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学歴コンプレックスを解消する方法

ぱぷりこ(恋愛コラムニスト)

自分の学歴に自信がない、自分よりいい学歴の人に嫉妬してしまう、自分の出身校を言いたくない、失敗したときに「やっぱり学歴が悪いせいなんだ」と思ってしまう……。
こんな気持ちになったことがあるのなら、「学歴コンプレックス」かもしれません。学歴コンプレックスを持つ人のあるある言動、乗り越え方について解説します。

なぜ学歴コンプレックスは生まれる?

「学歴コンプレックス」とは、自分の学歴に対して劣等感を持ち、自信を失っている状態です。では、なぜ学歴コンプレックスは生まれるのでしょうか。

どうして学歴コンプレックスを抱くの?

学歴コンプレックスを抱く原因は、「自己評価と現実とのギャップによる自信喪失」です。「いい大学に入りたい」という理想に対して、「理想より低い学歴になってしまった」という現実があって自信を失うと、学歴コンプレックスが生まれます。
偏差値が全国平均より低い大学卒業だからといって、学歴コンプレックスになるわけではありません。学歴が低くても学歴コンプレックスがない人はたくさんいますし、逆にランキング上位の大学を卒業しているにもかかわらず学歴コンプレックスを抱く人(たとえば「ハーバード大学に入れなかったから人生を失敗した」と嘆く東大生)だっています。
では、なぜ「理想の学歴と現実のギャップ」が生まれるのでしょうか。そもそも「学歴が低い OR 高い」は、比較による相対評価です。比較対象は偏差値、全国平均、家族や友人、自己評価など、多岐にわたります。そして、比較対象の数だけ、学歴コンプレックスが生まれます。
まず、大学ランキングや偏差値の平均と比べて、自分の学歴が低い場合です。偏差値や全国平均は誰もがアクセスできる客観的データなので、学歴コンプレックスを抱く原因としてはもっともわかりやすいです。
しかし、学歴コンプレックスを抱く原因は、客観的評価だけではありません。「主観的評価」も同じぐらいコンプレックスの原因となります。
たとえば「自己評価」と比較する場合です。「自分は優秀なのだから東大ぐらい出て当然」と、根拠がないのに自分を現実以上に高く見積もっていて失敗すると、「優秀な自分」という自己像が崩れ、コンプレックスを抱くようになります。
また、比較対象が「親兄弟の学歴」の場合も、コンプレックスを抱きやすいです。「一族にとっての平均学歴」に届かないと、「自分は落ちこぼれなんだ」と周囲と比較して自信を失い、「自分は失敗した」と敗北感を覚え、コンプレックスにつながります。似たパターンとして、仲がいい友だちが自分よりいい大学に行った場合があります。「身近な人間より学歴が低い」ことが、そのまま「自分は彼らより劣っている」という自信喪失につながります。
親の学歴が高くなく、子どもに「とりあえずいい大学に行け」と教育している場合も、学歴コンプレックスを親から引き継ぎやすいです。この場合の比較対象は「親が望む理想の学歴」です。「俺は仕事でがんばったが、学歴が高くないから出世できなかった。だからお前は高学歴に絶対になるんだ」と言われて育ったものの、親の期待どおりの学歴を出せないと、「自分も学歴で人生を失敗する」と思い込んでしまいます。

学歴コンプレックスを持つ人の特徴とは?


学歴コンプレックスを持つ人は、下記のような言動をとる傾向があります。

1 自虐する

「私、低学歴だからさー」「すごーい! 頭いいんだね! 私みたいな低学歴とは大ちがい!」「東大に行きたかったんだけど、だめでしょぼい大学に入っちゃったんだよねー」など、「理想の学歴」になれなかった自分を自虐して、ネタにすることで昇華しようとします。ネタにするのは「学歴なんてたいしたことない」「低学歴でかわいそうと思われたくない」など、自分が傷つかないように自分を守るためです。また「えーぜんぜん学歴とか関係ないよ」「優秀だよ」と言ってもらって、自信を回復したい心理もあります。

