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あなたを成長させる「自信喪失」からの回復法

高見綾(心理カウンセラー)

「私はダメな人間だ……」そんなふうに、自信喪失してしまうことはないですか? 今回は、自信をなくしてしまった場合の回復法や、ストレス耐性をつける方法を心理カウンセラーの高見綾さんに解説してもらいます。

自信喪失した経験は誰でも一度はあると思います。落ち込んで自分がダメなように感じてしまうときもありますよね。

今回は、自信喪失する原因やその回復法を詳しく解説します。

できれば傷は浅く済ませたいもの。うまくいかないことがあっても立ち直りを早くするために、日ごろからできるオススメの習慣も紹介します。

自信喪失とは?

自信喪失とは、「自分の能力や価値がないのではないか」と感じて自信をなくすことをいいます。

例えば、資格試験に合格できなかったときに「あんなに必死にやってもうまくいかないなんて」「ほかの人は合格してるのに自分はなんてダメなんだ」と自分の力のなさを痛感します。

また、家族仲が悪かったり職場でも人間関係がうまくいっていなかったりすると「私は誰も喜ばせることができない」と感じ、存在価値が根底からぐらついてしまうことも。

自信喪失すると、多くの人は「自分がダメだからだ」と責めます。気力が失われて何もしたくなくなったり、目の前の現実から逃げ出したくなったりもします。

そこでリフレッシュできれば徐々に回復していきますが、自分を責め続けているとダメージが広がり、回復が遅れます。

自信喪失してしまう原因

では、私たちはどうして「自信喪失」してしまうのでしょう。原因を5つ紹介します。

(1)周りと比べて自分が劣っていると思ったとき

人目を気にしてしまうタイプの人は、同僚や友人など身近な人が自分よりも優れていると感じたときに、自分には価値がないような気持ちになります

例えば、同僚のほうが自分より営業成績がいい、同僚のほうが先輩や上司からかわいがられている、友人は素敵な彼氏がいて毎日充実しているなど、周りの人にはあるのに自分にはないと感じたときに落ち込みます。

(2)頑張っても目標を達成できなかったとき

自分なりの努力を重ねてみても、越えられない壁にぶつかったとき、私たちは大きな挫折感を味わいます。

今まで積み上げてきた自信がガラガラと崩れ落ちるような衝撃を受けるとともに、これ以上どうすればいいのかわからず無力感に苛まれます。

結果が出なければ意味がないと考えてしまうと、余計に自分の頑張りを認められないので自己否定の気持ちを抱えてしまいます

(3)人間関係がうまくいかないとき

職場の人間関係が自信喪失の原因になることも

例えば後輩や部下から不満を持たれてしまうなどして、上司から「うまく管理できていない」「もっと上手にやれないの?」と注意されるなど。自分の能力に自信を失ってしまうこともあるでしょう。

また、先輩や上司が自分にだけ厳しい態度を取ってきたり、嫌味を言ってきたりすれば、「なんで私だけ?」と自分の存在価値がぐらつくことも。

(4)誰からも必要とされていないように感じたとき

職場でもプライベートでも仲が良いといえる人がいないなど孤独感を抱えると、誰からも必要とされていないように感じるものです。

「自分は誰にも受け入れてもらえないのか……」と思うと、存在価値の根本が揺らいでしまいます。私たちは社会的なつながりを求める生き物なので、つながりのない状態は大きな自信喪失の原因になります

(5)頑張っても認めてもらえなかったとき

私たちは程度の差はあれ承認欲求を持っています。

頑張って企画をつくったのに、上司や取引先から「こんなの全然ダメ」と一蹴されたりすると、頑張ったぶんだけ失望も大きくなるものです。

「よく頑張っているよね」と少しでも労いの言葉があれば、また頑張ろうと思えるものですが、まったく認めてもらえない状況にあるとやる気が失われてしまうことも

自信喪失から立ち直る方法

そんな、自信を喪失した状態から立ち直るにはどうすればいいのかお伝えします。

(1)何も考えずに休む

「どうしてこんなことになったんだろう」「何がダメだったんだろう」と考えたくなるものですが、落ち込んでいるときに考えても良いアイデアはひらめかないものです。

「まあいいや!」と思って、まずは何も考えずにゆっくり休んでしまうのが一番。たっぷり睡眠を取ったり、緑のある公園などに散歩に出かけたりしましょう。自信喪失した出来事とは距離を置くことが大切です

