神経質な人の特徴とは? 原因と悩まないためのコツ4つ
神経質とはどんな性格? 神経質な人の特徴や原因を心理カウンセラーの笹氣健治さんが解説。向いている仕事を紹介しながら、性格に悩まないためのコツを伝えます。
「神経質な性格」と聞くと、あまり良くないイメージを持つ人が多いかもしれません。
そもそも神経質な性格ってそんなに悪いものなのでしょうか? どうしてイメージが良くないのでしょうか?
このコラムでは、「私って神経質かも」と悩んでいる人のために、今後どう対処していけばいいかのヒントをお伝えしたいと思います。
そもそも「神経質」とは?
まずは、「神経質」という言葉の意味を確認していきましょう。
神経質の意味
「神経質」を辞書で引くと、以下のように説明されています。
しんけい・しつ【神経質】
(1)過敏または繊弱を特徴とする心的性質。性格特徴の一つ。
(2)こまごまと気に病むたち。またそのさま。(『広辞苑 第七版』岩波書店)
「神経質」とは、過敏な性質を持っていて、精神的に安定していない態度を意味します。
つまり、気にしなくてもいいような細かい部分まで気にする性格のことだといえるでしょう。
神経質とは、気にしなくてもいいような細かい部分まで気にする性格のことをいいます。
例えば、身の回りのものを常にしっかり整理整頓する。自分の部屋にホコリが落ちているのは我慢できない。台所や洗面台などの水滴は必ず拭き取る。衣類をしわが寄らないようにぴっちりきれいにたたむ。仕事では、見た目のきれいさを追求して細部にこだわって資料作成し、誤字脱字や計算間違いのないように何度も何度も見直しするなど。
このように、神経質な人は周りから「そこまでやるか」と思われるくらい、きめ細かな行動をします。
「神経質」を言い換えると? 類語表現
神経質な態度を表す言葉としては、以下などが挙げられます。
・苛立たしい
・そわそわしい
・気難しい
・せわしない
・気忙しい
・過敏
神経質って悪いこと?
神経質にはあまり良くないイメージを持たれがちですが、周りの人に損害を与えているわけではなく、むしろキッチリしていて生真面目な態度は模範的な社会人だといってもいいはずです。それなのにネガティブに捉えられてしまうのは、こだわりが強すぎることが鼻につくからかもしれません。
人間はすべてにおいてキッチリすることができないので、多くの人はある程度妥協しながら生きています。それに対して神経質な人は、妥協せずにこだわりを貫こうとします。
そんな行き過ぎた態度を見ると、そうでない人間はついウンザリしてしまうのでしょう。
神経質な性格になる原因
神経質な性格のベースにあるのは、完壁主義です。
ミスなく正確にきっちりやりたいという意識が強いため、細かいところまでこだわってしまう態度が神経質な性格として表れるのです。
完壁主義になってしまうのは、親の性格を受け継いでいたり、周囲の神経質な言動に感化されて育ったりした可能性が考えられます。
きっちりやろうという姿勢は、物事を成し遂げるためにはとても重要な要素ですが、行き過ぎると日常生活や人間関係で支障が出てくることもあります。
時と場合によって適度に調整できるようになることが課題だといえるでしょう。
【ケース別】神経質な人の特徴とは?
