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逃げたい、辞めたい。仕事のプレッシャーやストレスと向き合う方法

小野勝弘(キャリアコンサルタント)

Hatsumi

仕事をしていると、プレッシャーを感じる瞬間が多々あるもの。しかし、プレッシャーを感じすぎると心身に支障をきたすこともあるため、上手に付き合い、克服していくことが大切です。では、仕事のプレッシャーに負けそうになったら、どのように向き合えばいいのでしょうか? 今回は、仕事のプレッシャーやストレスと向き合う方法について、キャリアカウンセラーの小野勝弘さんと木村俊夫さんに教えてもらいました。

仕事でプレッシャーを感じるのはなぜ?

まずは、仕事でプレッシャーを感じる原因とプレッシャーを感じやすい人の特徴について、チェックしていきましょう。

仕事でプレッシャーを感じる原因

仕事でプレッシャーを感じる場合、大きく分けて2つの理由が考えられます。それは「自己評価と仕事上求められる業務のレベルが釣り合っていないこと」「要求を達成できなかった場合の恐怖」です。まず、自己評価と仕事内容の間に差がある状況というのは、大まかに以下の3点に分けられます。

やりたい仕事と要求された仕事がちがうケース

例:人事を担当するという話で入社したのに、営業をしてきてと言われた。

自分の能力と与えられた仕事のバランスが悪いケース

例:未経験OKに惹かれて入社したのに、いきなり即戦力として現場に出された。

自己評価が低すぎるケース

例:自分には何もできないと内心思っている人が、仕事を与えられた。

どの状況においても共通していることは、「自分で認識している自分の能力を超えた仕事を与えられた場合に、プレッシャーを感じている」ということです。

また、「要求を達成できなかった場合の恐怖」というのは、「この仕事を失敗したら解雇されるかもしれない」「この仕事を失敗したら居場所がなくなる」といった意識のことを言います。実際にそうなる場合もあるでしょうが、本人が強く思い込むことがプレッシャーになるのです。

仕事でプレッシャーを感じやすい人の特徴

仕事でプレッシャーを感じやすい人の特徴としては、「自己効力感が低い」「プライドが高い」「人の頼みを断れない」の3点が挙げられます。

自己効力感が低い

「自分はダメなやつだ」と考えている人を指します。例えば、自分はダメなやつだから、こんな仕事を与えられても達成できるわけがない、など。このような思考により、仕事そのものをプレッシャーに感じてしまうのです。

プライドが高い

プライドの高い人がプレッシャーを感じるというのは、自分のプライドを保つために、「失敗できない」という強迫観念にとらわれてしまっている場合です。プライドの高い人は、よく言えば完成度の高い仕事ができる人ですが、その反面、まわりの評価を気にしすぎてしまい、本来の力を発揮できないことも多くなりがちです。

人の頼みを断れない

このタイプの人は、自分のできること以上の仕事を引き受けてしまい、プレッシャーを感じる傾向があります。「上司がせっかく自分に依頼してきたから、応えなきゃいけない」などと思っていると、いざ仕事となったときに初めて「自分にこの仕事はできるのか」「この量はこなせるのか」とひとりで考え、重荷を背負いがちになるのです。

逃げたい。仕事のプレッシャーを乗り越える方法

ここからは、仕事のプレッシャーを乗り越える方法やストレス発散のポイント、そして「辞めたい」と思ったときの考え方について見ていきましょう。

仕事のプレッシャーを乗り越えるには?

仕事のプレッシャーを克服するための3つのポイントをご紹介します。

人に相談する癖をつける

できないと悩む前に、人に相談してみましょう。自分の評価を自分だけでしていても、見えてこないものも多くあります。「なぜ上司は私にこの仕事を振ったのか?」を上司に確認することで、自分の気づいていなかった能力を見出せるかもしれません。また、過去に同じようなケースがないか先輩に聞いてみるなど、モデルケースをあたってみるのもひとつの手と言えるでしょう。

やることを具体化する

プレッシャーに感じている漠然とした対象を具体化してみましょう。例えば、「来月の社内研修の講師をやってくれ」というような、漠然とした仕事をいきなり任されることもあるかと思います。そういった場合は、今できることを具体化することで、プレッシャーを軽減できる可能性があります。「対象は誰で、何人なのか?」「現場の問題はなんなのか?」など、細かく分けた上で今できることを具体化していくのです。

人は見えないものに対しては恐怖を感じますが、見えているものに対しては不思議と「何とかなりそう」と考えるものなのです。

開き直る

がむしゃらにがんばる前に、今のありのままの自分を認めましょう。「今の自分にはできない仕事だ」「足りてない部分がある」といったネガティブな要素は、誰しも認めたくないものです。ですが、できる仕事とは裏を返せば「作業」になりがちです。「足りてないからこそ、これから満たすことができる」「今できないからこそ、成長の機会だ」といったように、ポシティブにとらえることもできます。

そうとらえるためには、まず今の自分を認めることです。できないことに目を向けて、なぜできないのか、何が足りないのかをしっかり考えることで、プレッシャーを成長のチャンスに変えることができます。

仕事のストレスを発散する方法

仕事のプレッシャーからくるストレスを今すぐ発散するためにできることとしては、「睡眠と食事の改善」「キャリアカウンセラーに相談すること」が挙げられます。

睡眠と食事の改善

睡眠を充実させるためには、まず寝るための環境を整えましょう。寝る前に体を温め、なるべくスマホを見ないようにして、光の刺激を受けないよう心がけてください。

食事に関しては、特にストレスを感じているとき、外食やコンビニの食事が増えるなど、食生活が乱れがちです。なので、バランスのいい食事をとるように意識しましょう。

キャリアカウンセラーに相談する

ストレスを感じた時点でキャリアカウンセラーに相談することをおすすめします。自分が何に対してストレスを感じるのか、わかっている人は少ないです。相談の中で自分が大切にしている思いに気づき、ストレス回避と予防につなげられると思います。

辞めたいと思ったらどうすべき?

仕事を辞めたいと感じた場合は、辞めること・続けることの両方を選択肢に入れた状態で、早めに検討をはじめてください。ストレスにさらされ続けると、メンタル不調に陥りやすくなり、正常な判断ができなくなっていく可能性があります。そうなってしまってから辞めるか続けるかの検討をはじめると、次の仕事がない状態で辞めざるを得なくなり、休職期間が長くなって再就職に苦労することも考えられるのです。

そうならないためにも、まずはキャリアカウンセラーを交えて、自分がどんなことをやりたいのか、何をストレスに感じていて、何を望んでいるのかをしっかり自覚しましょう。仕事を辞めるにせよ続けるにせよ、自分で決めて自分で一歩進むことが大切です。

仕事のプレッシャーを味方につけよう

「仕事のプレッシャー」というとネガティブなイメージですが、そのプレッシャーこそ「成長のチャンス」とポジティブにとらえることもできます。プレッシャーを味方にして上手に付き合いながら、なるべくストレスを溜め込まないようにしましょう。また、必要に応じて自分自身を見直してみたり、キャリアカウンセラーに相談したりすることもおすすめです。

(監修・文:小野勝弘、木村俊夫、文:Hatsumi)

※画像はイメージです。

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