「高圧的な態度を取る上司」への対処法! 威圧感のある人の特徴と心理
職場に怖い上司がいて、高圧的な態度を取られてムカつく……なんて悩みはありませんか? この記事では、そんな威圧的に振る舞う人の特徴や心理、偉そうな態度で相手が傷つくようなことを平気で言ってくるような上司への対処法について、OLコラムニストのぱぴこさんに解説してもらいました。
働き方改革が叫ばれ、セクハラ・パワハラといったハラスメントに関する意識も高まっている昨今ですが、まだ昭和の残骸ともいえる高圧的なマウンティング上司は存在します。
当たってしまったらダッシュで逃げたい「高圧的な上司」ですが、仕事で関係がある以上はある程度対応していかなくてはなりません。
今回は、みなさんが苦手な「高圧的な上司」の特徴と賢い対応の仕方を確認しましょう。
あなたの上司は大丈夫? 「高圧的な人」の特徴とは
「そんなだからダメなんだ」
「こんな簡単なこともできないのか」
「言うことが聞けないのか」
「高圧的な人」は、このように非常に攻撃的な言葉を投げつけてきます。
基本的には罵倒と否定のオンパレードで、仕事とは関係のない人格否定の言葉を投げつけてくることも珍しくありません。
部下に対して威圧的な態度を取り、一方的に相手を押さえつけて従わせようとするのです。
高圧的な上司たちの特徴について、整理してみましょう。
(1)自分が絶対に正しいと思っており、まちがいを認めない
高圧的な上司は、まず自分が絶対的に正しいと思っています。
なぜなら彼らは「上司」という立場にあり、「出世をしてきた=会社に認められてきた」という自負があるからです。
「正しさ」とは条件によって変わる流動的なもので、現場とマネージメントでは見る視点がちがうため、現場の社員の情報と判断が正しい場合もあります。
しかし、高圧的な上司は「地位こそ正義」という考え方をしているため、地位が高い自分の判断がまちがっているという発想ができません。
たとえまちがっていても「たまたまだ」などと理由をつけて、まちがいを認めない傾向があります。
(2)言うことがコロコロ変わり、それを覚えていない
高圧的な上司は、言うことがその時々で変わります。
上司に怒られることを避けたいのは誰でも一緒ですが、相手を威嚇して怖がらせるような高圧的な上司を持つ部下は委縮するため、確認をしてから物事を進めたいと考えます。
たとえば朝に「Aを採用する」と確認して進めた結果を報告すると、「なぜBじゃないのだ」と詰め出し、Aと確認した旨を伝えても知らぬ存ぜぬで「最初からBと言った」という一点張りの態度を取ることも。
まるでこちらがミスしたかのように、堂々と言うことを変えます。
(3)過剰に「察する」ことを求める
高圧的な上司は、これだけ「自分の思い通りにしたい」という態度を取りながら、「いちいち細かいことを聞いてくるな」という矛盾した発言をします。
彼らは部下が自分の思い通りに動いてほしいと思っていますが、指示する手間は嫌いです。
そのため、「そんなことも言わないとわからないのか」というように、自分の意図をくみ取れない部下のほうに問題があると怒りをぶつけてきます。
(4)「どうしたらいいと思う?」と質問してくる
まちがいを認めず、言うことがコロコロ変わり、それなのに察することを求めてくる……。
これだけで「無理です!」と白旗を上げたくなりますが、怒鳴るだけが高圧的な態度ではありません。
部下を絶対的に服従させようとする高圧的な上司は常に怒鳴り散らすわけではなく、定期的に「じゃあ、君はどうしたらいいと思う?」と問いかけます。
しかしこれは、何を答えても上司の気分で正解が変わる、悪魔の質問です。
自分の権力を利用して、部下を強制的に従わせようとするのです。

あなたや周囲の人の「偉そうな人度」を診断で詳しくチェックしてみましょう。
高圧的な態度をとる人の心理とは?
