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部位別! ニキビができる原因と対処法

宇井千穂

おでこや口周り、ときには背中やお尻まで! 気がつくとぽっこりできている「ニキビ」。みなさんはなぜニキビができるのか、理由をきちんと知っていますか? また、ニキビはニキビでも、できる部位によって原因や対処法は異なるのでしょうか? 今回は、部位別にニキビができる原因や対処法について、皮膚科医・宇井千穂先生の解説を紹介いたします。

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ニキビの正体&ニキビができやすい人の特徴

そもそもニキビとは、いったいなんなのでしょうか? また、ニキビができやすい人の特徴とは? ニキビの正体とニキビができやすい人の特徴について、宇井先生に教えてもらいました。

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「ニキビ」の正体は、角質や皮脂!

ニキビとは、毛穴に角質や皮脂が詰まり、排出されずに毛穴にたまった状態をいいます。ちなみに思春期にできるニキビと大人になってからできるニキビは原因が異なります。

思春期にできるニキビとは……

成長時に必要なホルモンの分泌によって皮脂腺の機能が亢進され、これにより皮脂が過剰に作り出されて毛穴が詰まります。思春期の毛穴は完全に発達しきれていなく、まだ小さな毛穴にその過剰な皮脂がたくさん詰まってしまうことで発生します。

大人になってからできるニキビとは……

大人になってからできるニキビの原因には、「ホルモンバランスの乱れ」と「まちがったスキンケア 」が多いです。生活習慣の乱れやストレスなどにより、ホルモンバランスが崩れると、男性ホルモンが多く作られてしまいます。男性ホルモンには皮脂腺機能を亢進させる働きがあり、皮脂を過剰に作り出します。

また、こうしたホルモンバランスの乱れは、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を低下させ、皮膚が乾燥する原因にもなります。皮膚は乾燥すると厚く、硬くなり、毛穴を閉ざしてしまいます。そして閉じられた毛穴にアクネ菌が増殖して皮膚が炎症を起こすと、「大人ニキビ」となります。

ニキビは「毛穴のつまり」が原因で起こる

ニキビは「毛穴のつまり」が原因で起こります。毛穴がつまる主な原因には、男性ホルモンの過剰分泌や、生活習慣やストレスによって皮膚の表皮や角質層が厚くなる「毛包漏斗部角化異常(もうほうろうとぶかくかいじょう)」、アクネ菌の増殖などがあります。

「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」、何がちがうの?

ニキビは、見た目により白ニキビ、黒ニキビ、赤ニキビ、黄色ニキビと呼ばれます。このニキビの種類は、ニキビの「段階」によっても認められます。ニキビは白ニキビから始まって、黒、赤、黄色と悪化していくこともあります。

まずニキビは、段階微小面皰(だんかいびしょうめんぽう)といって、目で見てもわからない段階からはじまります。 そして角質の影響で毛穴が閉じられ、毛包の中に皮脂がたくさん詰まった状態、白ニキビ(閉そく面皰)へと進行していきます。

黒ニキビ(開放面皰:かいほうめんぽう)は、白ニキビが進行し、つまった皮脂や汚れが毛穴の外に出てきて黒く酸化した状態を指します。

黒ニキビが進行すると、皮脂を大好物とするニキビ菌が集まって炎症を起こし「赤ニキビ」になります。赤ニキビが悪化すると、やがて中に膿がたまって「黄色ニキビ」に変化することもあります。

ニキビができやすい人の特徴

思春期の人

男性ホルモンが増加し、皮脂分泌が活発になる思春期は、ほぼ誰でもニキビができやすい時期といえます。

脂っこいものを好んで食べる人

ニキビを悪化させる、特定の食物はありません。しかし、「ニキビが悪化している……」と悩んでいる時期は、高脂肪な食事は避けたほうがいいでしょう。一般的には、動物性の脂肪の取りすぎに気をつけましょう。

生理前などホルモンバランスがくずれがちな女性

生理前の黄体期は、「副腎性男性ホルモン」の分泌が高まる時期。これによって皮脂の分泌が過剰になります。「生理前にニキビができた・増えた」という人が増えるのはこのためです。

