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「人当たりがいい人」とはどんな人? 実は短所でもある理由とは

高見綾(心理カウンセラー)

「人当たりがいいですね」と言われたことはありませんか? 自分では自覚がないけれど、「人当たりがいい」ってどういう意味だろう? と疑問に思ったことがあるかもしれません。褒め言葉として使われている場合と、含みのある意味で使われている場合について、それぞれ説明します。自分の生かし方について参考にしてみてください。

人当たりがいい人とは

人当たりがいい人とは、一般的にはどういう意味で使われているのでしょうか。人当たりがいい人の特徴も紹介します。

「人当たりがいい」の意味

「人当たりがいい」とは、人に与える感じや印象がいいことを意味します。人当たりが柔らかい、といった言い方をすることもあります。親しみやすく柔らかい雰囲気で、話しやすい、安心感があると思わせてくれる人や、初対面であっても、ていねいに話を聞いて対応してくれそうだと思わせてくれる人に使われる言葉です。

人当たりのいい人は、まわりの人に対して親切に接したいと思っており、そうした気持ちが、敵意のない人、親切にしてくれる人というイメージを与えます。職場においても、上司や先輩・同僚、取引先などから親しまれるため、仕事面でもうまくいくことが多いでしょう。

人当たりがいい人の特徴

人当たりがいい人には次のような特徴があります。

表情が柔らかい

人当たりがいい人は、自然な笑顔をしています。目もとや表情、雰囲気が柔らかいのが特徴です。攻撃性がまったくないので、相手に「やさしそう」「安心できる」といったよい印象を与えます。

器が大きい

相手を受け入れようという気持ちが雰囲気ににじみ出ています。相手の話をていねいに聞くことができ、自分の意見とちがっていたとしても、むやみに相手を否定することなく、受け止めることができます。そのため、人当たりのいい人には、自然と人や情報が集まってきます。

ネガティブなことを口にしない

他者を拒絶したり、むやみに誰かを貶めて攻撃するようなことはしません。愚痴や不満を口にすることはなく、基本的に明るくて前向きです。

清潔感がある

健康的な見た目で、服装や身だしなみに清潔感のある人を、人当たりがいいと感じます。髪や肌のツヤがよく、身なりに気を使っていると、感じのよい印象を周囲に与えます。

思いやりがある

精神的に安定していて心に余裕があります。そのため、自分本位に動くことはなく、まわりの状況を見て冷静に行動することができます。他者に対する思いやりの心を持ち、相談されたら快く応じるなど、面倒見のいい人が多いです

褒め言葉じゃない!? 「人当たりがいい」は短所でもある理由

「人当たりがいい」を、含みを持たせて使う場合があります。どんな意味で使われることがあるのか、ご説明します。

「人当たりがいい」の裏の意味とは

八方美人

誰に対しても「いい顔」をしている、という皮肉の意味で使われることがあります。どの人とも良好な関係性を持ち、うまく立ち振る舞っているように見えるため、「調子がいい」と思われるケースも。人の輪の中心にいるため、人当たりのいい人は目立ちます。そのため、疎ましく思って嫉妬する人もいます。

何を考えているかわからない

自分の意見を主張せずに合わせてばかりいると、「いつもニコニコしているけど、本当はどう思っているかわからない」「じつは腹黒いのでは」といった疑いを持たれることがあります。ネガティブなことを言わないことで、「腹の内を見せない人」と思われることがあるのです。

お人好しすぎる

人当たりがいい人は、頼みごとをされても嫌な顔をせず快く引き受けるため、利用されてしまうことがあります。NOと言わないのをいいことに、面倒な仕事を押しつけるなど、いいように使ってしまおうとなめられている場合があります。

「人当たりがいい」と言われたら

「人当たりがいい」は基本的には褒め言葉として使います。話しかけやすい、親しみやすい、安心感がある、感じのいい人、という意味です。人に不快感を与えない人、誰とでもうまくやっていける人、と思われたときに言われることが多いですね。「人当たりがいい」と言われたら、褒めてもらえたと思って素直に受け取っておくといいでしょう。

ただし先程紹介したような、八方美人・何を考えているかわからない・お人好しすぎるなど、含みを持たせて使う場合もあります。その場合は、言われたときに違和感があると思います。嫌味っぽい言い方であったり、相手の表情が不自然だったり、何かヒントがあると思いますので、相手の雰囲気をよく観察してみてください。「人当たりがいいね」と言われて、自分の中にもやもやとした感覚があれば、その感覚は大切にしましょう。もし自分の中に気になる点がないのであればもやもやしないはずですので、何か引っかかるものがあるということです。

もしいいように使われている気がするなら、我慢していることはないか振り返ってみるといいでしょう。まわりの人を優先しすぎて自分のことがあと回しになっていませんか? 言いたいことを言えていない可能性もありますので、自分の心に向き合ってみるのがおすすめです。

「嫌われたくない」「迷惑をかけたくない」と思いすぎると、自分を出せなくなってしまいます。人当たりのよさ自体は、とてもいいことですので、その要素を大切にしながらも、自分の芯を持って、対応できないことには上手にNOを伝える ようにしましょう。「この仕事、手伝ってもらえませんか?」と声をかけられたときに、自分も余裕がないのであれば、「ごめんなさい、今は手いっぱいで無理なんです」とスパッと断りましょう。そのときに、申し訳ないという罪悪感を持ちすぎないことが大事です。下手に出ることなく対等な関係性を意識して、自分も相手も尊重した関係性を作っていきたいですね。

人当たりがいい人は好かれやすい! 上手にNOを言うことも忘れずに

人当たりがいい人は、親しみやすく話しかけやすい雰囲気から、まわりの人に自然と好かれます。ただし、人の輪の中心にいて目立つことから嫉妬されたり、NOを言わないことでなめられやすい面もあります。基本的にはいい意味で「人当たりがいい」という言葉を使いますが、中には、そういった含みがある場合も。無理なことには上手にNOを伝えて、いい意味で自己主張をすることも忘れないようにしましょう。人当たりのいい人は思いやりがあるため、困ったときにはたくさんの人に助けてもらえるはず。仕事でも人柄のよさを発揮していきたいですね。

(高見綾)

※画像はイメージです

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