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イボは放っておくと危険? 医師が教える「原因」と「治し方」

宇井千穂

いつの間にかイボができていて、ショックを受けた経験はありませんか? 顔や首にできてしまうと、嫌でも目立つので、女性としては早く取り除きたいですよね。そこで今回は、イボの種類や症状、原因、予防方法について、皮膚科医の宇井千穂先生に解説してもらいました。

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<目次>

イボの種類と原因

イボというのは、医学的には疣贅(ゆうぜい)といわれ、皮膚の良性腫瘍の一種を指します。一般的に皮膚腫瘍を診断する際は、それが良性か悪性であるかを判断するのと同時に、皮膚のどの部分から生じたものであるかを診なくてはなりません。

(1)尋常性疣贅

症状:尋常性疣贅は、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)によるウイルス感染症です。手の甲や指、足の指や底によく現れます。自覚症状はほとんどありません。ウイルスは皮膚の小さな傷などから侵入し、角化細胞に感染していきます。皮膚が落屑すると、それに乗ってほかの部分に感染してしまいます。

原因: ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)によるものです。

(2)伝染性軟属腫

症状:いわゆるミズイボです。中央は陥没し、透き通って見える、大きさが2~10mmの丸い小さなイボです。ミズイボがつぶれて、中の内容物がほかの皮膚にくっつくと、次々に感染してしまいます。自覚症状はないことが多いですが、軽度のかゆみを持つこともあります。

原因:ポックスウイルスに属する伝染性軟属腫ウイルスによるものです。掻いてしまうと、内容物が周囲の皮膚に付着してしまい、感染してしまいます。ほかにも、スイミングスクールなどでの感染や性行為による感染が原因です。

(3)老人性疣贅

症状:20歳代から出現し、80歳代の高齢者では、ほぼ全員に認められるという一般的なイボです。顔や頭、体幹によく見られます。大きさは1~2cmとさまざまで、はっきりとした灰褐色~黒褐色のイボになります。老化によって生じるイボで、老人性色素斑から隆起してなるものが多いです。

原因:加齢によるものです。 加齢が進むと、細胞が表皮の奥にある基底膜近くから増殖し、上に盛り上がりながら増えていきます。そのとき、メラニン色素を盛り込み、灰褐色~黒褐色の色を持つイボになります。

イボは放置していいの?

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ミズイボのように数カ月で自然になくなってしまうものなど、自覚症状がない(かゆみの程度が弱いなど)場合は、経過観察をしてもらうことがあります。ただ前述したように、掻いてイボを壊してしまうと、内容物が出てしまい周囲の皮膚に感染してしまうこともあるので、扱いには注意が必要です。

イボは自力で治せる?

尋常性疣贅も自然消失することはありますが、病院では一般に液体窒素の凍結療法で消してしまいます。また、老人性疣贅は必ずしも治療を必要とするものではありませんが、自然にはなくならず、加齢とともに増えていきます。

イボの予防法

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ウイルスが原因となっているイボは、皮膚の小さな傷や乾燥などの肌荒れからウイルスが皮膚に侵入することによって、周囲の角化細胞に感染していきます。予防を考えるのであれば、肌の調子を整え、肌健康を維持することが大切です。健康な皮膚には、外部の刺激から守るというバリア機能が備わっているので、そのバリア機能を日ごろから大切にしていきましょう。

また、皮膚を清潔に保つことは必要ですが、日に何度もシャワーを浴びたりすると、乾燥の原因につながります。ほかにも、ゴシゴシ洗うことは、肌に負担をかけてしまうことに。適度に肌を清潔に保つように心がけましょう。

日ごろから紫外線から肌を守るUVケアや、保湿剤で乾燥しないように気をつけることが大切。このような肌のケアは、皮膚が本来持っているバリア機能を整える役割があります。肌を大切にして、バリア機能を強くしていきましょう。 体全体を整えるために、バランスのいい食事を摂ったり、ストレスや過労に気をつけ、睡眠を十分にとり、ウイルスに負けない体作りをしていきましょう。

まとめ

イボは、ウイルス性と加齢による原因が多いということが判明しました。もしウイルス性だった場合、感染する可能性もあるので、放っておかずに病院に行きましょう。また、イボができてしまう前に、予防することが大切。日ごろからバランスのいい食事や質のいい睡眠をとるように心がけましょう。

(文:宇井千穂、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.05.14)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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