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職場環境は変えられる⁉ ダメ上司の特徴と対処法

小野勝弘(キャリアコンサルタント)

藤奈子

管理職とはいえ、そのあり方はさまざま。なかには、ダメ上司に振り回されて悩む人も少なくないはずです。ダメ上司のせいで仕事がスムーズに運ばない、集中できない。だからといって、上司に直接不満をぶつけることもできないですよね。ダメ上司との上手な向き合い方とは? ダメ上司の特徴と対処法について、キャリアカウンセラーの小野勝弘さんに聞きました。

あなたの上司は大丈夫? ダメ上司の共通点

自分の上司がダメ上司だと自覚のある人はもちろん、なぜか仕事がうまくいかないというあなたも、もしかするとそれはダメ上司のせいかもしれません。ダメ上司の特徴や、彼らのよくある言動についてまとめました。あなたの上司、当てはまっていませんか?

ダメ上司の特徴5つ

(1)自分のことばかり話す

仕事に必要な事務的な会話だったはずが、気がついたら上司の体験談にすり変わっていた。このように自分のことばかり話す上司はダメ上司といわれがち。部下からの報告をきちんと受け止めることもないのですから、部下からのボトムアップも期待できません。

(2)愚痴ばかり

いつも愚痴ばっかり言っている上司はダメ上司かもしれません。愚痴は相手ありきのもの。さて自分は? と振り返ることなく、ところかまわず愚痴ばかり言っているのなら、人間性が疑われるのも当然でしょう。

(3)他者批判をしている

他者批判も多いのがダメな上司の特徴。自分とちがうことが受け入れられない、そんな度量の狭さから他者を批判してばかり。こうなると部下から提案をされることもなくなり、結果的にチーム全体が停滞してしまいます。

(4)部下の功績を取ってしまう

ダメ上司が部下の功績を奪うこともあります。上司からすると、奪ったという意識はないかもしれません。チーム全体の功績であり、それをまとめているのが自分なのだからあたりまえ、くらいに思っているのではないでしょうか。ですが、功績者である部下からすれば、自分の手柄を横取りされたという印象になってしまいます。

(5)何ごとも感情的

筋道が通っていないのに感覚だけで指示をしたり、何かあるとすぐに感情的になって部下に当たり散らしたり。「この目的のためにこの方法をとりたいからこんな指示を出すんだ」、「これがこのようになったからいけなかった」など理論的な説明もなしに指示をされたりなじられたりしたら、部下の頭には理不尽に指摘されたという事実しか残りません。

要注意! ダメ上司の発言

「上が言ったから……」

上司という立場なのに、自分の言葉で部下に伝えようとしないタイプのダメ上司の決めゼリフですね。責任逃れであるともいえますし、このタイプの人は部下とも積極的にかかわろうとしません。社内でのポジションは、上司という役職をかぶったただの伝言役でしかないわけです。

「だからあのとき言っただろう?」

「だからあのとき言っただろう?」という上司。しかし、そもそも言っていますか? 本当にアドバイスなり注意なりをしていたケースもありますが、よくありがちなのが「うーん、どうかなあ?」などとあいまいな発言をしているというもの。あいまいにしたのは自分自身であるのにもかかわらず、それで失敗したときは責任を部下に押しつけるという卑劣極まりない傾向です。

「何かあったら言って」

ケース・バイ・ケースではあるものの、「何かあったら言って」というフレーズもダメ上司の条件にピックアップされることがあります。肯定的な見方をすれば、部下の仕事を見守ってくれているともいえますが、否定的な見方をすれば無責任でもあります。何かあったら言ってと伝えてくれたのにもかかわらず、いざ何かあった時にアドバイスを求めたら、まったくあてにならなかったなんてことも。また、部下にやらせるだけやらせて手柄を横取りするケースも問題です。

ミスの対応でわかるダメ上司

部下のせいにする

いわゆるトカゲのしっぽ切りです。上司としての責任を果たすことなく、部下を切り捨てることですべての問題を解決しようとします。

必要以上に責める

いくらミスをしたからといって、そこまで責める必要があるのかというほど、不必要に責める場合もあるようです。一般的な感覚からみて、度が過ぎていると感じるくらいならダメ上司でしょう。