2 学歴・高学歴の人を見下す

「今どき学歴とか意味なくない?」「学歴のこと鼻にかける人は全員性格が悪い」「高学歴なのに、ぜんぜん仕事できない人多すぎ。やっぱり勉強だけできてもね」など、自分がほしかったのに手に入らなかったものを馬鹿にします。自分の理想を見下し価値を貶めることで、「こんな価値が低いもの、自分は持っていなくてよかった!」と自己肯定につなげようとします。

3 今の学歴になった言い訳をよく話す

「私、ちょうど受験のときにおばあちゃんが病気になって、ショックで本当なら受かるはずだったのに落ちたんだよね」など、「本当なら理想の学歴になるはずだったけど、諸事情があり現在の学歴になってしまった」と言い訳を用意して、自分の学歴が低い理由を語ります。現実が理想に届かなかったもっともな理由を話すことで、「本来は理想に届く実力がある」という自己評価を崩さずに、理想と現実のギャップを埋めようとします。

4 都合の悪いことをすべて学歴のせいにする

「仕事で同期のほうが評価が上だった。自分の学歴が悪いからだ」「また振られた。学歴が悪いせいだ」と、自分の失敗をすべて「学歴」のせいにすることで、現実を直視せず、プライドを維持しようとします。仕事の失敗、恋愛の失敗、人間関係の失敗などはそれぞれ原因がちがうはずですが、学歴コンプレックスがある人は、つらい現実を直視しないためにすべて「学歴が悪い」で済ませて、自分の心を守り、自信を回復しようとします。

5 学歴の話題・高学歴の人を避ける

学歴の話になると会話が止まる、学歴の話をしたがらない、高学歴の人を避けるなど、理想と現実のギャップをつきつけてくる「学歴」をそもそも認識しないようにします。「学歴」から逃げることで、なるべく傷ついている自分を見ないようにし、これ以上は傷つかないようにしようとします。

6 高学歴の人と付き合い、結婚する

「私の彼氏、だいたいいつも高学歴なんだよね。私はそうでもないのに(笑)」「絶対に高学歴の人と結婚するんだ」など、高学歴の人を恋人にして結婚することで、「理想の学歴」に自分を近づけようとします。自分の力では届かない理想を、他人の力を使って得ようとします。婚活でステータスに過剰にこだわる人は、この傾向が強いです。

これらの言動は「理想と現実のギャップが大きいため、そのギャップを埋めようとする」ものです。どれも「理想を貶める」か「現実を持ち上げる」かして、ギャップを埋めようとしていることがわかります。大学生や社会人1~3年目ぐらいまでは、上記の発言をしていてもそこまで深刻ではありません。学生時代は「学歴」しか判断軸がなく、「学歴=自分の評価」に直結しがちだからです。しかし、社会人になって仕事で実績を積んだり年収が上がったりして「学歴以外」の評価と自信が生まれると、学歴に執着する発言は消えていきます。逆に、アラサーアラフォーになっても学歴のことを話す場合、かなり強烈な学歴コンプレックスになっている可能性があります。

学歴コンプレックスを乗り越える方法


学歴コンプレックスを抱えていると、ずっと自信がなくつらい状態が続きますし、あまりに傷つきすぎると、自尊心を回復するために他者を傷つける言動を取ってしまうこともあります。では、学歴コンプレックスを乗り越える方法はあるのでしょうか。

人生に「学歴」は必要?

そもそも、人生に学歴が必要かどうかを考える必要があります。人生に学歴が必要かどうかは、その人が目指す「人生」によります。もし高収入を望む場合、学歴が高いほうが高収入を得やすいです。厚生労働省発表の賃金構造基本統計調査によれば、高卒、大卒、大学院卒では、生涯年収および賃金上昇カーブに差があることがわかります。一方、「どの大学を選ぶか」はあまり関係がない、という研究結果もあります。プリンストン大学のアラン・クルーガー教授らは「大学の偏差値」と「収入」の因果関係を調べ、「偏差値が高い大学の卒業生と低い大学の卒業生の生涯年収は、統計的に優位な差がない」と結論しています。だとするなら「自分は東大に入れず別の大学に行ってしまった」とコンプレックスを抱くことは、どちらも「大卒」なのであまり意味がないと言えるでしょう。

