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彼氏に「毎日会いたい」って重い? 募る思いの対処法

中島輝(心理カウンセラー)

小林有希

学生のときとはちがう、大人の恋愛事情。特に変わってくるのが、恋人と会える時間。付き合いたてのときは特に、毎日でも彼に会いたいと思ってしまうものです。しかし、時間のある学生時代とちがって、社会人は仕事や職場の同僚・友人との付き合いなどに大忙し!  なかなか2人の時間を作ることが難しいのも現実です。また、相手も自分と同じように毎日会いたいと思っているのか……ということも気になりますよね。そこで恋人たちの事情をアンケート調査するとともに、「毎日会いたい」と思う気持ちの男女のちがいや、男性にそう思わせる方法について、心理カウンセラーの中島輝さんに教えてもらいました。

忙しい社会人カップル、毎日会いたいけど会えない問題

愛し合う社会人カップルに立ちはだかる壁。それは、お互いに「忙しい」ということ。ただ、恋人と毎日会うのは荷が重いと感じる人もいるようで……。

大人になっても恋人には毎日会いたい?

「恋人と毎日会いたい!」と思っている人はどれくらいいるのでしょうか? 交際1年以上の相手がいる女性に聞いてみました。

Q.恋人がいると、相手と毎日会いたいと思いますか?
はい(44.1%)
いいえ(55.9%)
(※1)有効回答数401件

過半数近くの女性が「毎日会いたい」と回答。付き合いはじめのころと同じ気持ちでいられるなんて、素敵なことですよね。

毎日恋人に会えている?

「毎日会いたい」と、「毎日会える」はイコールではありません。毎日会いたいと思っている女性は、実際に毎日会えているのでしょうか?

Q.実際に恋人と毎日会えていますか?
はい(32.2%)
いいえ(67.8%)
(※1)有効回答数177件(「毎日会いたい」と回答した人)

会いたい気持ちはあっても、実際には会えていないのが現状のよう。7割近くの人は、さまざまな事情で会いたい気持ちを我慢しているようです。

それでは、どうして「毎日会いたい」と思うのか、その心理について中島さんに教えてもらいましょう。

「毎日会いたい」という心理はなぜ生まれる?

「“毎日”会いたい」と思う理由

好きな人に「会いたい」と思うのは自然な感情ですが、「“毎日”会いたい」と思うのは、好きな人が自分の欲求を満たしてくれる存在だからです。これはマズローの5段階欲求を用いて説明できます。

マズローの5段階欲求とは、アメリカの心理学者、アブラハム・マズロー が、人間の欲求を5段階の階層で法則化したもので、低次の欲求が満たされると順々により高次の欲求を求めるようになるというものです。5段階の欲求とは、次のものになります。

<第一階層「生理的欲求」>
生きていくための基本的・本能的な欲求のことで、「食欲」「睡眠欲」、また人間の3大欲求のひとつでもある「性欲」もこの階層です。恋人のことが好きで好きでしょうがないとき、好きな人と会うことで生理的な欲求(性欲)が満たされるため、「毎日会いたい」という心理が生まれます。

<第二階層「安全欲求」>
危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたいという欲求のことで、会わない間に恋人が離れていってしまう不安感から、「毎日会いたい」という心理が生まれます。

<第三階層「社会的欲求(帰属欲求)」>
集団に属したり、仲間が欲しいと思ったりする欲求のことです。人間関係がうまくいっていないとき、人は孤独や寂しさを感じやすくなります。恋人のぬくもりを求めて「毎日会いたい」という心理が生まれます。

<第四階層「承認欲求」>
他者から認められたい、尊敬されたいという欲求のことです。仕事がうまくいかないときに承認が足りなくなるので、慰めたり励ましてくれたりする恋人に「毎日会いたい」という心理が生まれます。

<第五階層「自己実現欲求」>
自分の能力を引き出し創造的活動がしたいという欲求のことです。この状態のときは、「自分のやりたいこと(自己実現)」と「会いたい気持ち」のバランスを考えながら、「”毎日”会いたい」という心理をコントロールできるようになります。 ここまでの欲求とは異なり、「自己実現欲求」を求めている人は、「会いたい」気持ちはあれども「“毎日”会いたい」とまでは思わないでしょう。