(2)無理にポジティブになろうとしない

自信喪失しているときは、自分を責めています。そんなときに前向きになれないと「グズグズ悩む自分はダメだな」とさらに追い打ちをかけてしまうことに。

「あんなことがあったんだから、そら落ち込むわ!」と軽く受け止めて、「まあ落ち込んでもいいや」と思いましょう。無理にポジティブにならなくてもいい、とワンクッションを入れるだけでも、安心して落ち着いてきますよ。

(3)信頼できる友人に話してみる

自分だけで悩み続けると、余計に傷が深くなってしまうことがあります。しんどいなと思ったら、信頼できる友人に「ちょっと話聞いてくれない?」とお願いしてみましょう。

自分の思いを言葉にすることで気持ちが整理されますし、「そんなことがあったんだ、それは凹むよね」と受け止めてもらえるだけでも心が楽になります。

(4)今やるべきことを考える

前述した方法で気持ちが落ち着いてきたら、次は、自分がやるべきことを冷静に考えましょう。力不足であるならば、今よりできるように努力することが必要かもしれませんし、人間関係に問題があるなら、自分を振り返って振る舞いを変える必要があるのかもしれません。

小さなことからでいいので、今日から何ができるかを考えて、コツコツ実行していきましょう。

(5)得意なことを伸ばす

自信喪失した出来事は、もしかしたら自分の苦手分野だったかもしれません

ひとつできないことがあると、全部がダメなように感じてしまうものですが、本来の人間は得意なこともあれば不得意なこともあるはずです。

自分の得意なことを伸ばすように意識してみると、「この分野はできる」と自信が回復するでしょう。

ストレス耐性をつけるには

最後に、自信喪失したときに降りかかるストレスに、対応する力をつける方法をご紹介します。

(1)物事の良い面を見る習慣をつける

根本的な自分の価値に揺るぎない自信があれば、自信喪失するような出来事があっても、表面的な落ち込みだけで深い傷にはならないものです。

自分のコアな部分に自信を持つためには、いつも物事の良い面を見ていくこと

自分のことも「今回はここがダメだったけど、こんないいところもあるよね」と、良い面を見つけます。落ち込む出来事があっても、「これをきっかけに変えていけば、もっと良くなるかもしれない」と捉えてみるなど、見方を変える習慣をつけましょう。

(2)「ま、いいや」と口に出す

自分に厳しい完璧主義の人は、無意識のうちに高いハードルを設定しており、それがクリアできない自分を責めるので、自信喪失しやすくなります。

ストレス耐性をつけるには、ハードルを下げて自分に優しくすることが大切です。何か失敗したことがあっても「ま、いいや! しょうがないもんね」と口に出すことで、気持ちが随分と軽くなるはずです。

(2)つながりをつくっておく

落ち込んだときにひとりぼっちだと、余計にダメージが深くなります。日ごろから、心のうちを話せる友人など、つながりをつくっておくと心強いです

「何かあったら〇〇ちゃんや〇〇さんに聞いてもらえばいいや」と思えると、失敗を恐れることなくチャレンジしていけるでしょう。

落ち込んだぶん成長できる

自信喪失したときは、落ち込みますし精神的に本当につらいものですが、自分に足りないところに気づけるチャンスでもあります。

まずはゆっくりと休んでリフレッシュし、心を落ち着けましょう。自分に寄り添い冷静になれたら、今できることに集中できるはず。

一度落ち込んでも、回復してもう一度立ち直ることができたら、そのときには一回り成長しているはずですよ。

(高見綾)

※画像はイメージです

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