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「共感する力」を身につければ仕事も恋もうまくいく!

高見綾(心理カウンセラー)

仕事も恋もうまくやっていきたいと思ったとき、共感する力があるかどうかが、とても大切な要素であることをご存知でしょうか。しかし、共感という言葉は耳にしたことがあっても、具体的にどんなことをすればよいのか、はっきりと理解している人は少ないかもしれません。「わかる」と言うことかといえば、それだけではないのです。共感とはどんな状態をいうのか、また、共感することで仕事や恋にどんないい影響があるのか、共感する力はどうやって身につけるのか、などについてご説明します。

「共感する」とは何か

共感は、人の気持ちや感情を理解して、その気持ちに寄り添うことをいいます。
「彼に断られるのが怖くて、食事に誘えないの」と聞いたときに、「あなたの気持ちわかりますよ」と伝えようと、「それ、わかる」と言うことが、共感のイメージとしてあると思います。そういった、相手と同じ感情を共有すること以外にも、「(あなたは、誘えないほど)怖いんだね」と相手の感情を汲み取って代弁してあげることも含まれます。精神的な成熟さが必要ですが、この方法が使えると、価値観が違うときや、「私はそうは思わない」というケースでも、共感を示すことができるのです。
意見が合わないと、スルーしたり否定してしまいがちですが、覚えておくと役に立ちます。特に、職場など関わらなくてはいけない人がいるときに使えますよ。共感は、自分が何を言ったかではなく、相手に共感してもらえたと感じてもらうことが一番大切です。
感じ方は人によって異なるため、同じ経験をしても、同じ感情を抱くとは限りません。そのため、私たちが本当に相手の気持ちをわかることはできないのかもしれません。だからこそ、わかろうとする姿勢があることが、人間関係においてもっとも大切です。
私たちは自分の話を理解してもらえたら、「この人は受け入れてくれた」と感じ、相手に信頼感を抱きます。「この人なら、わかってくれる」と感じてもらえることが、よい人間関係をつくるベースになるのです。

共感することのメリット

共感することのメリットを、仕事面と恋愛面に分けて解説します。

仕事面でのメリット

人間関係によるストレスが減り、協力者が増えることで仕事がしやすくなることが大きなメリットです。
共感する力があるということは、人の話を聞く力があるということ。共感することで気軽に話せる関係になり、意思疎通がスムーズになります。仕事上のトラブルは、意思疎通がうまくいかないことから起こることが多いので、そういったストレスから解放されるのです。
また、信頼できる人だと思ってもらえると、新しい仕事ができたときに「あの人に任せてみたらどうか」と優先的に名前が上がるようになって、仕事を任せてもらえるチャンスに恵まれます。相手の心理が理解できるので、潜在的なニーズに気づき、仕事そのものが発展していく可能性も高いでしょう。
関係者の意見がぶつかったときも、味方となって協力し合えるようになります。お互いの妥協点を見つけることができますし、「あなたの頼みなら聞いてあげますよ」と、融通が利くようにもなります。信頼関係のある協力者が増えることで、仕事が格段にしやすくなるでしょう。

恋愛面でのメリット

片想いの人は、好意を持ってもらいやすくなりますし、カップルは信頼が深くなるというメリットがあります。
片思いの場合は、彼の話をしっかり聞いて、「そっか、お仕事大変なんだね」「へえ~、そういうふうに感じるんだね」と共感していると、彼があなたに興味を持つようになります。男性でも女性でも、自分の話を肯定的に聞いてくれる人には好感を持ちます。「自分を尊重してくれる人」だと思うと、もっと話したくなりますし、自分をそういう気持ちにさせてくれる女性には興味を持ちます。ここまでくると、気軽にデートに誘うこともできるような関係になっているでしょう。
カップルの場合は、2人の間に信頼感や安心感をつくり出すことができます。「彼女と話すといつも元気になる」「彼女は自分を認めてくれるよき理解者だ」と、絶大な信頼が置かれるようになれば、あげまんになることも十分可能です。彼にとって唯一無二の存在になることができるでしょう。

共感力を身につける方法

共感力は意識して練習することで身につけていくことができます。

「共感されている」と感じる言葉って?

次のような言葉を意識して使ってみましょう。

「あなたはそう思うんだね」

自分のことを受け止めてくれ、かつ尊重してくれていると感じさせる言葉です。うまくいくと、相手がどんどん話をしてくれるようになります。

「そっか、わかるよ」

同じ経験をしたことがある場合に、使える言葉です。同じ経験をしてないのに安易に使ってしまうと、「私の気持ちなんてわかるわけがない」と反発を招くケースがあるので、慎重に使いましょう。

(相手の話を繰り返して)「~なんだね」

相手がイライラすると言ったら、「イライラしてるんだね」と繰り返します。シンプルですが、大変効果的な言い回しです。カウンセラーがクライアントさんの話を聞くときによく使っている手法です。

「共感」の使い方

続いては、「共感」の使いどころについてお話しします。

悲しい気持ちを打ち明けてくれたとき

そもそも、悲しい気持ちを打ち明けてくれるということは、心を開いているという証拠です。「一生懸命頑張ったのに、うまくいかなかった」という話があれば、「そうか、ショックだね」「一生懸命やっていたのに悲しいね」と、相手の気持ちを丸ごと包んであげましょう。

相手にうれしいことが起きたとき

「仕事がうまくいったんだ!」と言われたら、「わぁ、すごいねー!」と、相手が感じている喜びを同じようなテンションで共有しましょう。言葉に感情がこもっていると、より通じ合えた感覚がします。

相手がイライラしているとき

「嫌なことがあったんだ」と言われたら、「うんうん、それで?」と促して、まずはイライラを全部吐き出してもらいます。「そっか、(あなたは)こういうところが嫌だったんだね」と言うと、徐々にイライラがトーンダウンしてくるはずです。

「こんなことで悩んでもいいのか」と相手が不安に感じているとき

不安な気持ちに共感してあげましょう。悩みを打ち明けるのは、勇気がいるとを理解し、「そりゃ悩むよね」「話してくれてうれしかった」と言うと、安心感を与えられます。

悩み相談をされたとき

悩みのレベルに応じた、声のトーンを選びます。「どうしたらいいと思う?」という具体的なアドバイスを求めるコメントがなければ、解決してほしいわけではなく、悩みを聞いてほしいときです。オウム返しで相手の言ったことを繰り返して「~なんだね」と言うことで、相手の気持ちが整理されていくはずです。

共感する力のベースは、人を理解しようとする姿勢

共感は、人間関係を円滑にするために、とても役に立つ方法です。共感を使うためには、相手のことをよく観察して、わかろうとする姿勢が大切です。人への優しさや思いやりを持ち、「この人はどんなことを感じているんだろう」と寄り添うことで、通じ合うことができます。共感する力を身につけて仕事も恋もうまくいくように活かしていきましょう。参考になりましたら幸いです。

(高見綾)

※画像はイメージです

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