上記は、男女に共通して当てはまることですが、女性特有の「毎日会いたい」心理もあります。それを下記で説明します。

女性特有の「毎日会いたい」と思う心理

女性特有の心理状態として「共感欲求」が挙げられます。女性は「楽しい」「おいしい」「うれしい」「ムカつく」「悲しい」「苦しい」など感情が動いたときに、自分が感じたことを好きな人に共有して、共感したいと思います。その一方、男性は「共感」を求めて「毎日会いたい」とは思いません。一般的に女性は「共鳴共感」を大切にするといわれ、男性は「問題解決」を大切にするといわれています。

たとえば女性からすると共感してほしい場面で、男性から「こうすればいいじゃないか」とアドバイスを言われるとカチンときますよね。一方、男性からすると、自分だったらアドバイスがほしい場面だと思ってアドバイスをしたので、なぜ女性がふてくされるのか理解ができません。「ただ話を聞いてほしい、気持ちに寄り添ってほしい」という女性の考えが男性には理解できないのです。

「毎日会いたい」という女性に対する男性の本音

しかし気になるのが、「毎日会いたい」と思う彼女に対して、相手の男性がどのように考えているのかということ。彼女のほうは会いたいけれど、忙しい相手には、なかなか素直に「会いたい」とは言えないかもしれません。果たして、この気持ちを知った男性は、それをわがままだと思ってしまうのでしょうか。男性に本音を聞いてみました。

彼氏に毎日会いたいと伝えるのはあり?

彼女から「毎日会いたい!」と言われた場合、彼はどう思うのでしょうか? アンケートで男性の本音を聞きました。

Q.彼女から「毎日会いたい」と言われるのはありですか?
あり(55.9%)
なし(44.1%)
(※2)有効回答数379件

「毎日会いたい」と言われるとうれしいという男性が50%を超えました ! もちろん、人それぞれそう感じる理由はちがうとしても、この結果はうれしいですね。

しかし、約半数は「毎日会いたい」と言われることに抵抗があるようです。そう言われることが重いと感じる理由や、男性に「毎日会いたい」と思わせる方法を中島さんに教えてもらいます。

彼女の「毎日会いたい」は重い?

「毎日会いたい」と言われたときに、どう感じるかは人によって異なりますが、一般的に男性の場合は、仕事や生活に不満を持っているときに言われると「うれしい」と思い、仕事や生活が充実していて、忙しいときに言われると「重い」と感じるといえます。

仕事や生活に不満を持っているときに「毎日会いたい」と恋人から言われると、承認された、肯定されたと感じ、うれしい気持ちになります。逆に仕事や生活が充実していて忙しいときに言われると、順調に進んでいた物事を遮られたように感じ、重い気持ちになります。

これは、マルチタスクが得意な女性と異なり、一度にひとつのことしかできにくい男性特有の性質によるものです。女性は忙しかったり充実していたりする中でも、同時に恋人のことを考えることができますが、男性は目の前のことに集中してしまい、その間は彼女の存在を忘れてしまうのです。

こういったちがいを理解しないでかかわってしまうと、彼は彼女の「毎日会いたい」という言葉を重く捉えてしまうでしょう。反対に、こういった男性心理を理解し、男性に合わせることができる女性の「毎日会いたい」は、男性にとっても気持ちよく受け取れるので重くはならないでしょう。

彼氏に会いたいと思ってもらうには?

「毎日会いたい」と思ってもらうには、彼に「彼女といて居心地がいい」と感じさせることが必要です。居心地のよさを感じてもらう簡単な方法として、以下の3つの愛情言葉を身につけるといいでしょう。

<肯定言葉>
男性は褒められたり、尊敬されたりするのが好きです。命令されたり要求されたりするのは嫌いです。「すごい」「あなたのおかげ」と、肯定的な言葉を投げかけましょう。

<後悔言葉>
彼の気分を害してしまったときには、「ごめんなさい」と後悔を素直に伝えましょう。男性は単純な思考を持っているので、意地を張らずにごめんなさいの一言で丸く収めましょう。

<責任言葉>
男性はどちらが正しいのかを重要視します。なので、 男性は自分のほうが悪いと思っても謝るのが苦手です。お互い様と彼女のほうから先に歩み寄りましょう。私も悪かったと先に謝罪をすることで、彼の心も柔くなります。

男性は上から目線でアドバイスをしたり、自慢をして自分が優位に立とうという傾向があります。反対に助言されたり、自慢話を聞かされたりするのは自分が下だと感じるため嫌がります。そういった男性の心理を理解し、3つの愛情言葉を使えるようになると、彼女に居心地のよさを感じ、「毎日会いたい」と思いはじめるでしょう。

毎日会っているカップルは長続きする?

