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共依存恋愛の恐ろしさ~セルフチェック、陥りやすい人の特徴、克服方法~

織田隼人(心理コーディネーター)

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「共依存」は過剰に依存し合う人間関係のこと。相手に依存されることで無意識のうちに自分の存在価値を確認したり、相手をコントロールしようとする場合もあるようです。そんな関係が恋人との間に現れてしまう人も。もし彼氏との関係が「共依存」だとしたら、気をつけた方がいいのかも……。共依存恋愛とはどんなものなのか、心理コーディネーターの織田隼人先生に伺いました。陥りやすい人の特徴や、セルフチェックの方法、克服方法まで解説いただきます!

<目次>

共依存恋愛とは

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まずは、共依存恋愛とは何なのか、どんな点が恐ろしいのか。織田先生に解説していただきました。

共依存になっている人は、自分のことよりも他人の世話ばかりをする人、と言えます。他人の世話をすることで自分の価値を確認する、という行動をとるのです。

なぜこの事態が「共依存」という問題として扱われるのかというと、「他者に依存しすぎることで自分自身のコントロールができなくなっている」からです。自分から見た自分の評価が低いので、他人を通じて評価の低い自分の心を満たそうとします。しかし、他人に評価を預けてしまうので結果的に自分で自分の心が評価できなくなってしまうのです。

また、他人、特に恋愛対象の相手をひたすら世話焼くことで相手をダメにしてしまう、自分がいなければダメだと相手に思わせ、そして自分でもそう信じることで自分の価値を認識するということがよくあります。たとえば、ギャンブル依存、アルコール中毒の彼を支えている女性。DVを受けているけれど献身的に尽くす女性。こういった「ダメな男」を甘やかすこと、支えることで自分の価値を認識しようとしたりするのです。

しかし、他人に評価を預けてしまっているので、いつまで経っても心が満たされることがなく、さらに相手にも依存させるためにどんどん尽くしてお互いがダメになっていく、というのが共依存の状態です。(織田先生)

共依存恋愛に陥りやすい人の特徴

共依存恋愛に陥りやすい人とはどのような人なのでしょうか。陥りやすい人の特徴を男性、女性別に教えていただきました。

共依存恋愛に陥りやすい女性の特徴

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織田先生によると、共依存に陥りやすい女性には、以下の5つのような特徴があるようです。自分が当てはまらないかチェックしてみましょう。

(1)自分のことを必要とされようとする

過度に相手に奉仕したり、尽くすことで自分のことを必要とされようと行動します。

(2)自分より相手を優先する

相手を優先し、そして自分自身を犠牲にすることで必要にされているということをさらに感じようとします。

(3)相手が成功、成長しようとすると親切なフリをしてそれを辞めさせようとする

売れないミュージシャンの彼が売れるためにがんばろうとしたり、就職してまっとうな生活を送ろうとしても「私が守ってあげるから、助けてあげるから」と言って相手の成功や成長を阻害しようとします。相手が上手くいくと自分が必要とされなくなる、と不安になるからです。

(4)感情を素直に表現できない

泣きたいときなのに笑っていたり、怒りを感じているのに平気なフリをいつもしている。自分の感情を素直に表に出すことに対して恐怖を感じている傾向があります。

(5)傷つけられても我慢をしてしまう

相手に傷つけられても我慢をして耐えようとする傾向があります。相手が悪いと思うよりも傷つけられる自分を責め始めてしまいます。(織田先生)

選んじゃダメ? 共依存恋愛に陥りやすい男性の特徴

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続いて、共依存恋愛に陥りやすい男性の特徴も教えていただきました。こんな特徴のある男性を選んでいないかチェックしてみましょう。

(1)夢を追いかけているフリをしているけれど実際はそれほど行動していない

役者になりたい、ミュージシャンになりたい、芸人になりたい、芸術家になりたい、など夢を追いかけていますが、実はそれほど活動していない、「成功に向けての行動しないナルシシスト」男性です。こういった男性はダメな自分を認識しつつも、そこから目を背けたい、と考えており非常に引かれ合いやすいタイプと言えます。

(2)DVをして優しくなる、というのを繰り返す

物理的な暴力の場合もあれば、言葉の暴力の場合もありますが、乱暴をしてその後急に反省してあやまり、「愛している」と女性に言うようなタイプの男性も要注意です。謝られて愛している、と言われることで「必要とされている」と感じてしまい、離れられなくなります。

(3)アルコール、ギャンブルなどの中毒になっている

こうしたダメな行動をとる男性に対して尽くしたり治してあげようという気持ちでせっしたくなりますが、結局改善せずにお互いに泥沼にはまることが多いです。簡単には治らないから中毒と言うので、そこを何とかしようと動くことで一時的に自分が必要とされている感覚が満たされますが、結局改善はしません。そうすると「私がずっとそばで見守っていなければこの人はダメになってしまう」という風に考えてより深みにはまってしまいます。

尽くされることに対して甘えやすい男性が相手になると女性が共依存に陥りやすいです。
他にもいろいろなタイプの共依存に陥りやすい人が付き合ってはいけない男性がいますが、一般的にいわゆる「ダメ男」といわれるタイプにはまりやすいので付き合う前には友達の客観的な評価を聞いておくと良いでしょう。(織田先生)

今すぐチェック! 共依存カップル診断セルフチェック

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もしかしたら、彼氏とすでに共依存関係に陥ってしまっている人もいるかもしれません。織田先生に、共依存カップルかどうか診断できるチェック項目を教えていただきました。

□毎日自己否定ばかりしている
□恋人にはいくらでも尽くそうと思う
□彼が立ち直ろうとするのを親切なフリをして阻害している
□彼は一般的に見てダメな人間だと思う
□自分が必要とされていることを尽くすことで感じている
□ダメな彼だからこそ、自分が支えてあげなければと思う
□心の平穏を感じない、彼にしがみついて心の平穏を感じようとしている
□自分の本心を言えない
□自分も他人も信用することができない
□相手に怒りの感情を向けることができない

6つ以上当てはまった場合は、共依存になっていないかまずは自分を振り返ってみてください。心配なら心療内科を受診して先生に相談してみましょう。(織田先生)

共依存恋愛の克服方法

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共依存恋愛に陥ってしまったら、どうやって克服したらいいのでしょうか。織田先生に克服方法について教えていただきました。

軽く当てはまる状態であればある程度自分で抜け出すことができます。

まず、自分のおかれている状態を客観的に把握しましょう。共依存になっていると認識して「この状態はおかしい」と思うことが最初の一歩となります。

そして、恋人との関係を見直していく必要があります。相手に尽くしているようであれば「自分」を優先しましょう。相手から言われたことを断ったり、他の人と遊びに行ったり、自分の予定を優先したり。こうして自分を大切にすることでじわじわと回復します。

共依存になっている場合、男性の方も回避性依存(共依存の相手として依存している)になっている可能性も高いですので、場合によっては別れた方がよいです。これも客観的に把握した方がよいので、友だちや親、心療内科の先生などに相談してみましょう。(織田先生)

まとめ

彼氏に尽くしたい、お世話したい、と思う気持ちは素敵です。でも、その行為のみで自己評価をしてしまっている人は気をつけたほうがいいのかも。共依存恋愛になっている可能性があるようです。織田先生が挙げてくれた特徴に当てはまる人は要注意。まずは、自分の状態がおかしいと認識して、自分を優先する行動をとると良いようです。抜け出すのが難しいと感じたら、親しい人や心療内科の先生などに相談しましょう。

(監修:織田隼人)

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