神経質な人には具体的にどんな特徴があるでしょうか? いろいろなシーンで神経質な人が取る行動の例をいくつか挙げてみます。
ケース1:通勤の時
毎日同じ時刻に起床し、家を出る時刻も同じ。決まった発車時刻の電車の決まった車両に乗り、車内で立つ位置も同じ場所。イレギュラーな事態によって少しでも狂いが生じると不安で落ち着かなくなります。
Check! まとめチェックリスト
・毎日同じ時刻に起床する
・毎日同じ時刻に家を出る
・いつも決まった発車時刻の電車に乗る
・いつも決まった車両に乗る
・電車内で立つ位置はいつも同じ
ケース2:仕事をする時
その日の計画をしっかり立て、その通りに行動。資料を作成する際は、レイアウト・フォント・行間など全体の統一感にこだわった美しい資料を作るなど。もちろん自分のデスク周りはいつもきれいに整理整頓されています。
Check! まとめチェックリスト
・1日の仕事計画をしっかり立てて遂行
・資料はレイアウト・フォント・行間の統一感にこだわる
・デスク周りはいつもきれい
ケース3:買い物をする時
購入リストをあらかじめ作成し、最短の動線で効率的に商品をカゴに入れていく。成分表示もしっかりチェック、こだわりの商品以外は少しでも価格の安いものを選ぶ。小銭のお釣りはなるべくもらわないように、1円単位できっちり支払うようにします。
Cheack! まとめチェックリスト
・買い物時は購入リストを作成する
・最短の動線で効率的に商品を探す
・商品の成分表示はしっかりチェック
・こだわりの商品以外は少しでも安いものを選ぶ
・会計は小銭のお釣りがでないよう心がける
ケース4:料理をする時
レシピ通りに食材や調味料の分量を正確に計り、調理時間もタイマーできっちり測って手順通りに料理。賞味期限は絶対守ってしっかり消費します。
Cheack! まとめチェックリスト
・食材、分量、調理方法は毎回レシピ通り
・調理時間はタイマーできちんと測る
・賞味期限は絶対守る
ケース5:物の貸し借りをする時
基本的に自分の持ち物を他人には貸しません。雑に扱われて汚くされるのが何より嫌なのです。貸さない代わりに借りることもしないのは、他人が使ったものは使いたくないからです。
Check! まとめチェックリスト
・他人に持ち物を貸さない
・他人が使ったものは使いたくない
ケース6:外出時
外ではマスク着用、帰宅時の手洗いとうがいは念入りに、服にはしっかり消臭剤を吹きかける。雑菌やウィルスが気になると電車の手すりが握れなくなります。
Check! まとめチェックリスト
・外出時はマスク着用
・外出後の手洗いうがいは欠かさない
・外出後は服に消臭剤を吹きかける
・雑菌が気になって電車の手すりが握れない
ケース7:自分の部屋の中
衣類の小さなシワや汚れが気になるので洗濯やアイロンは念入りに。乾いた洗濯物はきっちりたたんでタンスにすぐしまい、本や雑誌は読み終えたらすぐに棚に収納。掃除は毎日欠かさず、ゴミの日は絶対に忘れない。部屋の中は常にきれいな状態を維持しています。
Check! まとめチェックリスト
・衣類は念入りに洗濯やアイロンがけをする
・洗濯物はすぐにたたんでしまう
・本屋や雑誌は読み終えたらすぐに棚へ戻す
・掃除は毎日欠かさない
・ゴミの日は忘れたことがない
・いつも部屋の中がきれい

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神経質な人の長所と短所
ここまで神経質な人の特徴を見てきましたが、「結局のところ、神経質な性格って良いのか悪いのか、どっちなの?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。
結論を言えば、良いとも捉えられるし、悪いとも捉えられます。
そもそも性格というものは、良い・悪いと決めつけられるものではありません。場面によって、役立つこともあれば、不都合に作用することもあるからです。
ここでは、神経質な人の主な長所と短所を紹介しますので、良い面と悪い面の両方があることを知っておきましょう。
神経質な人の長所
まずは、神経質な性格のポジティブな一面を見ていきましょう。以下などが長所として挙げられます。
・慎重で細かいミスも見逃さない
・几帳面で正確性を好む
・仕事など成果物の出来栄えにこだわる
・ルールを守る
・曲がったことが嫌い
・感受性が豊か
・他人の気持ちに敏感
