引っ込み思案の意味とは? 引っ込み思案になる原因や克服方法も解説
引っ込み思案とは、積極的に人前に出たり行動したりできないことを意味します。では、そのような性格になる原因とは? また、引っ込み思案の長所や短所、恋愛傾向とは? 心理カウンセラーの小日向るり子さんが、引っ込み思案の克服方法も併せて解説します。
ここぞというときに踏み出す勇気がなかったり、自分の意思を伝えられなかったり……。引っ込み思案な性格のせいで、いまいち恋愛がうまくいかないという女性もいるかもしれませんね。
でも、引っ込み思案な性格を克服する方法なんてあるのでしょうか?
そこで今回は、心理カウンセラーの小日向るり子さんに「引っ込み思案になる原因」や「克服する方法」を解説してもらいました。
「引っ込み思案」の意味とは? 類語・対義語も紹介
まずは「引っ込み思案」の意味を確認しましょう。
辞書的な意味
辞書で「引っ込み思案」と調べると、以下のように記載されています。
ひっこみ‐じあん【引っ込み思案】
[名・形動]内気で、積極的に人前に出たり自分から行動を起こしたりすることができないこと。また、そのような性格や、そのさま。「―な(の)青年」「―で友達がなかなかできない」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり引っ込み思案とは、消極的な様子や内気な人を指します。
心理学的な意味
心理学的には、複数の人が集まる場において、極力自分の存在がほかの人に気づかれないような言動をするのが引っ込み思案といえるでしょう。
その背景には、目立つことになんらかの恐れがあったり、嫌悪があったりします。
また、服装は第三者から見ると「地味」と表現されるものを好みますし、自ら発言することも避ける傾向が見られます。
しかし、その状態を心から「楽しい、心地よい」と思ってやっているわけではないのが引っ込み思案の方の心理です。
承認欲求は人間の5大欲求のひとつ。ですから、素直な感情を出して、それを受け入れてくれる人がひとりでも多いほうが彼らの幸福度も上がります。
つまり、引っ込み思案な人は、そういった意味ではある種の生き辛さを抱えていることが多いのです。
類語
「引っ込み思案」の類語としては、以下が挙げられます。
・「弱気」
・「気弱」
・「内気」
対義語
反対に、「引っ込み思案」の対義語としては以下が挙げられるでしょう。
・「出しゃばり」
・「積極的」
引っ込み思案な性格の人に見られる特徴
男性が抱く「引っ込み思案な女性」のイメージとは? そのイメージに共通する性格を教えてもらいました(※)。
(1)人見知り
引っ込み思案の典型的な特徴としては「人見知り」が挙げられるでしょう。
自分から人に話しかけたり会話を続けたりすることに苦手意識を持つ人が多いようです。そのせいで友達が少ない場合も。
人付き合いは「浅く広く」よりも「狭く深く」タイプです。
・「人見知りな人が多いと思う。人と付き合うことに慣れていない人」(37歳/その他/その他)
・「人見知りであまりしゃべらない。こちらから話すことのみに返答」(38歳/その他/技術職)
(2)自信がない
自分に自信を持てないせいで、「ここで発言したら変な目で見られるかな?」などと不安を感じ、積極的になれない人もいます。
・「自信がないから、積極的になることができない」(36歳/電力・ガス・石油/技術職)
・「自信がなくて、いつもオドオドしている」(31歳/情報・IT/その他)
(3)恥ずかしがり屋
恥ずかしがり屋なのも、引っ込み思案な人の特徴。このタイプの人は、注目されるのが苦手です。
人前でしゃべったり何かしたりすることに恥ずかしさを感じ、なるべく目立たないように過ごしている人もいます。
・「恥ずかしがり屋で、どことなく考え方がマイナス思考に偏っている」(37歳/アパレル・繊維/事務系専門職)
・「恥ずかしがり屋。恥ずかしくて前に出られない」(22歳/食品・飲料/営業職)
(4)コミュニケーションが苦手
引っ込み思案な人の中には、コミュニケーションが苦手な人もいます。
相手と目を合わせたり会話のキャッチボールをしたりといったことがうまくできず、自分の気持ちをなかなか伝えられません。
・「コミュニケーションがしっかり取れず、お互いの気持ちが伝わらない」(38歳/団体・公益法人・官公庁/技術職)
・「コミュニケーションを取るのが苦手な人」(38歳/不動産/専門職)
自分以外の人を前にしたとき、“引っ込み思案な性格”の特徴が現れるのだとか。
人見知りをしてしまったり、その後のコミュニケーションがうまく取れなかったり……。
その性格のせいで対人関係がうまくいかない、と悩む女性もきっといるはずです。
引っ込み思案になる原因
では、「引っ込み思案な性格」はどのようにして形成されていくのでしょうか?
(1)否定されて育った
「○○しちゃダメ」「○○しないとバチが当たるよ」など、子どものときに否定や罰則的な言葉を多くかけられて育ったケースがこの例。
こうした育てられ方により、自分の言動に常にビクビクするようになり、大人になっても「感情はなるべく出さずに押し殺していたほうがよい」といった思考の癖がついてしまいます。
(2)愛情不足
愛情が不足した幼少期を過ごすと、自己肯定感が育ちません。自己肯定感が低いとは「自分の存在価値は低い」といった気持ち。
この「自分なんて」という気持ちが「自分が発言したって誰も興味なんてないのだ」という諦めに変わり、自分を表現しなくなるのです。
(3)なんでも親が出しゃばる
これは、子どもが何かをしようとした際、代わりに母親がやってしまうケースです。
母親の後ろに隠れていてもすべてがうまく回ると思ってしまい、自ら考えたり表現したりすることを止めてしまいます。
このケースの場合、本人の感覚としては「引っ込み思案」というよりも、大勢の中にいると自分の感情をどう表現したらよいかわからない、という感覚となるケースが多いです。
そのため、本人はあまり自覚がなくても、まわりからみると「引っ込み思案な人」と捉えられてしまいます。
▶次のページでは、引っ込み思案な人の長所や短所、恋愛傾向を紹介します。