旦那がストレス! 「主人在宅ストレス症候群」の原因と対処法
「旦那の帰宅時間になると吐き気や動機がする」「夫が家にいるとイライラする……」など、そんな風にあなたは悩んでいませんか? もしかしたらそれ、「主人在宅ストレス症候群」かもしれませんよ。今回は、旦那にイライラする、ストレスを感じる原因や対処法について、ゆうメンタルクリニック総院長・ゆうきゆう先生の解説を紹介します。
<目次>
「主人在宅ストレス症候群」とは?
大好きで片時も離れたくなかった旦那―。それなのに今は「ずっと帰ってこなければいいのに……」なんて思っていませんか? 旦那の存在をストレスに感じる女性は少なくないもよう。ゆうき先生によると旦那が家にいるストレスで健康を崩す女性は「主人在宅ストレス症候群」にかかっている可能性があるのだとか。詳しい解説を見ていきましょう。
(1)「主人在宅ストレス症候群」とは?
主人在宅ストレス症候群というのは言葉通り、夫が家にいることが強いストレスとなり妻が心身に不調をきたすというものです。もともとは定年後、夫が常に家にいることをストレスに感じるというケースが多かったのですが、近年は定年後に限らず「毎日夫が帰ってくるだけでゆううつ」「毎週日曜日(夫の休日)がつらい」と感じ、夫の帰宅時間や休日が近づくと不調を訴えるというケースも増えているようです。
(2)「主人在宅ストレス症候群」の症状
では「主人在宅ストレス症候群」になるとどんな症状が出るのか……。精神面では夫の在宅時や帰宅してくることを考えるとイライラする、強い不安感やゆううつ感を抱く、といったものが挙げられます。身体面では吐き気、胃の不快感、頭痛、冷や汗、食欲不振や不眠など、さまざまあるとされています。また、ひどくなってくるとうつ病、不安障害や強迫性障害、自律神経失調症といった病気に発展したり、高血圧や胃潰瘍、ぜんそく、既往症である更年期障害の症状が急に重くなったり長引いたりといった傾向も報告されています。
こんな夫婦は要注意! 旦那ストレスに陥る夫婦の特徴
「私は大丈夫」「俺の妻は大丈夫だろう」と、根拠もなしに安心するのは要注意! パートナーにストレスを与える男性にはタイプがあるようです。また、夫に対して不満を言えない女性も危険なんだとか。ここからは妻を「主人在宅ストレス症候群」にさせてしまう夫の特徴や、「主人在宅ストレス症候群」になりやすい女性の特徴を紹介します。
(1)妻にストレスを与える夫の特徴
ずばり「世話が焼けるタイプの男性」は、パートナーを「主人在宅ストレス症候群」へと追い込んでしまいやすいでしょう。たとえば以下のような行動をする男性です。
・帰宅後や休日に毎回食事の献立を聞く
・入浴の準備(タオルや下着・パジャマなどの用意)を妻にさせる
・食事の時間が妻とずれていても後片づけを自分でしない
・妻の都合を考えずにリクエストや要求を行う
・自分は動かず妻になんでも指図する
上記のように、自分を中心としてパートナーが動くことを強要する男性は、パートナーを精神的にも体力的にも追い詰めます。また、妻が楽しみを持ったり出歩くのを快く思わず、妻の行動を制限・束縛するような言動が目立つ男性も該当します。
そのほか、「自分は外で働いているから家のことはしなくていい」「家のことは妻の仕事」「妻は夫を優先するべき」「妻は家にいるべき」……など、こういった価値観や要求を妻に押しつけ、妻が反論しづらい雰囲気や言動を繰り返す男性も、妻の大きなストレスに。「夫といることが苦痛」「家にいてほしくない」と感じさせる原因となります。
(2)夫にストレスを抱えやすい妻の特徴
女性の場合、「人に気を使いやすい人」や「相手の顔色を気にしすぎてしまう人」は、夫が理不尽な態度や要求してきた場合でも反論できずに応じてしまうため危険です。また、専業主婦であることに負い目を感じていたり、共働きであっても「夫のほうが大変な仕事をしている」といった心理的な力関係を作ってしまっている人、無意識に「夫に家事をさせるのは妻失格である」といった妻の役割・夫の役割といったものに縛られている人も、夫と対等な関係が築けずストレスをためやすいでしょう。
ちなみに、交友関係が狭く自分の気持ちを話す場がない、趣味を持っていない人は要注意です。息抜きやストレスを発散する機会がないため、追い詰められやすくなります。しかし妻の性格にかかわらず、夫から受けるストレスが多ければ発症するケースもあるので、その点は勘違いしないように。
もしかしてあなたも? 「主人在宅ストレス症候群」チェック
自分は「主人在宅ストレス症候群」なのか、ここまで読んで気になった人も多いでしょう。そこで次に、「主人在宅ストレス症候群」かどうかチェックできる診断をご紹介します。自分は何個当てはまるか、ぜひセルフチェックしてみて。
「主人在宅ストレス症候群」チェック表
趣味がない
友人が少ない、いても夫の愚痴は話せない
夫のいる休日が苦痛だ
夫婦ではあるが、夫は自分の味方ではないと感じる
家事の途中でも夫に呼ばれると行かなくてはいけないと感じる
夫がいるときの食事は「ちゃんとしたもの」でなくてはならない
夫は家事ができない、ほとんど家のことを手伝わない
夫の気分を害さないように気を使うことが多い
夫が間違っていると思ってもほとんど反論できない
自分が出かけると夫が不機嫌になるので外出がおっくうになっている
夫に提案やお願いがあっても拒絶や否定が怖くて言い出せない
日々夫の要求に備えて食事や家のことなどを先回りして準備している
5個以上当てはまった人は……「主人在宅ストレス症候群」の可能性あり!