高圧的な態度をとる人は、なぜそんな態度を取り、他人を委縮させるのでしょうか?
それは、彼や彼女たちが他人を信用しておらず、相手のことを自分より地位が上か下かでしか判断できないからです。
そして、一番の問題点は「自分の思い通りに部下を動かし、支配すること」が、もっとも正しく、効率的なやり方だと信じている点です。
(1)自分が正しく、優れていることを確認したい
他人をサンドバックにすることで、自分の現在の地位と能力を確認します。
相手を罵倒し、つらくあたり、それによって部下が委縮して自分の思い通りに動くことを確認して安心したいのです。
高圧的な態度は「支配欲」から生まれます。
他人を思い通りに支配し、そのことによって自身の能力を確認したいという心理です。
(2)成長するにはきつい環境が必要という思い込み
「つらい状況下でも生き抜くことで圧倒的成長ができる」「嫌でもつらくても、ひたすら耐える時期も必要」といったモーレツ世代の思い込みは、まだ残っています。
高圧的な上司もまた、同じような環境下にいたことが多く、その中を生き残って今があると考えるため、部下にもきつくあたります。
過去のつらさを美談に変換しているタイプのため、「ひどいこと」をしているという意識がなく、むしろ「教育」としてよかれと思っています。
(3)過去、自分がつらい思いをしたことによる復讐心
過去のつらさを「成功体験」とは考えているものの、「あのときつらかった同じ思いをさせてやろう」という復讐心も背景にあります。
部下としてはたまったものではないですが、「自分のつらさをわからせてやる」「時代が変わったといってぬるい環境におくものか」という八つ当たり心理です。
怖い。高圧的な上司への賢い対処法は?
高圧的な上司がおり、彼らの態度がTHEパワハラであるのなら、一番よい対処法は異動や転職といった「上司と離れる」選択です。
しかし、希望を出してすぐに配置転換したり、新しい勤務先を見つけたりするというのは難しい面もあるので、できる限りの対処法を記します。
(1)コミュニケーション上手な周囲の人に対処法を相談する
「周囲への相談」は非常に大事です。
頻繁に人が入れ替わっている場合もありますが、その上司に気に入られている人、うまくやれている人の存在があるはずです。
そういった「うまい距離感の人」にコミュニケーションの秘訣や注意点を教えてもらい、その上司への接し方のコツを習得するのです。
(2)とにかく相手を褒めて、ポジティブに接する
高圧的な上司は、「全然わからないので勉強になります!」「本当にお手間かけてすみません!」と、打たれ強くポジティブに向かってくる人間を好む傾向にあります。
自分が攻撃的であることを棚に上げて、部下がダメージを受けてネガティブになっているのがわかるとさらにダメ出しをしてくるため、自衛のために「相手を褒めて退散する」を徹底しましょう。
(3)否定せず、対立しない
「今朝、Aと言いましたよね? なんでBになるのですか?」というように、上司の指示の変化を攻め立てるような言い方は、火に油を注ぐようなものです。
対決姿勢を出すことで「おもしろい奴だな」と認められることはレアケースです。
できるだけ対立を避け、納得できない点は「わからないので教えてほしい」という態度で確認することが必要です。
自分を必要以上に責めず、いい意味で受け流すのが大事
高圧的な上司は、部下から見ると理不尽を感じる機会が多い相手です。
彼らの指摘がもっともな場合もありますが、それをすべて「自分が悪い」「自分が至らないからだ」と自己責任にしてしまうと、メンタルがやられて倒れてしまう未来しか見えません。
相手を同じ人間だと思うとつらくなるので、「高圧的な上司」というカテゴライズの人間として接していくという、割り切った姿勢が必要です。
しかし、上記のような環境はよいものではありません。
心や体を病んでまでやる仕事はありません。
「つらいな」「しんどいな」と心から思う場合は、小手先の対処法ではなく、社内のコンプライアンス窓口などに相談したり、異動や転職をして対象の上司から離れたりするという選択肢があることを忘れないでください。
(ぱぴこ)
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