらくなります。意識を外に向けていくことができると、思いのほか楽になります。
そのために一番簡単な方法は人を褒めること。「そのバッグかわいいですね」「〇〇さん優しいですよね」と褒めると、きっと笑顔が返ってくるはず。その様子を見て自分もうれしくなりますし、「いや、〇〇さんも素敵ですよ」と褒め返してくれる人もいるかもしれません。
(4)誰かの役に立つちょっとしたことをする
人から何かしてもらおうと思っていると、寂しさは増幅しますが、自分が人に何かしてあげようと思っているときは心が満たされます。誰かの役に立つ自分には、価値を感じられるからです。
忙しそうな同僚の代わりに、コピーを取ってあげるだけでもいいですし、電車の席を譲るだけでもOKです。
寂しい気持ちを生み出さないコツ
最後に、寂しい気持ちを生み出さないコツをお伝えします。
(1)ネガティブな感情もちゃんと認める
ネガティブな感情が沸いてきたときに、その気持ちをなかったことにしないでください。「私はこんな気持ちでいるんだな」とちゃんと認めていくことができると、自分で自分のことを肯定することに繋がります。
すると、心が満たされるので寂しさを感じにくくなります。
(2)人間関係の幅を広げていく
交友関係が職場の人だけになると、職場で嫌なことがあったときにつらくなります。
職場と趣味と学生時代の友人と……というふうに、複数の交友関係をつくりましょう。自分の居場所がいくつかあると、心に余裕が生まれます。
(3)好きなことをたくさん見つける
好きなものがたくさんあると、ポジティブな感情が生まれるポイントが多くなり、寂しい気持ちを抱きにくくなるでしょう。
人でも物でも習い事でもなんでもいいので、日ごろからアンテナを立てて、自分の感性が「YES!」というものを見つけていきましょう。
寂しい気持ちも必要なもの
ふとした瞬間に猛烈に寂しくなるときってありますよね。寂しくなるのは恥ずかしいことではありません。寂しさがあるからこそ、私たちは周りの人とつながりたいと思うのです。
寂しいと思う気持ちを認めて落ち着いてきたら、意識を外に向けましょう。意外かもしれませんが、自分から愛を与えようという意識で行動すると、寂しさは感じなくなります。ちょっとしたいいことをするだけで感覚が変わってきますよ。
(高見綾)
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