神経質な人の短所
続いては、神経質な性格のネガティブな一面を見ていきましょう。以下の性質は、場合によって短所と見られることがあるかもしれません。
・心配性で気が休まらないことが多い
・リラックスするのが苦手で緊張しがち
・悲観的な考え方をしがち
・嫌な出来事やミスを引きずりがち
・他人の意見や小さな行動まで気になる
・考えすぎて行動力に欠ける時がある
神経質な性格に悩んだ時の対処法・直し方
次に、神経質な性格で悩んでいる人のために、どうすれば悩みを解消できるかについて触れたいと思います。
当然ながら、神経質な性格が変われば悩みはなくなります。ところが、人の性格を変えるのはとても難しいことです。変えようと思って簡単に変えられるなら、そんなに悩むことにはなっていないでしょう。
では、どうすればいいかというと、自分が神経質な性格であることを気にしなくなればいいのです。自分の性格を変えるのではなく、考え方を変えようということです。
具体的には、次のように考えてみることをおすすめします。
(1)神経質にも良いところがあると知る
神経質な性格になったのは、自分なりに必要だったからです。身の回りをきれいに保つことで気持ちよく過ごせますし、きっちり行動することでトラブルの芽を摘むこともできます。いい加減で雑な性格よりも、神経質な性格はずっと良いことがあるのです。
「神経質な性格は悪い」という固定観念は捨てて、「神経質な性格にも良いところはいっぱいある」という側面をもっと注目するようにしましょう。
(2)「自分が選択している」という意識を持つ
「自分は神経質な性格だから、つい細かいところまで気にしてしまう」と考えるのではなく、「自分が細かいところまで気にするようにしている」と考えるようにしてみてください。
神経質な行為はあくまでも自分の意志で選択しているものだという認識を常に持つことで、自分の行為に自信と責任がわいてきて、悩みも軽くなるはずです。
(3)きちんとやらなくてもなんとかなる精神
神経質な性格の人は、「もしきちんとやらなければ、とんでもないことになる」と無意識で思っています。このように漠然とした不安があるために、つい細かいところまでこだわってしまうのですが、現実は、常にきちんとやらなくてもそれほど大きな問題は生じないものです。
特に時間に余裕がないときなどは、「きちんとやらなくても、なんとかなるものだ」と繰り返し言い聞かせながら、多少は手を抜くことを自分に許してみてはいかがでしょうか。
(4)他人に強要しない
神経質な性格の人がウザいと思われるのは、自分のこだわりを他人に強要するときです。
例えば、職場で自分のデスクを常に整理整頓している人を見ても、周りは特になんとも思いません。「もっとちゃんと整理整頓しなさい」と口うるさく言われるのが嫌なのです。
「他人は他人。私には関係ない」と割り切って他人に介入しないようにしていれば、「神経質な人だ」と悪意を持って言われることもなくなって、自分が神経質であることも気にならなくなるはずです。
神経質な人に向いている職業は?
細かいところまで気にする必要のある仕事が、神経質な人には向いています。正確性、ち密さ、慎重さ、こだわりの強さなどが求められる次のような仕事です。
(1)経理
数多くの伝票をきっちり整理して正確に処理しなければ経理担当は務まりません。まさに神経質な人にうってつけの仕事だといえるでしょう。
(2)発注・在庫管理
取扱商品が多いほど、発注や在庫管理には神経質な人が重宝がられます。正確さが要求されますので、細部にこだわることはむしろ歓迎されます。
(3)Webプログラマー
企業にとってWebサイト活用は不可欠な時代になりました。
Webサイトが正確に構築されているかどうかが企業の命運を分けるようになったということであり、WebプログラマーやSEは神経質であることがむしろ望まれる仕事だといえます。
(4)設計士
もし設計図に間違いがあると、多額の損害が発生する事態が生じかねません。それだけ正確性や慎重さが求められる仕事も神経質な人には適職だといえるかもしれません。
(5)パティシエ
正確に分量や時間を測ったり、温度管理の徹底をしたり、繊細な作業を行ったり、パティシエの仕事はまさに神経質な性格が活かせる仕事です。
神経質な人との上手な付き合い方
いろいろな角度から、神経質な人に関する理解を深めてきました。最後は、身の回りに神経質な人がいる場合の接し方について触れたいと思います。