睡眠不足やストレスの影響

睡眠不足は、皮膚のターンオーバーを低下させ、ニキビをできやすくしてしまいます。ストレスはホルモンバランスを乱し、肌の調子を悪くするほか、皮膚への直接的な刺激(例:ストレスから皮膚に過剰に触ってしまうなど)を作り、ニキビを悪化させてしまいます。

部位別! ニキビのできる原因&対処法

ここからは具体的に、ニキビができる部位別にその原因や対処法を見ていきましょう。宇井先生によるとニキビは「脂漏性毛包」(よく発達した脂腺をもつ毛包)にできるのだとか。そして脂漏性毛包は身体の部位によって数が異なり、とくに額、頬、眉間、胸、背中に多くあるのだそうです。詳しく見ていきましょう。

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おでこ、眉間、眉毛、こめかみ

原因

おでこから鼻はいわゆる「Tゾーン」といわれ、皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位です。とくにおでこは、前髪に接触する機会が多く、その刺激や髪についている整髪料や汚れがニキビを悪化させる原因にもなります。

対処法

シャンプーやトリートメントなど「洗髪剤」の影響を少なくするため、洗顔は髪を洗った後に行いましょう。また、洗顔後は「保湿」を忘れずに。肌の乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、ニキビの原因となります。ヘアバンドやヘアゴムを使って、前髪がおでこに接触しないようにするのも有効です。

原因

小鼻の黒ずみやイチゴ鼻など、とくに毛穴に皮脂がたまりやすいのが「鼻」です。

対処法

鼻のニキビは黒ニキビになる前、「白ニキビ」のうちに対処しましょう。対処法の1つとして、アダパレンやレチノイドを含む外用薬を塗り、毛穴の角化を抑制する方法もあります。塗り始めはひりひりするかもしれませんが、一時的な反応なら心配はいりません。使用後は乾燥しやすいため、「保湿」をしっかり行いましょう。

口周り

原因

Tゾーンに比べると皮脂の分泌量が少ない口周りは、水分の影響を受けやすく、とても乾燥しやすいところです。また、「胃」の働きの低下や不調によってニキビが生じることもあります

対処法

しっかり「保湿」ケアをすることが重要です。洗顔後のスキンケアはもちろん、肌の乾燥を感じるときは、こまめに保湿クリームを重ね塗りしましょう。「暴飲暴食が続いてるな……」と感じるときは、しっかり胃を休ませましょう。基本的にはバランスのいい食事を心がけ、ニキビや肌荒れに有効な栄養素であるビタミン類や食物繊維を積極的に摂るようにしましょう。

原因

頬にニキビができる主な原因としては、肌の乾燥や生理によるホルモンバランスの乱れのほか、外的刺激(髪の毛や汚れた寝具の接触)も考えられます。

対処法

「規則正しい生活」と「正しいスキンケア」で対策しましょう。女性ホルモンが乱れがちな生理前後は、ストレスをためないよう心がけ、睡眠をたっぷりとりましょう。

まちがったスキンケアは肌を乾燥させ、ニキビができる原因となります。洗顔する際は、洗顔料をしっかり泡立て、たっぷりの泡で包み込むように洗いましょう。洗浄力の強い洗顔料を避けるのも大切です。洗顔後は保湿を忘れずに。また、枕カバーなど頬に触れる寝具は清潔を保ち、雑菌から肌を守りましょう。

顎、フェイスライン

原因

顎やフェイスラインにできるニキビの原因として多いのが、皮脂汚れがしっかり落とせていないことや、洗顔料のすすぎ残しです。

対処法

洗い残しがないよう、鏡を見ながら顔全体をくまなく洗いましょう。洗顔料はしっかり泡立て、こすらず優しく、肌にストレスを与えないように洗顔しましょう。すすぎ残しのないよう、すすぎはたっぷりの水で行いましょう。

髪の生え際や頭皮、うなじ

原因

髪の生え際や頭皮は脂漏性部位に入りますが、「終毛性毛包」が多いためニキビが生じにくくなっています。というのも終毛性毛包からは、長くて太い毛が伸びるため。細くて短い脂漏性毛包と比べ、毛が伸びる際に毛包内の皮脂が十分に排出されるからです。
しかし、髪から垂れてくるシャンプーやトリートメント、リンスなど洗髪剤の影響を受けやすく、ニキビができやすい場所になっています。

