スムージーで農業問題に立ち向かう女子のご褒美とは #私のご褒美ギフト
みんな何を楽しみに、日々働いているの? 現代の女性たちのさまざまな働き方を取材し、「これがあれば、またがんばろって思える!」という彼女たちのご褒美を教えてもらいました。
女性のしなやかキャリアをサポートするキャリアカウンセラー・舛廣純子さんが、さまざまな働き方をする女性たちのご褒美を探る連載【私のご褒美ギフト】。
今回は、株式会社LIFULLで新規事業としてCleanSmoothie事業を立ち上げ、農業問題解決に向け挑戦しつつ、東北を思い出す活動として「きっかけ食堂」を運営し代表を務める原田奈実さん(25歳)を取材しました。
原田奈実さん(25歳)
株式会社LIFULL社長室、CleanSmoothie事業責任者、「きっかけ食堂」代表
大学卒業後、株式会社LIFULLに入社。不動産情報サイトの営業職を経て、現在は社長室、CleanSmoothie事業責任者を務める。本業のほか、「きっかけ食堂」代表として、月に一回、東北を思い出す店をオープンしている。
スムージーで農業問題解決に挑戦
高校時代、震災後の東北をボランティアとして視察した際に、惨状の中でも前向きに生きる人々に、「今の若者たちには期待しているんだよ」と言われたことで、その後の人生が大きく変わっていった原田さん。
大学では「社会問題を解決できる力を身に着けよう」と被災地の補助金の問題などを学び、ボランティア活動にも力を入れました。「東北に行けない人にも東北と関われる機会を提供できれば」と立ち上げた「きっかけ食堂」は、毎月11日のみ営業し、東北の食材で作った東北料理を提供することを続け、今では全国8拠点で展開しています。
新卒では新規事業にチャレンジできる会社を選び、不動産情報サイトの営業職の傍ら、何度も社内の新規事業のプレゼンに名乗りを上げ、ようやく念願のCleanSmoothie事業を立ち上げることが叶いました。
「自分の祖父母が農家だったこともあり、規格外の野菜はおいしくても出荷されずに処分されることを知っていました。その野菜たちをスムージーにし、企業に定額プランで福利厚生として提供するビジネスを考え、事業化したんです。今は日々お客様に生産者の思いを伝えながら、新しい価値を生み出し、農業の問題を解決すべくがんばっています」とのこと。
作り手の思いを感じながら日本酒で幸福感を味わう
そんな原田さんのご褒美ギフトは、福島の老舗有賀醸造の日本酒「陣屋」。やさしい香りとすっきりとした口当たりで飲みやすく、どんな食事にも合うお酒で、ひとりで飲むだけでなく、「いろんな人と楽しみたい」といつも友人宅へのお土産にも持っていくほどのお気に入り。「飲んでいると幸せな気持ちになるんです」という原田さんのとっておきのお酒です。
幸せな気持ちになるのはおいしさに加えて、原田さんが杜氏の方の思いを知っているから。
杜氏である有賀さんご兄弟とは、「きっかけ食堂」がご縁で出会ったそうですが、お2人は震災前、それぞれ薬剤師と研究者をしていたにもかかわらず、震災後、福島に戻り、今はご兄弟でお酒を造られています。
震災直後、福島のモノが売れなかったとき、ご兄弟は造っている自分たちが消費者のところに行って販売することで信頼につなげようとイベント会場などで店頭に立たれていたそうで、そんなお2人の姿が「作り手の思いを消費者に伝え、生産者と消費者をつなぎたい」という今の原田さんの思いにもつながっています。
日本酒で原田さんが幸せになり、その原田さんが農業を元気にしていく。素敵なサイクルを生み出す日本酒ですね。
(取材・文:舛廣純子、イラスト:ヤベミユキ)