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キスすると好きになるもの? 心理解説&キスからはじまる恋愛はアリか

小日向るり子

なんとも思ってなかった男友達にキスされた。そしたらなんだか好きになった気がする……。キスしたら好きになるものなのでしょうか? もしかして、おかしい? キスからはじまる恋愛はアリなのでしょうか? 心理カウンセラーの小日向るり子さんに詳しく教えてもらいました。

まだ付き合っていないのに、なんとなくキスしてしまった日から彼のことが気になって仕方がない、突然キスされてから彼を好きになった気がするけど気のせい? などなど。

キスからはじまる恋愛についてはみなさん、いろいろと気になってしまうようです。

今回は「キス」と「好き」の関係を男女別に心理分析してみます。さらに、キスからはじまる恋愛は長続きするのかという持続可能性についてまで考えてみたいと思います。

「キスしたら好きになる」のは普通のこと?

そもそもの前提として、キスは相手に好意がなければしません。

エドワード・ホールというアメリカの学者が提唱した「パーソナルスペース(※)」という概念があります。※それ以上近づくと不快になるという個々のまわりにある空間領域のこと。

それによると、自分の半径0.45m以内に相手が入ってきても不快と感じない場合、その関係性は恋人レベルなのだそうです。

キスは近づくどころではありませんよね。つまり、キスをされた、受け入れた、という事実は基本的には「お互いに好意はある」と捉えてよいといえます。

逆に、キスされそうになって慌てて身を引いてしまったら、それは相手を生理的に受け付けられないということになります。

キスには人を好きにさせる効果があるの?

「なんとも思っていなかった男性からキスをされたらなんだか好きになった」という心理ですが、これは普通のことです

精神分析医として有名なフロイトは「人間が最初に経験する快楽の源は口である」と提唱しました。赤ちゃんのときに母乳やミルクを口で吸って飲みますよね。生きるための栄養をすべて受ける口からの快楽は「愛と安心」を意味するのです。

そしてもうひとつ。唇は感覚に関連する脳の大部分を刺激するため、キスをすると快楽ホルモンが活性化されて性的な快楽を感じます

つまりキスは「愛と安全」という肯定的な感情と「快楽」を与えてくれるわけです。キスされた相手に感情が動くのは当然といえますね。

キスの効果に男女差はある?

唇は安心や快感を覚える部位であるということや、好意がある人だからこそ「キスしたい」という気持ちになるということにおいては男女の差はありません。

ただ、キスによって性的欲求が高まるのは男性のほうが強いです。

これは、なるべく多くの遺伝子とかけ合わせて、自身のDNAをよりよいかたちで残したいと願う雄の本能と関係しています。

そのため、男性は女性よりもキスを「肉体関係の前段」として捉えている人が多いです。

ここが、キスを「愛情の確認」や「愛の印」といったロマンティックなものと捉えている女性とは大きく異なる部分です。

どういうつもりで相手の男性がキスをしたのか、女性は冷静に判断したいものです。

キスからはじまった恋はうまくいくの?

社会人になると、お酒を飲んだ勢いでキスされたり、キスしてしまったりといった経験を持つ方もいると思います。

そんな場合気になるのが「自分は本気で好きだったのか」ということと「キスからはじまる恋は続くのか」ということではないでしょうか。

ひとつずつ検証してみましょう。

キスされて生まれた「好き」は本物?

女性は男性よりも生理的な感覚で体の接触を受け入れたり拒んだりします。キスをされたことがきっかけで「好き」という感情が芽生えたということは、生理的な感覚、つまり本能は彼を受け入れたということになります。

ただ、キスをするということは、恋人ではない人が自分のパーソナルスペースを犯して至近距離に近づくということ。それはドキドキ、あるいはハラハラしますよね。

実は、このドキドキ感&ハラハラ感が脳に「恋をしたときのトキメキ」と錯覚させている可能性もあります。

キスの経験が少なく非常にドキドキした、急にキスをされて心臓がドキっとした、といった場合は要注意です。

少し時間を置いて、冷静になってから再度、キスした相手への感情を確認してみましょう。

キスから生まれた「好き」は長続きする?

キスをした、あるいは受け入れたということは、自身の本能が好意を持っているということ。

すでに本能が受け入れているのですから、基本的にはプラトニック状態より愛情が強くなっていく可能性は十分にあるといえます。

キスからはじまった恋はうまくいく?

ただし、いくら女性側が好意を持ったとしても、その後のコミュニケーションによっては持続しない可能性はあります

前述したように、男性のキスは肉体関係を持ちたいというサインである場合もあります。お酒が入ると理性よりも本能が勝ってさらにその傾向は強まります。妊娠の可能性がある女性は、肉体関係をともなうと相手に執着するようになりますが、男性はちがいます。

男性には狩猟本能があるので、手に入れるまで、つまり肉体関係を持つまでは一生懸命になるけれど、それがあっけなく達成できてしまうと急速に冷めることもあるのです。このような男性の本能的な欲求を女性側がコントロールできないと、キスして好きになったのはいいけれど、結局傷ついて終わることにもなりかねません。

キスからはじまった恋をうまく続けたいのであれば、こうした男性の本能的な欲求をきちんと理解しましょう。そしてキス以上の関係は適度にじらすというテクニックも大切です。

私が受けた相談では「お酒が入っていたのでつい……」と関係を持ってから後悔しているという女性も少なくありません。お酒が弱い方は雰囲気に飲まれないように注意してくださいね。

キスはきっかけに過ぎない。大事に気持ちを育んで

いかがでしたでしょうか。キスをきっかけに相手を好きになることは不自然なことではなく、むしろ自然なことであるとおわかりいただけたと思います。

キスはきっかけ。大切なことは、2人の間に持続的な安心や快楽を得るために今後どのようにコミュニケーションをとっていくかです。

勢いで行動したあとはサッと引いてみる、そんなテクニックも上手に使って持続性のある愛を育んでいきましょう。

(小日向るり子)

※画像はイメージです

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