対処法

シャンプーやトリートメント、リンスなどの洗髪剤の影響を少なくするために、髪を洗った後に洗顔をするなど、髪の生え際や頭皮、うなじに洗髪剤が残らないようにしましょう。

背中、お尻

原因

背中やお尻は鏡などで確認しにくい部分であるため、気づかないうちにニキビが悪化しているケースが多いです。とくに仰向きで寝る人は、寝ている間にかいた汗が背中に溜まりやすいため、背中ニキビができやすいといえます。

・対処法

清潔を保つようにしましょう。石鹸を使用した身体の洗浄は、1日1回で十分です。夏の暑い季節など、昼間にシャワーを浴びたいときは、石鹸成分の入ったものは使用せずに、温水で皮膚に付着した垢や汚れを洗い流しましょう。これだけで十分、皮膚に付着した刺激物質や垢や汚れを除去できます。

入浴後やシャワー後は、乾燥しやすいため「保湿」を忘れずに行いましょう。皮膚は乾燥すると角化して、毛穴の出口を塞ぐ原因となります。

今日からできる! ニキビ予防方法

最後にニキビができないよう予防する方法について紹介します。

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スキンケアで予防

洗顔

洗い残しやすすぎ残しがないよう、洗顔料はしっかりと泡立てて洗い、すすぎは十分に。洗顔の後は保湿をしっかりとしましょう。

化粧品は刺激の少ないものを。ファンデーションは肌への負担が少なくスキンケア成分を含んだものを選ぶのも一つの手です。毛穴がつまる原因となるため、油分の少ないものを選ぶのもポイントです。

★保湿をしっかり!

皮膚は、乾燥すると角質が厚くなって毛穴がつまる原因になるほか、皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。洗顔後に保湿をするのはもちろんですが、肌の乾燥を感じたらこまめに保湿クリームを塗るようにしましょう。

生活習慣で予防

食事

バランスのいい食事を心がけ、ニキビや肌荒れに有効な栄養素であるビタミン類や食物繊維を積極的に摂るようにしましょう。皮脂の増加を避けるため、動物性脂肪と糖質の過剰摂取は避けましょう。

ビタミンを多く含む食物については以下に例を挙げておきます。

ビタミンA:毛包表皮の異常角化を抑制

うなぎ、レバー、ニンジン

ビタミンB2:皮脂の分泌を抑制

卵、海苔

ビタミンB6:皮脂の分泌を抑制

ピスタチオ、まぐろ、鶏肉

ビタミンE:過酸化脂質を抑制

アーモンド、とうがらし

睡眠

睡眠不足は、肌の再生に必要なターンオーバーを起こりにくくしてしまいます。そこで1日6時間は熟睡するようにしましょう。このとき重要なのが、“肌のゴールデンタイム(22時~2時)に眠ること”です。22時に就寝が難しい場合は、遅くても23時にはベッドへ向かう生活を心がけましょう。

運動

肌の栄養不足もニキビができる原因のひとつです。運動により血流が改善されることで、肌に必要な栄養素がいき渡ります。また、運動して発汗することは、毛穴につまった余分な皮脂を洗い流す効果が期待できるほか、ストレス解消効果も。ストレスはホルモンバランスを乱して肌の不調を招くため、運動は有効です。

運動して汗をかいた後は、シャワーまたは入浴を忘れずに。皮膚を清潔にして、保湿もしっかり行いましょう。

ストレス

前述のとおり、ストレスはニキビに悪影響を与えてしまいます。そこで規則正しい生活をするのはもちろん、ストレスをためない生活を心がけましょう。

まとめ

部位別に「ニキビ」ができる原因と対処法について紹介してきました。いかがでしたか? ニキビはできる部位によって原因も対処法もさまざまです。ぜひ、自分の症状に合った対処法を実践しましょう。また、スキンケアや生活習慣を見直し、ニキビができないように予防も同時に行いましょう。

 

(文:宇井千穂、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.21)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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