見せしめにする

ダメ上司はミスをした部下を見せしめにする事例もあるようです。ミスをしたことを、必要もないのに社内で公にしたり、関係者の前で叱咤したりします。

自分は関係ないの一点張り

俺はやってないんだ、秘書が独断でやったんだ、私の直接の部下じゃないんだ……など、はたからすると見苦しいほど、自分は関係ないと主張するダメ上司がいます。言い逃れをしたところで上司である以上責任はありますし、個人単位ではなく組織全体を見直さなければいけないミスかもしれません。こんなことを言っていられる場合ではないのです。

ダメ上司の対処法

あなたの上司に先に述べた要素が見受けられたなら、残念ながら彼らはダメ上司です。しかしどんな上司であれ、逃れることはできません。そこでどのようにダメ上司と付き合えばよいのか、その対処法をお伝えします。

そもそもデキる上司って?

全体で責任を果たすために責任を振り分けられる

デキる上司は全体で責任を果たすことができるよう、それぞれにふさわしい責任を振り分けることができます。そのため、部下たちは自分に与えられた責任を果たすことができるので、個々の力を発揮してくれます。

自分の言葉で仕事の意義を語ることができる

自分の言葉で仕事の意義を語ることができる、これを言い換えれば、自分の言葉で部下とかかわることができるかということ。自分自身の言葉で会社やプロジェクトの意義を語ることができる上司と、とりあえずマニュアルを棒読みするしかできない上司。比較するまでもなく、部下からデキる上司ととらえられるのは、自分自身の言葉を持っている上司ですね。

ボトムアップで意見を拾うことができる

デキる上司は、ボトムアップで部下たちの意見を効率よく拾うことができます。さまざまな意見を取り入れながら問題解決をする姿に、デキる上司だと一目置かれることはいうまでもありません。

ダメ上司とうまくやるには

ダメ上司だとまずは認めてしまう

ダメ上司をデキる上司にアップロードすることは不可能。そのため、まずはダメ上司だということを、いさぎよく自分自身が認めるべきなのです。確かに理想の上司像と比較したら、やるせない気持ちにもなるでしょう。ですが、現実は現実として受け入れることから、うまくやるための一歩が踏み出せるはずです。

どこがダメなのかを考えてみる

ダメ上司のどこをダメだと自分が思っているのか考えてみてください。どこがダメなのかがはっきりするだけでも、すっきりする場合があります。このとき、ダメ上司の行動をひとつひとつ検証していくことがポイント。そうすることで、ダメ上司とかかわり合う前に避けることもできますし、必要に応じて第三者に話を取りつけて、間に入ってもらうことも可能になります。

上司ができることにアプローチする

ダメ上司ではあるものの、ダメ上司にだってできることがあるもの。この上司は何ができるのだろう、何をしてくれるのだろう。このような視点を持つことも大切になってきます。そうでなければ、さすがに上司という立場まではたどり着けなかったはずです。もしかしたら、親族経営だったり取り入ることが上手なだけだったりということも否定はできませんが、それなりに能力があることも。「上司のできることでお力添えをしてもらおう」と視点を変えてみれば、気持ちも軽くなりますし、仕事の効率もよくなりますよ。

ダメ上司と認めることからはじめよう

ダメ上司をすぐにデキる上司にはできないもの。どうやったら、ダメ上司と上手に付き合えるのか、どうすれば効率よく仕事ができるのかを考えてみてください。ダメ上司とかかわりを持たない、あるいは第三者をはさむといった選択もできます。またはダメ上司のできることで、部下からサポートをお願いするという方法もあります。ダメ上司の元で働く以上、自分自身がデキる部下になるしかありません。その働きぶりが評価されて、自分が上司になることだってあるかもしれないのです。

(文:小野勝弘、構成:藤奈子)

※画像はイメージです

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