「結婚」については、統計的に「同程度の学歴」の人と結婚するカップルが多いので、もし高学歴の人と結婚したいのであれば、学歴が高いほうが、成功率が高くなるでしょう。これは「高学歴の人は、大学の同級生も所属コミュニティの人たちも高学歴なので、出会いが必然的に多くなる」からと考えられます。ただ、女性は自分より同等か上を目指す「上昇婚傾向」がありますので、女性が高学歴の場合、候補者数が少なすぎて逆に学歴で苦労することもあります。

一方、「学歴にはこだわらず、趣味や性格が合う人と知り合いたい」というのであれば、学歴はそれほど必要ありません。

このように、自分がどういう人生を歩みたいかにより、学歴が必要かどうかは変わります。学歴は「あって困るものではないが、人生に必要かどうかは人による」ものです。

学歴コンプレックスの乗り越え方

学歴コンプレックスは「学歴を発端とした、理想と現実のギャップによる自信喪失」状態です。「理想と現実のギャップをなくす」「自信を回復する」ことが、学歴コンプレックスから脱出する方法です。具体的な例は、下記のとおり。

1 理想と現実のギャップを認める

学歴コンプレックスを持つ人がまずやるべきことは、「自分には理想の学歴があったが、現実はその理想に届かなかった」「私は、このギャップに傷ついて、自信を失っている状態だ」という事実から目をそらさずにきちんと認めることです。負けず嫌いの人ほど「自分は負けた」という事実から目をそらしたがるものですが、傷を直視しない限り、治療はできません。人に話したり、カウンセラーなどのプロに頼ったり、自分だけの非公開日記やブログに書いたりして、「自分は学歴により自信喪失している」という状況を認めることが必要です。

2 理想と現実のギャップを埋める

ギャップがあることを認めたら、次は「理想と現実のギャップを埋める」努力をします。上述した「学歴を貶める」「他人の力で解消する」などは、一見するとギャップを埋められるように見えますが、自分で解決していないので、実際にはコンプレックスは残り続けます。下記の方法で、「自分の力で理想と現実のギャップを埋める」方法を選びましょう。

・理想を修正する:「そもそも高学歴で何をしたかったのか? 本当に学歴がほしかったのか? それは自分が望んだことか? それとも親に押しつけられたものか?」と自問して、理想が本当に理想だったのかを確認します。実際は自分が望んでいないにもかかわらず、周囲からの呪いに縛られて「学歴がないと!」と思い込んでいる人はよくいます。理想を修正して、「現実の学歴もいいよね」と認められれば、理想と現実のギャップは埋まります。

・現実を理想に近づける:もし本当に学歴を現在より高くしたいなら、大学や大学院に入り直すことで、理想と現実のギャップを埋められます。社会人大学院などを利用すれば、実現可能です。

3 自信を回復する

「理想と現実のギャップ」を自分の力で埋められれば、自信を回復できます。また、「学歴」以外のもので自信を回復する方法もあります。仕事で成果を出す、そのままの自分を愛してくれる人間関係を構築する、趣味分野で尊敬を集める、筋肉を鍛えて己の筋肉美に酔いしれるなど、自信を持つ方法は「学歴」以外にもたくさんあります。

学歴コンプレックスは捨てようと思えば捨てられる

学歴コンプレックスは、数あるコンプレックスの中でもメジャーなものです。「学歴コンプレックスなんて恥ずかしい、誰にも言えない」とひとりで抱え込んで苦しまず、書籍や知人、プロの助けなどを借りて、自分の現実を認めながら少しずつ解体していけば、コンプレックスによる苦しみが和らぐ可能性があります。コンプレックスから逃れようとして、攻撃に走ったり他者を利用して解消しようしたりすると、コンプレックスから逃げられず、どんどん苦しくなっていきます。つらいですが、自分と向き合って自分を認めることが近道です。

(ぱぷりこ)

※画像はイメージです

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