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「炭水化物抜きダイエット」の危険性って?

中村美穂

米やパンなどの炭水化物は、毎日の食事に欠かせないものですが、それが原因で太ってしまった女性もいるでしょう。そんなとき、炭水化物を抜くダイエットをしようと考えるかもしれません。しかし、炭水化物を抜くことに危険性はないのでしょうか? 今回は、管理栄養士の中村美穂さんに、「炭水化物抜きダイエット」の危険性や、ダイエット中の炭水化物の正しい摂り方を教えてもらいました。

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<目次>

「炭水化物抜きダイエット」の危険性

ハードな運動と比べると、手軽にできる「炭水化物抜きダイエット」。しかし、実は思わぬ危険性も秘めているのです。健康にどのような影響を及ぼすのか、くわしく見ていきましょう。

炭水化物を摂りすぎると太るのはなぜ?

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炭水化物は、糖質と食物繊維の総称。糖質を多く含む食品を摂取すると血糖値が急上昇し、それを下げようとインスリンというホルモンが働くのですが、そのインスリンは脂肪を蓄積しやすくする作用もあるため、糖質を摂りすぎると体に脂肪がつきやすくなるというわけです。その分、消費エネルギーが多ければ太りませんが、運動不足や加齢によってなかなかエネルギーを消費できなくなります。余った摂取エネルギーが体脂肪となり、蓄積されて肥満につながります。

「炭水化物抜きダイエット」とは?

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炭水化物を多く含む食品(米・パン・麺・お菓子・ジュース・お酒など)を食べないことで、体脂肪を減らそうとするダイエットが「炭水化物抜きダイエット」。その代わり、タンパク質を多く含む食品(肉・魚など)や、脂質の多い油脂、ビタミン、ミネラルが多い野菜、海藻は食べてもいいとされています。

「炭水化物抜きダイエット」はなぜ危険なの?

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炭水化物の主成分である糖質は、人体の主要なエネルギー源であり、特に脳・神経系にとっては唯一のエネルギー源です。しかし、極端に糖質を抜くことで、集中力の低下や疲れやすくなるなど、生活に支障をきたすだけではなく、生命の危機にもなりかねません。

ダイエット中の炭水化物の摂り方は?

エネルギーのもとになる炭水化物を完全に抜くのは、危険だということがわかりました。しかし、炭水化物を摂取しすぎて太ってしまうのも避けたいもの。ダイエット中は、どのように炭水化物と上手に付き合っていけばいいのでしょうか?

炭水化物を上手に摂るには?

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主食を抜くと満足感が得られず、ストレスもたまり、リバウンドしやすくなります。そこで主食は、精製された白いごはんやパンではなく、玄米や全粒粉パン、ライ麦パンなどがおすすめ。玄米や麦の胚芽・皮に多く含まれるビタミンB群や食物繊維が代謝を促し、便秘を予防し、ダイエットにつながります。こんにゃくや雑穀を混ぜたごはんにしてもいいでしょう。また食べるときは、よく噛んで食べることで満腹感が得られ、少量におさえられます。

炭水化物を摂るときの注意点

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炭水化物は、活動によってエネルギーを消費する朝~昼間に食べるようにしましょう。朝食・昼食では、適量(お米は茶わん1杯、薄切り食パン1枚など)を食べ、間食や飲み物での糖質(小麦粉、砂糖など)はなるべく控えるように心がけてください。

夕食は、寝る3時間前には食べ終わるようにしましょう。お米は茶わんの半分程度と、控えめに。お酒を飲むときは糖質が少ないものを選び、おつまみは炭水化物が多いものではなく、枝豆やチーズなどタンパク質性の食品がおすすめです。

ダイエット中の食事はどうすればいいの?

炭水化物の上手な摂り方にプラスして、ダイエットに効果的な食事のコツも知っておきたいところ。ダイエット中の食事の「いい例」と「悪い例」を、それぞれ解説します。

ダイエット中の食事のいい例って?

まずは、ダイエット中の食事の「いい例」を見てみましょう。

「食物繊維を含む食品」と「発酵食品」を取り入れよう!

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食物繊維を多く含む食品(野菜・きのこ・海藻など)と、発酵食品(ヨーグルト・納豆・みそ・甘酒など)を意識して取り入れ、腸内環境を整えると、代謝がアップして便秘予防にもなり、ダイエットにつながります。食物繊維は消化されない成分で、満腹感が得られるので、食べすぎを予防することもできます。おからやごぼうなどの根菜類、わかめなどの海藻に多く含まれます。これらの食材は低カロリーで、よく噛んで食べることで満足感が得られるメリットも。

おかず・調味料は糖質を控えよう!

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主食を制限するだけでなく、おかずや調味料にも糖質が多いものがあります。特に和食は、甘めの味つけで糖質が多くなりやすい傾向。揚げ物の衣(パン粉・小麦粉)や、サラダのドレッシング、煮物などの味つけに砂糖が使われるため、特に外食・市販品には注意が必要です。塩味だけでなく、酸味やスパイスなどの香りをうまく利用し、糖質を控えてもおいしく満足感がある食事を心がけましょう。

こまめな水分補給を!

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こまめに水分補給をすることで、代謝を促し、空腹感も落ち着きます。その際は甘い飲み物ではなく、常温の水がおすすめ。温かいスープを食べるようにするのもいいでしょう。温かいものを食べることで、体温が上がって代謝がアップし、脂肪燃焼を促します。

ダイエット中の食事の悪い例って?

続いて、ダイエット中の食事の「悪い例」を見てみましょう。

特定の食品だけを食べるダイエットはNG!

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「○○しか食べない」など極端に偏った食べ方をすると、一時的に体重は減少するものの、長続きせず、リバウンドしやすくなります。また、必要な栄養素が不足することで体調を崩しやすくなり、便秘になる・肌が荒れるなどの不調だけでなく、無理に続けると免疫力が低下し、病気にかかりやすくなることも。人が生きていくために必要な栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)をバランスよくとることが大切なので、ダイエット中の食事も、栄養バランスを考えながら、いろいろなものを食べましょう。

まとめ

炭水化物が太りやすいと知ると、「じゃあ炭水化物を摂らなければいいんだ」という発想になりがち。しかしあまりにも偏った食生活だと、人体に危険性を及ぼすことも。炭水化物を完全に抜くのではなく、今回ご紹介したように食べる時間帯や量を工夫して、ダイエット中でも炭水化物を上手に摂取するようにしましょう。

(中村美穂)

※画像はイメージです

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