まず重要なことは、自分の中に「ブレない軸」を持つことです。
ここで言う「ブレない軸」とは、神経質な性質を持つその人とどのような関係になりたいのか、という明確な方針のこと。
親密な関係でいたいのか、ビジネスライクな関係でいいのか、関係が途絶えてもいいのか。これらの方針が決まっていれば、その人との付き合い方に迷いがなくなるはずです。
ビジネスライクな関係性、または途絶えてもいい関係性の相手であれば、仮に神経質な態度を取られたとしても、深く関わる必要がないため特に気に病むことはないでしょう。
一方、その人が家族や仕事の大切なパートナーである場合など、どうしても日常的に接する機会が多い相手であれば、それなりにうまく付き合うための工夫が必要です。
ここからは、神経質な相手と良好な関係を維持したい場合の、うまく付き合うポイントを3つ紹介しましょう。
(1)そういう人だと受け入れる
神経質な人は、身の回りの細々としたことに対して強いこだわりを持っています。しかし、それは神経質な人に限ったことではなく、人は誰もが大なり小なり独自のこだわりを持っているものです。
あなた自身も何かしらこだわりを持っているはずであり、神経質な人は、あなたとこだわりのポイントが異なるだけなのです。
多種多様のこだわりを持つ人がたくさん集まって社会が形成されているのですから、こだわりの違う人同士が出会うのは自然なこと。
人はみんな違っていて、それぞれ異なるこだわりを持っています。
そのことを認め合えれば、神経質な人を肯定するでもなく否定するでもなく、「この人はこういう人なんだ」と、ありのままを受け入れることができるのではないでしょうか。
このように相手を受け入れることは、対人関係において非常に重要な前提となります。
(2)自分が成長できる機会だと捉える
当然ながら、自分の考え方や行動が絶対に正しいということはありません。
だからこそ、私たちは様々な経験や人との出会いを通じて、考え方の幅を広げたり行動の質を高めたりすることで、人間として成長していくわけです。
私たちは自分の視点で物事を捉えがちですが、他人の視点に触れることで、「こういうモノの見方や考え方があるのだ」ということが学べます。
行動についても、自分とは異なるパターンを目の当たりにすることで、「こんな行動もできるんだな」と新しいやり方を知ることができます。
このように考えると、自分とは異なる性質を持つ人との出会いは、むしろ歓迎すべき出来事だといえるのではないでしょうか?
つまり、神経質な人と付き合うことは、あなた自身が成長できる機会にもなるのです。
(3)何が問題なのかを考える
神経質な人と接してイライラしたりウンザリしたりする時に意識したいのは、「何が問題なのか?」と考えることです。
例えば、あなたが普段は特に気にならない細かい点について、神経質な人から指摘されたとしましょう。
その時、何が問題なのかを考えてみるのです。
・指摘の内容に問題がある
(例)「そこまで気にするのは現実的ではない」という内容だった
・タイミングに問題がある
(例)「今それを指摘する必要はないだろう」というタイミングだった
・口調に問題がある
(例)「そういう言い方はないだろう」と思う伝え方だった
このように、まずはあなたが感じた問題点を明確にします。そして、それは絶対に受け入れられないものなのか、あるいは、よく考えればそうなのかもと思えるものなのかを考えてみましょう。
もしも絶対に受け入れられない内容であれば、「どの部分を」「なぜ」受け入れられないのか、明確に伝えて話し合うと良いでしょう。
一方、それはそれでアリかもしれないと思えたなら、その瞬間にイライラやウンザリする感情は薄まっていくはずです。
神経質な人と接する時は、冷静に論理的な思考を意識してみてください。
神経質な性格をうまく使いこなそう
どんな性格にも必ず役に立つ部分があります。神経質な性格の場合、何をするにもきっちりしっかりやろうとするところがそう。
ただ、こだわりを強く持ちすぎることで周囲との関係が悪くならないように注意する必要があります。
場面に応じてうまく調整できれば、神経質な性格はとても有益な資質になりますので、自分らしい個性のひとつだと開き直って、堂々としてればいいのです。
(笹氣健治)
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