夫との力関係が明らかにアンバランスなので、自分の行動を制限したり気持ちを抑圧するといったことが多く、非常にストレスを溜めやすい状態です。また、夫の要求に「完璧に応えなくてはいけない」といったプレッシャーがある、夫の否定や拒絶と言ったネガティブな反応をことさら恐れているという状態ならば精神的にはかなりギリギリの状態が続いていると思われます。この状態が続くと抑うつ状態になり、さまざまな心身の不調に繋がっていく可能性も低くありません。
旦那にストレスを感じたときの対処法
最後に旦那にストレスを感じたときの対処法についてゆうき先生のアドバイスを紹介します。旦那へのストレスがたまりすぎて、精神や健康に支障を来たす前に、ストレスはしっかり解消しましょう。
(1)自分の楽しみや趣味を見つける
楽しいことや打ち込めることがあるとストレスは緩和されやすくなります。自分が楽しいと思えること・やってみたいと思うことををなるべくたくさんリストアップし、簡単なものから毎日一つずつ実践してみましょう。
夫が束縛してくるタイプの場合、自分だけの趣味や楽しみを見つけることは夫から阻害されることもあり、かえってストレスを感じやすくなるという声もありますが、その場合は思い切って「夫も誘ってみる」という作戦をとりましょう。一緒に楽しめるようになれば、気持ちもかなり楽になっていきます。
(2)夫に小さなお願いをしてみる
「何もかもを自分でやらなくてはいけない」という考えを改め、夫にも家事や育児を手伝ってもらえないかお願いしてみましょう。お願いする内容は、「食べ終わったら流しに置いておいてね」「ゴミ出しをお願いね」など、小さなことからチャレンジしてみてください。
頼むときは相手が応じてくれやすいよう、「疲れているから」「今日は忙しくてバタバタしてるから」といった理由を伝えると効果的です。応じてくれたら「○○をしてくれてありがとう、すごく助かった!」と、感謝の気持ちを具体的に伝えましょう。
(3)夫とのコミュニケーションを試みる
夫から拒絶されているように感じ、「自分の存在意義」を見失ってしまうと大きなストレスになります。そこで夫とコミュニケーションをとる際は、“近所の人と世間話をするような感覚”で、その日の出来事やおもしろかったテレビの話などをしてみましょう。「コミュニケーションできる状態」に持っていくのが大切です。
(4)「夫を嫌いでいい」と開き直る
夫が嫌いでしょうがないという人は、「嫌いなんだから、仕方ない」と諦めてしまうのも手です。というのも相手にバレないよう気を張ったり、夫を嫌いだと認められないことも大きなストレスになるからです。「夫が嫌いだ」と認めてあっさり離婚! なんて人もいるかもしれませんが、大切なのは「自分が少しでも楽になる方向へ気持ちを持っていくこと」です。そのために関係を改善するのか、解消するのかは人それぞれ。何がベストかは人によってちがいます。自分の選択を自分だけは認めてあげられると、驚くほど気持ちは安定していくものですよ。
まとめ
「主人在宅ストレス症候群」の原因と対処法について紹介してきました。いかがでしたか? 夫の帰宅が怖い、夫が家にいると具合が悪くなる……そんなときに大事なのは、いかに旦那へのストレスを減らし、たまったストレスを解消できるかです。旦那とコミュニケーションをしっかりとって、自分にかかる負担を減らしてもらいましょう。また、自分の楽しみや趣味を見つけて逃げ場を作ることも忘れずに!
(監修:ゆうきゆう)
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