定時で帰る人の仕事術7つ。早く帰っても嫌われない方法
こんにちは、キャリアカウンセラーの中谷充宏です。
ちょうど今、働き方改革関連法が成立するなど、「長時間勤務を良しとしない風潮」が熟成しつつありますよね。
しかし、一方でまだまだ日々の残業に追われている職場が多いのも現状です。そこで今回は、「定時に帰る具体的な方法」を解説していきます。
定時で帰るにはどうすればいい?
ノー残業デーのように、全員が一斉に定時に退社するのなら、なんら問題はないでしょう。一方、みんなが残業する慣習の職場で、定時に退社するのはなかなかハードルが高いもの。
ここでは、さっそく定時で帰るための具体的な方法を解説します。
定時で帰れる人は「やることをやっている」
定時で仕事が終わる人は、ズバリ「やることをきちんとやっている人」です。
同じ勤務時間でも、生産性が高いため、決められた時間内に仕事を完遂することができます。他方、定時で仕事が終わらない人はその真逆で、私語を興じていたり、集中力が続かなかったりと、生産性が悪いため決められた時間内に仕事を終えることができないのです。
定時で帰るための7つの仕事術
(1)まわりに宣言する
別に悪いことをしているわけではないのに、まわりが残っているために、後ろ髪を引かれる思いで毎日コソッと定時に帰るのって、かなり面倒だし、ストレスフルでしょう。
そこで、どうせなら正々堂々と宣言してしまいましょう。「仕事は時間内にきちんとこなします。だから私は定時には上がります!」と、周囲に伝えるのです。
たとえば、会社の飲み会にまったく参加しないという人、まわりにいないでしょうか? そういった人は「付き合いが悪い」と批判されても、馬耳東風で自分の意志を貫いています。
この定時退社も同じで、きっと快く思わない人もいるでしょうが、その意志を押し通すしかありません。
(2)やるべきことはきちんとやる
宣言した以上、やるべきことはきちんとやりましょう。
「あれだけ高らかに宣言したのに、成果が全然上がっていない」といった状況だと、より一層の批判の的になりかねません。
宣言した以上は、誰もが認める成果を残し続けるしかありません。
(3)徹底的に生産性、効率を上げる
ここは(2)やるべきことはきちんとやる、を実現するための具体的な話になります。
たとえば、同じ内容を毎回ゼロから入力していないでしょうか? 慣用なものはテンプレ化しておくといった自らでできる創意工夫を実践する。
もしくは同僚が使っているテンプレを活用させてもらう、ゼロから制作するのではなく、社内にあるリソースを探して、それを使う、といった創意工夫もありです。
何かしら絶対に業務効率化できるものはありますので、課題意識を持って日々の業務に取り組み、コンマ1秒でも稼働時間を短縮できる努力を積み重ねていきましょう。
(4)集中する
当たり前の話ですが、業務時間中は同僚と雑談するのではなく、目の前の仕事に集中してください。
一心不乱に仕事に没頭している姿をみたら、雑談に応じる雰囲気でないことを察知しますので、まわりも話しかけたりはしないでしょう。
もし業務とは関係のない話を振られたら、「ごめん、今手が離せないの。お昼休みに話そう」と仕事に集中したい旨と、後でちゃんと聞くよというフォローをセットで回答しておきましょう。
そうすれば、まわりも不快感を持つことなく、あなたの状況をきちんと理解してくれるでしょう。
(5)優先順位をつける
もうひとつ大事なのが、この優先順位をつけることです。
わかりやすい例でいうと、1週間後の締め切りの仕事に時間と労力をかけて、今日締め切りの仕事を放置したまま、とっとと定時で帰ってしまった、というケースです。
これはもちろんNGで、“今日”定時で上がるには、“今日”やるべき仕事を100%終えてからというのは、当然のセオリーです。
期限厳守の意識を高く持って、仕事に臨んでください。
(6)安易に仕事を引き受けない
これは時間的な制約の話になります。定時退社できるかどうかに大きくかかわってくるのが、退社前の仕事の依頼です。
たとえば、「それ、今日中にお願いね」といった内容ならば、これを安易に受けると、定時退社は難しくなります。
経営を揺るがすような緊急の仕事ならもちろん別。ですが、そうでないなら仕事の依頼は受けるものの、完成は明日以降になる旨を事前に交渉しておきましょう。
(7)意志を貫く
前述の(1)まわりに宣言する、と重複する部分がありますが、「定時退社しようと思ったが、今日はまあいいか」と妥協を続けると、それが慣習になります。
まわりも「あんなこと言っていても、依頼すれば残業してくれる」と認識します。今までの慣習を変えるためには、鉄の意志が必要。ぜひ強い意志で定時退社を貫いてください。
何が悪い! 「定時で帰ると嫌われる問題」の解決策
そこで定時退社はそもそも批判されるべきことなのか、そして嫌われずに定時退社する方法について、解説します。
定時で帰るのは悪いこと?
今や働き方改革関連法が成立するなど、長時間労働が評価される時代は過ぎ去ろうとしています。しかし、ひとりだけ早く帰って、まわりは残っているのに、というやっかみを受けやすい状況はいまだ残っています。
ダラダラ残業、付き合い残業、サービス残業は、会社にとっても従業員にとってもよくないですし、そういった残業は好ましくない風潮になってきています。
自身が先陣を切って、定時退社を推進する取り組みを愚直に続けていれば、きっと会社からも認められていくでしょう。
会社もムダな残業代を支払わなくて済みますし、従業員に過労させたことによる経営リスクも低減することになりますからね。
嫌われずに早く帰る方法
嫌われないためのポイントは?
自分の仕事を完璧にこなすこと
たとえ、いくら個別に綿密に根回ししたとしても、「定時に帰ってむかつく」という人は、一定数存在します。
そもそもやることをきちんとやっていれば、たとえ「定時に帰ってむかつく」といった批判や指摘を受けても、何ら問題はないはずです。
何かといちゃもんをつけるような一部の人間のためにまで、わざわざ神経をすり減らす必要はありません。「言いたい奴には言わせておけ」的な精神でいきましょう。
ただ、あなたの仕事ぶりが不完全なものばかりで、その尻拭いを周囲が行っているのであれば、それは不平不満を言われても仕方がありません。したがって、自分の仕事は完璧にこなすこと、これしかありません。
繰り返しになりますが、周囲に「実は、ウチの母親の具合が悪くて、家事を私がやらなくちゃいけないの……」みたいな嘘を重ね、心苦しい想いで早く上がるのではなく、堂々と定時退社する旨を宣言して、仕事で結果を出し続けることです。
そうすれば、いずれ文句を言う人はいなくなるでしょうし、きっとあなたを見習って追随したい、という人が増えてくるはずです。
誰も長時間勤務なんて望んでいませんからね。
「帰る宣言」で定時退社を実現しよう
政府も今、長時間勤務を制限する方向に動いていますし、企業もダラダラ働かせるのではなく、生産性を向上させるよう、試行錯誤しています。
そういった意味では今が最大のチャンス。
ぜひこの波に乗って、定時退社を実現していきましょう。
(中谷充宏)
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