毎日会っていても相手をわかろうと素敵な関係を築けるカップルもいれば、毎日会うことでお互いの嫌な部分が見えてきてしまい関係が悪化してしまうカップルもいます。社会心理学者のマースタインは長続きするカップルには3つの要素があるとし、「SVR理論」を提唱しました。その3つとは、「Stimulus(刺激)」「Value(価値)」「Role(補い合える役割)」です。

<刺激>
お互いが相手に刺激を感じていることです。特に付き合いはじめのころに重要です。
<価値観>
お互いの考えや感性が似ていることです。価値観が近ければ自然と共感し合え、心地のよい関係を築くことができます。
<補い合える役割>
お互いが足りていないものを補い合えることです。お互いのちがいを理解して、認め合い、歩み寄ることができたとき、お互いに相手の存在を大切にできるようになります。

毎日会っているカップルは、「価値観」と「補い合える役割」の2点に要素を持ち合わせていることが多いと考えられます。よって、長続きする可能性は高いといえるでしょう。しかしながら毎日会うことで、互いに「刺激」を感じることが少なくなります。マンネリ化しないためには、お互いに刺激を与えられる存在であることが大切です。

恋人に会えない時間はどう過ごす?

彼女の「毎日会いたい」気持ちをうれしく思ってくれる男性が多いとわかりましたが、一方で重く感じる場合も。男女の考え方にはさまざまなちがいがあるので、女性の「毎日会いたい」気持ちを毎回伝えるのは得策ではないかもしれません。では、その会いたい気持ちを抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。

恋人と会えないときはどうしてる?

恋人と会えないとき、女性たちはどうしているのかについて聞いてみました。

Q.恋人に会えなくて寂しいとき、どうやって心を鎮めますか?

彼に電話やLINEなどで連絡する(63.3%)
ひとりで過ごす(21.7%)
友人と会う(6.7%)
(※1)有効回答数120件(「恋人と毎日会えていない」と回答した人)。単数回答式、その他除く

半数以上が、何かしらで彼に連絡している様子。恋人と一緒にいられない寂しさは、やはり恋人じゃないと埋められないのかもしれません。

会えないときのベストな過ごし方とは

会いたいのに会えないときには、恋人と会えば得られるはずだった先述の「SVR(刺激、価値観、役割)」が不足しています。ですので「SVR」を自分で満たすことで、恋人に会えない寂しさも紛れると考えられます。

「S:刺激」友だちと好きなことをして、盛り上がりましょう。
「V:価値観」自分の好きなことをして、ひとり時間を楽しみましょう。
「R:役割」買い物をしたり、おいしいものを食べたりして物質的な欲求を満たしましょう。

このように、自分の寂しさを自分で埋められるようになると、彼に依存しなくて済むようになります。彼と会えない時間が「会いたいのに会えない我慢の時間」から、「次に会えるまでの待ち遠しい時間」へと変わりますよ。

男女のちがいを理解して、「毎日会いたい」と思わせよう

「毎日会いたい」と思うのはもちろん男女共通の気持ちですが、それだけでなく女性特有の「共感欲求」の影響もあります。男女のちがいを理解し、押し付けることなく居心地のよさをアピールできれば、彼もあなたと「毎日会いたい」と思うようになるでしょう。また、毎日会えないときはストレスをためないように、自分の時間を楽しみましょう。

(中島輝、小林有希)

※画像はイメージです

(※1)マイナビウーマン調べ
調査日時:2018年6月1日~6月4日
調査人数:401人(22~34歳の交際期間1年以上の恋人がいる未婚女性)

(※2)マイナビウーマン調べ
調査日時:2018年6月1日~6月3日
調査人数:379人(22~39歳の未婚男性)

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